夜勤の仕事がきついです。ナースコールなどにイライラしてしまいます。なにかいい方法はないでしょうか?
こんな悩みを解決します
この記事の内容
夜勤は1フロアに1~2人や、ユニットに1人と、職員の人数が日勤帯と比較して少なくなります。
一人ひとりの負担が増えます。
利用者の急な体調変化や、転倒による怪我の可能性を考えると、精神的な負担も大きいです。
その中でも、少しでも精神的な負担が軽減する方法を書きたいと思います。
結論から言うと、イライラの原因は「利用者の行動に受け身で仕事をしている」からです。
利用者を主体にしつつ、職員も主体をもって仕事ができる方法を書いていきます。
夜勤でイライラする原因とは?
夜勤でイライラする原因をまとめます。
- 夜勤でしておかなければならない業務が滞る
- ナースコールに振り回される
- 利用者さんが寝てくださらない
掘り下げていきます。
夜勤でしておかなければならない業務が滞る
施設では、早出、日勤、遅出、夜勤、とシフトがあって、それぞれに業務が振り分けられています。
たとえば、ゴミ出しやシーツ交換、洗濯、フロアの掃除といったものです。
これらを「業務」と表現しています。
こういったことがイライラの原因になります。
介護はチームでするので、ひとりの役割が乱れるとチーム全体に影響を及ぼします。
「あの子の夜勤のあとはいつも大変だよね」という陰口や批判が気になりますよね。
それが嫌だから、残業してやり切らないと、と考えてしまいます。
それらがストレスになり、イライラの原因になります。
そして、利用者さんに対しても、つい口調がきつくなってしまったり、態度がそっけなくなってしまったり、ということが起こりえますね。
不意にナースコールで呼び出される
イライラの原因で大きいものとして、利用者のナースコールがあります。
利用者さんにとって「ナースコールは安心コール」です。
でも職員にとって「ナースコールはストレスコール」と感じるときがあります。
- 休憩しているのに
- 集中しているのに
- 他の利用者さんの対応をしているのに
とイライラが募ります。
すると、対応が雑になって、利用者さんのニーズを満たすことができず、よけいに時間や手間がかかってしまうことも・・・・、悪循環ですね。
そのイライラは、やがて利用者さんを責める気持ちに変わってしまいます。
夜勤が終わったあとで自己嫌悪に陥って、さらにストレスに感じてしまう人も少なくないのでは?
利用者さんが寝てくださらない
夜勤中は「利用者さんは寝ているもの」という固定観念が、イライラを引き起こしてしまいます。
こうなると考えていたスケジュール、仕事のペースが狂ってしまいますね。
「なんで寝てくれないの!」とイライラしてしまいます。
自分の生活に落とし込むと「寝れない日もあるよね」と受け止められるかもしれませんが、夜勤の固定観念が強いと、なかなか受け入れられません。
本当はイライラするより、寝られない原因を探る方が建設的で、今後寝てもらえる可能性も増えるのですが、そう考えるのは難しいですね。
夜勤のイライラの原因まとめ
夜勤のイライラの原因をまとめると、次のようになります
人は「やらされ感」を持つと、仕事に身が入りませんし、精神的にストレスを感じます。
自分が必要と感じて、自分の意思でやらないからです。
たとえば「リビングが汚れているから掃除をしよう」と思ってやれば、綺麗になっていくリビングを見て嬉しくなりますし、掃除が楽しくなります。
しかし「夜勤中にリビングを掃除すること」という決まりに対して、仕方なく掃除をすると、やらされ感満載での行動になるので、ストレスに感じます。
つまり、行為がストレスになるのではなく、自分の受け取り方次第でストレスになるのです。
逆に言うと、受け取り方次第でストレスではなく、やりがいに変わるということですね。
夜勤のイライラを解決する方法
夜勤のイライラを解決する方法をまとめます。
結論としては「やらされ感ではなく、主体的にする」ことが解決方法です。
- 夜間の利用者の生活サイクルを把握する
- ナースコールが鳴る前に、職員から声掛けする
- 夜勤に業務を詰め込み過ぎない
掘り下げていきます。
夜間の利用者の生活習慣を把握する
私たちに生活習慣があるように、利用者さんにも決まった習慣があります。
人は習慣的に生活するようにできているのです。
恒常維持機能(ホメオスタシス)ですね。
たとえば、病院にしばらく入院すると、患者はみな同じような生活習慣になっていくそうです。
- 起床時間
- 朝食、昼食、夕食、の食事の時間
- 就寝時間
