
介護職をしようと思っている人「介護職をしようと思っているんだけれど、正直迷っているんだよね。だって、介護の仕事ってあまり良い話しを聞かないでしょ?3Kの仕事で大変だって言うし、やめる人も多いみたいだしね。介護職がしんどい理由、辞めたいと思う理由って、実際どんなものなの?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。介護の仕事を20年以上しており、現在は介護の研修の講師やコンサルタントの仕事をしています。
さて、介護の仕事はしんどいと言われます。そのしんどさから辞めてしまう人も少なくありません。
実際に、どんなところがしんどいのでしょうか。そして、どんな理由で辞めてしまうのでしょうか、
というわけで、今回は介護の仕事がしんどい、辞めてしまう理由について解説していきます。
介護職がしんどい、辞めたい理由7選
では、介護職がしんどい、辞めたいと思う理由について見ていきましょう。まとめると、次のようになります。
介護職がしんどい、辞めたい理由
- 人間関係が悪い
- 生活が不規則になる
- 給料が少ない
- 身体的、精神的な負担が大きい
- イメージとのギャップが大きすぎた
- 残業や急な出勤が多い
- 労働環境が悪い
人間関係が悪い
介護職の退職理由は人間関係の問題がずっと1位になっています。職場に人間関係が悪いことが、しんどい理由、辞めたくなる理由なんですね。
介護の仕事は、どうして人間関係の問題が起こりやすいのでしょうか。
原因としては、次のようなことがあげられます。
介護職は、新卒で就く人が少ない仕事です。他の仕事からの転職組が多いんですね。転職組が多いということは、経験に基づく仕事に対する考え方、価値観がちがうため、トラブルが起こりやすくなります。
また、転職組が多いということは、若いから経験が浅い、年齢を重ねているから介護経験が長い、とはなりません。年齢はずっと下でも、介護経験では先輩、という逆転現象が起こってしまいます。
年下から指導される、年上に指導しなければならない、という中で、人間関係が悪化してしまうのです。
そして、介護の仕事は、なにが正解かといった評価基準を明確にするのがむずかしい仕事です。数字などで客観的な優劣が明確にならないからです。
なので、評価に対して不満が発生し、評価者との関係がこじれやすくなります。
人間関係に悩んでしんどくなり、辞めたい、とならないための対策としては、相談できる人を職場に作ることです。上司や先輩、同僚の中で、相談できる人が持てると、精神的な負担も大幅に軽減できますし、トラブルの解決の糸口も見えてきます。
ここで重要なのは、自分自身も省みることです。なぜなら、人間関係のトラブルは、お互いに問題がある場合がほとんどだからです。
ですから、相手が悪いばかりではなく、自分にも改善できる点がないか考えることが解決につながります。
とはいえ、どうがんばっても解決できないようであれば、転職を考えるのも解決策のひとつです。
生活が不規則になる
入所系サービスで仕事をしていると、規則的な生活をするのがむずかしくなります。なぜなら、業務の時間帯が日々異なるシフト制での仕事になるからです。
特に夜勤が入ってくると、どうしても生活のリズムが狂ってしまいます。その結果、疲れが取れにくくなったり、不眠になってしまうこともあります。
そのような負担がしんどくて、辞めたくなるんですね。
対策としては、夜勤などがない介護のサービスを選ぶ、ということがあげられます。たとえば、デイサービスであれば、日中の決まった時間帯の勤務である事業所がほとんどです。
また、最近は入所系でも、夜勤なしの正社員を募集しているところもあります。
自分の生活リズムに合わせて、職場や勤務形態を選ぶといいでしょう。
給料が少ない
介護職は給料が安い、と言われます。実際に、一般の仕事と比較しても、給与水準が低いんですね。正社員で働いても、手取りで20万円を切ってしまうという職場も少なくないでしょう。
1ヶ月頑張って働いて、給与明細を見てがっかりする、なんて日々はつらいですよね。
ただ、介護の仕事は、サービス形態によって給料が異なります。たとえば、夜勤のないデイサービスよりも、夜勤のある入所系サービスの方が給料が高くなりますし、グループホームよりも、利用者の数が多い特別養護老人ホームなどの方が給料が高くなります。
また、地域によっても変わってきます。ですから、ちょっと足を伸ばせば、近所の施設よりも万単位で変わってくることもあるんですね。
そして、確実に給料をあげていくのであれば、資格の取得も大きなポイントです。資格手当を設けている事業所が多いからです。
国家資格である介護福祉士や、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得することで、資格手当がついたり、アップします。
