
介護職が大変な仕事である理由を知りたい人「介護職が大変、きつい仕事と言われる理由を知りたい。介護職をしようと思っているんだけれど、大変とかきつい仕事って聞くんだよね。介護職の仕事がどうして大変なのか、その理由が知りたいな」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。介護の仕事を20年以上しており、現在は介護の研修の講師やコンサルタントの仕事をしています。
さて、一般的なイメージとして、また実際に介護職をしている人からも、介護職は大変な仕事、きつい仕事という声が聞かれます。
その理由とはいったいどのようなものなのでしょうか。
介護の仕事がきつい仕事である理由は、人間関係のストレス、不規則な勤務形態や人手不足などによる労働環境、仕事の内容が身体的にも精神的にも重労働であるにも関わらず、賃金が低いこと、さらには、サービスを提供する相手である高齢者との関係構築に苦労すること、そして、法人、施設の方針の理解が困難であることがあげられます。
というわけで、今回は介護職が大変な仕事、きつい仕事と言われる理由を具体的に掘り下げていきます。
介護の仕事に就くにあたって、参考になれば幸いです。
介護職は大変?きつい仕事?そう言われる理由とは?
では、介護職は大変、介護はきつい仕事、と言われる理由について見ていきましょう。
まとめると、次のようになります。
それぞれ掘り下げていきます。
人間関係がストレスになる
介護職の退職理由の第一位は、人間関係の問題です。職員同士の関係がうまく構築できず、ストレスになって退職してしまうんですね。
どの職場でも人間関係によるストレスは大なり小なりあると思いますが、介護職は特に人間関係の構築が難しいと言えるでしょう。
その理由としては、次のようなことがあげられます。
介護職同士で人間関係の構築が難しい理由
- 年齢層が幅広い
- 転職組が多い
- 客観的な評価が難しい
介護職同士の人間関係の構築が難しい理由のひとつは、幅広い年齢層にあります。20代〜70代までがいっしょに働く職場になるからです。
とはいえ、他の仕事でも幅広い年齢層がいっしょになって働く環境は少なくありません。どうして介護職の場合、特に問題となるのでしょうか。
それは、他の仕事から転職して介護の仕事に就く人が多いからです。
転職して入ってくるということは、ポジションの逆転現象が起こりやすいんですね。つまり、20代のスタッフが30代〜70代に対して上司や先輩になるといったケースが多いのです。
年配の方の中には、以前の職場で管理職を経験している人も少なくありません。今まで上の立場から指示を出していた年齢層から、逆に指示、指導される立場になるのを受け入れるのは、転職したんだから当然とわかっていてもなかなか難しいものです。
逆に、若い上司も指導しにくいところがあります。ですから、どうしても関係性を構築するのが難しくなるんですね。
また、他の仕事を長く経験している場合、仕事を通じて得た価値観、考え方が異なります。
つまり、価値観の多様性が幅広い職場であるということが、人間関係の摩擦を起こしやすい原因になるわけです。
さらには、介護職としての評価を客観的にするのが難しいという問題があります。なにが正解で、不正解かという基準が明確にないからです。
たとえば、営業の仕事であれば、売上や契約の件数など、数字をもって評価ができますよね。数字は客観的な評価の最たるもので、非常にわかりやすいです。しかし、介護職が良い介護をしているかどうかは、数字で表すことができません。
ですから、なぜ自分があの人よりも評価が低いんだ、という不満から、職場全体の人間関係が悪化してしまうことが多いのです。
人間関係のストレスは、仕事自体をつらいものにしてしまいます。なぜなら、仕事の大変さ、きつさは、主観的なところによる影響が大きいからです。
たとえば、同じ仕事量であっても、人間関係がよかったら楽に感じるものが、悪いと何倍も大変に感じるでしょう。
その結果、介護の仕事は大変、きついという話しになってしまうんですね。
労働環境の問題
労働環境の問題も、介護の仕事を大変にしている理由のひとつです。労働環境による大変さとしては、次のようなことがあげられます。
労働環境による大変さ
- 人材が不足している
- 不規則な生活になりやすい
- 夜勤がある(拘束時間が長い)
介護の仕事は、慢性的な人材不足になっています。人が足りないということは、1人1人の介護職への負担が大きくなるんですね。また、精神的な余裕もなくなります。ですから、どうしても仕事がきつく感じてしまうわけです。
また、介護の仕事は、生活が不規則になりやすいです。シフト制で日々出勤時間、退勤時間が変わるからです。介護の施設で働いている人は避けて通れない問題ですね。
施設に入所されている高齢者の生活は、24時間365日続いていきます。介護はその生活を支える仕事になるため、24時間すべてにおいて必要な職員数を確保しなければなりません。
