介護における自立と自律をわかりやすく解説します

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自立と自律のちがいについて知りたい人「自立と自律のちがいについて知りたい。介護は自立支援が目的って聞いた。その自立支援には「自立」と「自律」の意味があると聞いたんだけれど、よくわからないんだよね。どうちがうのか知りたいな」

こんな疑問を解決します

この記事の内容
介護の自立支援において、自立と自律のちがいについて解説しています

こんにちは、せいじです。

介護の仕事を20年以上しており、現在は介護の研修の講師やコンサルタントの仕事をしています。

さて、介護の目的は自立支援ですが、自立支援には「自立」と「自律」の二つがあります。

そして、両方の意味を包括した意味として、介護とは自立支援である、ということになります。

ところで、自立と自律、それぞれの定義はどのようになっているでしょうか。

かんたんに言うと、「自立」とは、日常生活を自分でできるようになること、そして「自律」とは、どのような生活がしたいかを自分で決められること、という意味になります。

というわけで、今回は「自立」と「自律」について解説します。

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介護のおける自立と自律をわかりやすく解説します

では、「自立」と「自律」の定義について見ていきましょう。双方を理解することで、本当の介護が実践できるようになります。

自立の定義とは

まずは「自立」のほうから取り上げていきます。

「自立」をまとめると、次のようになります。

自立の定義

  • 他からの支配を受けずに存在すること
  • 自己決定に基づいて質の高い生活を送ること
  • その人の存在自体に着目すること

自立とは、自分以外の人によって決められた人生をおくるのではなく、自分で決めた人生、つまり自己決定した人生を自分自身で実践していくことを言います。

行動部分を指すんですね。

一般的な自立という意味には、日常生活を自分で行うこと以外にも、経済的自立や精神的自立があります。

しかし、介護においての自立は、日常生活の行為を自分でできるようにしていく、という意味が強いと言えます。

自律の定義とは

「自律」の定義をまとめると、次のようになります。

自律の定義

  • 他からの支配を受けずに自分自身の理解や価値観、社会規範に照らして行動するかどうかを自己決定すること
  • 心理的・精神的な側面に焦点をあてたもの

いっぽう「自律」は、自己決定の部分を指します。自分がどんな生活がしたいかを自分で決めることを自律というわけです。

介護の現場では、身体的な自立を望むことができない人が少なくありません。老化によって身体の衰えが顕著であったり、改善が見込めない病気やケガの後遺症を持っている人が多くいるからです。

そんな人への介護では、「自立」よりも「自律」に重きが置かれることになるでしょう。そして、実践について、できるところは自分でしていただき、できないところを介助していくことになるわけです。

介護とは自立と自律を支援すること

つまり、介護における自立支援では、「自立」と「自律」の両方を実践していくことになります。

「できること」はとことん自分でしていただいて、「できないこと」を支援する。そして、日常生活の中で少しでも自分でできることを増やしていけるようにする自立と、そもそも自分がどのような生活をしたいかを自分で決められるようにする「自律」の支援をしていくわけです。

自律を支援するために必要なこと

自分で自分の生活や行動などを決めることができるようにする「自律支援」ですが、なぜそのような支援が必要になるのでしょうか。

大人であれば、誰しも自分で決めることができそうですよね?

しかし、介護が必要になっている高齢者は、そうはいかないのです。なぜなら、要介護の状態というのは、自分だけで日常生活を完結することができないからです。

誰かの手を借りない生活できない状態では、自分自身で自分の生活を決めるということがむずかしくなってくるんですね。

また、日常生活の行為をすべて自分でできなくなっている人は、自分に自信が持てなくなったり、自分に価値を見出せなくなったりしてしまいます。

「自分はなんの役にも立たない」

「自分は生きている価値がない」

「家族に負担をかける存在」

「それなら生きていない方がよい」

そんなふうに考えてしまうのです。そんな人が、この先どう生きたいか、なんて考えられません。

生きる意欲を失っているからです。いわゆるパワーレスの状態ですね。

私たち介護職は、そんな要介護者に対して、価値を認め、自分らしく生きることを支援する存在であることを、関わりの中で伝えていかなければなりません。

そして、要介護者と介護職の信頼関係が高まっていくことで「自分の価値を認めてくれる人がいるなら、そんな人が自分の生活を支援してくれるなら、もう一度自分らしく生きられるように頑張ってみよう」というふうに、ご本人の意欲を引き出していくのです。それと同時に、能力も引き出していくんですね。

この関わりをエンパワメントと言います。

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介護における自立と自律をわかりやすく解説します:まとめ

介護における自立と自律について書きました。

この記事をまとめます。

介護の自立と自律

  • 自立:日常生活にを自分で行えるようにする行動の部分
  • 自律:自分がどのような生活をしたいかを自分で決められるようにする精神的な部分
  • 自立と自律、両方を支援していくのが介護の自立支援

介護の目的が自立支援であることから、自立と自律の理解は非常に重要になポイントとなります。

介護の定義については、介護の定義や介護と介助の違いとは? をご覧ください。

ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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