もし、資格手当がない事業所なのであれば、資格手当のある事業所に転職するのも一つでしょう。
他にも、役職者になることで給料は上がります。資格と連動しているとろこも多いですが、自分のスキルアップによって、事業所の中でステップアップし、給料をあげていきましょう。
身体的、精神的な負担が大きい
介護の仕事がしんどい理由のひとつとして、身体的、精神的な負担が大きい仕事ということがあげられます。
特に、重度者の多い施設である特別養護老人ホームでは、利用者を抱えたり、持ち上げたりする場面が少なくありません。
さらには、施設が広いため移動距離も長く、疲れやすいということもあります。
また、自分主体ではなく、利用者主体で仕事をしないといけないため、精神的な負担も大きくなります。人に合わせるのって、かなり精神力を消費しますものね。
ですから、心身ともに負担が大きく、そのしんどさから辞めたくなるんですね。
重度の利用者への対応で負担を感じるのであれば、軽度者、つまり比較的お元気な方がたくさん利用されているサービス、事業所に転職をするのがいいでしょう。
たとえば、サービス付き高齢者専用住宅などは、比較的お元気な方が多く、介護職の身体的、精神的負担も少ないです。
その分、給料が少なくなるかもしれませんが、続けていくためにはどちらを優先するか考えて、選択するといいでしょう。
イメージとのギャップが大きすぎた
理想と現実の差にショックを受けて、しんどい、辞めたいと感じる人もいます。介護の現場はとても忙しく、利用者とゆっくりお話しをしている時間がなかなか持てなかったりするからです。
特に、業務中心の昔ながらの介護を実施している事業所や、極端な人手不足になっているところは、初任者研修などで勉強し、思い描いてきた介護とはかけ離れているかもしれません。
その現実を目の当たりにして、心が折れてしまうのです。
対策としては、忙しい中でいかに介護の専門性を発揮できるかを考えてみてください。忙しいからといって、利用者に粗末な接し方しかできないかというと、そうではないはずです。
心がけ次第で丁寧に接することはできますし、時間がない中でもコミュニケーションを図れる時間をとることはできます。
たとえば、着替えの介助や入浴介助など、介助中に世間話や身の上話をすることもできますよね。
そうやって、思い描いているイメージに実際の介護を近づけていくことが大切です。
また、小規模の事業所、施設の方が、利用者とのコミュニケーションははかりやすいですね。なので、そのような事業所などに転職するといいでしょう。
残業や急な出勤が多い
介護の仕事は、ときに急な残業や出勤を頼まれることがあります。特に、感染症が流行する季節には多くなります。急な欠員が出るケースが多いからですね。
たとえば、一般の仕事であれば、少々熱があっても出勤できるかもしれません。しかし、介護の仕事では利用者にうつしてしまう恐れがあります。
抵抗力の弱っている利用者は、感染しやすいですし、感染によって亡くなるリスクも高くなります。
ですから、介護職の体調不良には非常にシビアに対応する必要があるんですね。ちょっとした体調の変化であっても、自宅待や受診による検査を受けることになります。
介護職や休むと、当然シフトに穴が開くことになるため、代わりの介護職が必要になります。ですから、本来休みであった介護職が急遽出勤したり、出勤している介護職が残業をして穴を埋めることが多くなるのです。
急な残業や出勤は、精神的にも身体的にも負担を感じますよね。それがしんどくて辞めてしまうケースも少なくないんですね。
こちらについては、なかなか対策がむずかしいですね。ですから、介護業界以外の仕事を探すのも、解決策のひとつとなります。
労働環境が悪い(ブラック企業)
労働環境が悪い職場が理由であることもあります。俗にいうブラック企業ですね。
まとめると、次のような職場環境です。
これらの内容が当てはまるような職場は、即刻退職した方がいいでしょう。なぜなら、改善される可能性は、非常に低いからです。
その職場はあなたが入る前から長年ブラックな環境だったわけで、あなたが改善を訴えたところで改善されることはほぼありません。
はっきり言って時間の無駄にしかならないので、他の職場を探すことをお勧めします。
介護職がしんどい、辞めたい理由7選:まとめ
介護職がしんどい、辞めたい理由について書きました。
この記事をまとめます。
介護職がしんどい、辞めたい理由
-
- 人間関係が悪い
- 生活が不規則になる
- 給料が少ない
- 身体的、精神的な負担が大きい
- イメージとのギャップが大きすぎた
- 残業や急な出勤が多い
- 労働環境が悪い
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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