1人の職員が、日によって早朝から夜勤までをこなすわけです。朝早くから夕方までの日もあれば、朝はゆっくり、夜は遅いという日もあります。そこに夜勤も加わり、一定の生活リズムを持てなくなるのです。
特に夜勤は、業務中に仮眠が取れるとはいえ長くても2時間ぐらいですから、熟睡できるわけではなく、どうしてもリズムが崩れてしまいます。
生活リズムが崩れると、疲れも取れにくくなるため、きつい仕事ということになります。
その夜勤ですが、2日分の勤務時間を連続して働く形になります。つまり、仕事として拘束される時間が非常に長くなります。
このあたりもきついなと思うところでしょう。
仕事内容がきつい(体力的、精神的な負担)
介護は肉体労働、と言われることがあります。寝たきりなどの人に対して、身体を支えたり、時には持ち上げたりといった力仕事が多いからです。
身体に大きな負担がかかり、腰を痛める人も少なくありません。ですから、非常に肉体に負担がかかる仕事なんですね。
また、利用者の精神的な満足を満たす仕事でもあるため、提供する側としては精神的なストレスを抱えることも少なくありません。
なぜなら、自分の感情をコントロールして、利用者の希望に沿わないといけないからです。
時には、自分の価値観とは違う考え方を受け入れなければならない場面があります。高齢者のただのわがままを聞かされているように思うこともあるでしょう。
そして、認知症の方については、状態によっては、理不尽なことを我慢しなければならないこともあるんですね。
自分の感情をコントロールする必要があるということは、精神的に負担がかかります。ですから、精神的なストレスを感じやすいのです。
給与が低い
介護の仕事は、仕事の内容に給料が見合っていない、と感じている人が多いです。なぜなら、給与が低いからです。そして、労働量に見合った給料がもらえていないと感じることは、さらなる精神的なきつさにつながります。
一般的な仕事の年収に比べて、介護職の年収が低いのは事実です。負担の重い仕事ということも相まって、余計にきつい仕事と感じるんですね。
また、給与の低さは将来への不安にもつながります。
高齢者との関係構築が大変
介護を受ける高齢者は、介護を提供する介護職よりもずっと年齢が上の人たちです。介護職と高齢者の間には、大きな世代間ギャップ(ジェネレーションギャップ)が存在します。
価値観の違う世代間で理解し合うのは、なかなか大変な作業だったりします。
法人、施設の方針の理解が難しい
往々にして、法人、施設の方針と、現実の施設にはギャップがあります。理想と現実の差に対して、職場に不満やストレスを感じることが多いようです。
それが介護の仕事をきつく感じさせる要因にもなります。
介護の仕事を続けるために必要なこと
ここからは、大変、きつい介護の仕事を続けていくために必要なことを見ていきましょう。介護職は経験を積むことによって、さらなるスキルアップが可能になる仕事であるため、長く続けることが強みになります。
相談できる上司、先輩を持つ
大変できつい介護の仕事は、ストレスが溜まります。そんなとき、相談できる上司、先輩がいれば、心の支えになりますよね。
親身になって考えてくれる、そして自分が心を開くことができる上司、先輩を作りましょう。
施設、事業所を変える
とはいえ、そんな上司、先輩がいる職場ばかりではないかもしれません。人間同士の相性もあるでしょう。
わかってくれそうな上司、先輩がいない、人間関係が悪すぎてつらい、そう感じる人は、職場を変えるのも手です。
環境を変えることで、もっと働きやすい職場、よい上司、先輩に出会える可能性があるからです。
介護は人材不足の業界です。求人はたくさんあるため、その利点を活用して少しでも良い職場を手に入れられるように行動してみてはどうでしょうか。
資格を取るまで我慢する
職場を変える際に有利、不利となってくるのが資格です。上位の資格を持っているとか、複数の資格を持っていることは、転職の際に有利になります。
無資格よりも初任者研修、初任者研修よりも実務者研修、そして介護福祉士といった資格を持っているほうが、より自分の条件に合った形で仕事がしやすくなります。
持っている資格によって資格手当を出している事業所も多いですからね。
転職をするにあたっては、資格を取るまで我慢して、それから長く続けられる環境に移るというのもいいでしょう。
もちろん、今の職場に我慢できる余地があるのであれば、ということです。
介護職は大変?きつい仕事?そう言われる理由とは?:まとめ
介護職は大変できつい仕事である理由について書きました。
この記事をまとめます。
介護職が大変、きつい仕事である理由
- 人間関係がストレスになる
- 労働環境の問題
- 給料が低い
- 仕事内容がきつい(体力的、精神的な負担)
- 利用者との関係構築が大変
- 法人、施設の方針の理解が難しい
- 続けるために、相談相手を見つける
- 職場を変える
- 資格を取得する
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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