を中心に生活パターンが固定されることで、排泄の時間も一定になっていきます。
私の経験で言うと、夜勤時の利用者さんの排泄サイクルは、ほぼ毎回同じでした。
ですから、あらかじめどの利用者さんが何時に排泄がある、といったことを把握することができました。
排泄パターンを把握するだけでも、介護はずいぶんと楽になります。
想定内にしておくことで、急な対応ではなくなるからです。
逆に、想定外の出来事が起きると、精神的な影響は強くなり、ストレスになります。
それを極力減らすことが、精神的な負担軽減につながります。
ナースコールが鳴る前に、職員から声掛けする
生活習慣を把握することができれば、利用者さんが行動を移す前に、職員が先回りすることができます。
そうすることで
ではなく
という形ができます。
これは職員主体の介護という意味ではなく、あくまでも利用者の主体に合わせて、職員が主体的に動くということです。
たとえば、毎回22時頃にコールを鳴らされる利用者さんであれば、コールが鳴ってから対応するのではなく、鳴る前にこちらから声をかけるのです。
また、複数の利用者さんへのケアが同時刻に発生しそうであれば、おひとりは数分早めに声をかけ、先に対応を済ませて時間を分散させる、といったことが可能になります。
利用者さんの生活サイクルに合わせた上でこちらの対応をコントロールすれば、結果的にこちらのペースで仕事をしている状況になりますよね。
先回りするのはいいけど、排泄介助だと利用者さんが寝ておられるのを、無理やり起こすことになるんじゃないの?
と思う人もいるかもしれません。
しかし、大抵の人は先回りで部屋を訪れると、すでに起きておられるのです。
なぜなら「トイレに行こう!」と思って、即座にコールを鳴らしたり、ベッドから起き上がる人はいません。
「トイレに行きたいなぁ」と夢うつつで思いながら、少しずつ意識がはっきりしてきて、それからコールを鳴らす、という流れになります。
だから、利用者さんを職員の都合で無理やり起こすことにはなりません。
夜勤に業務を詰め込み過ぎない
「夜勤では利用者が全員居室で休む」という前提で業務が組まれる傾向にあります。
日中よりも利用者対応が少ないから動きやすい、という考えからです。
しかし職員の数が少ないので、ひとつイレギュラーが発生すると、フォローできる人員がいません。
それによってすべての業務を完遂できないケースが発生します。
「できない」とできない原因となった事柄にストレスを感じてしまいます。
ですから、夜勤だからといって業務の詰め込み過ぎには注意が必要です。
でも、夜勤で業務を片付けないと、日中がまわらないよ!!
という反論もあるかもしれません。
それならば、介護補助を雇用し、直接利用者を介助しない部分の業務を担ってもらうのも方法のひとつです。
専門的な知識や技術を有する介護職には、利用者への直接的な関わりをメインに働いてもらった方がいいですから。
それにより介護職のストレスが軽減すれば、様々なリスクが軽減することになり、十分なメリットが得られます。
余談になりますが、私が働いていた特養では、夜勤終わりに必ず利用者の洗濯をたたんで返すという業務がありました。
洗濯して乾燥が終わるのは、夜勤の終了時刻だったのです。
そこから60人分の洗濯をたたんで、利用者ごとに分けて、それぞれの居室に返すわけですから、1時間程度かかりました。
これが当たり前に行われていたんですね。
全職員「やらないと日勤帯に迷惑がかかる」という意識でやっていましたが、一方で不満も募っていて、陰口として「なぜ夜勤者の仕事になってるの?」という声がささやかれていたのです。
ところが、正式な形で異を唱える人はなかなかいませんでした。
なぜなら「チームに対して自己犠牲をいとわない姿勢」というのが正義で「洗濯物は残業になるから日勤でやってよ」というのは自分が楽をしたい故の考え、との思い込みがあったからです。
しかし、そもそも夜勤時間が終わってからしかできない作業を、夜勤業務にする方が間違っています。
ということで、会議の議題にあげ、日勤帯の業務に変更しました。
ここで大切なのは、決まりごとをきちんと守るということですね。
せっかく日勤帯ので行うことに決めても、ひとりが善意でやってしまうと、また元の木阿弥になってしまいます。
チームの中で助け合うことは必要ですが、無理のない業務分担をあらかじめ決めておかないと、理不尽な負担になってしまいます。
まとめ
夜勤中のイライラを軽減する方法を書きました。
利用者のペースに合わせて「やらされている」と思うからイライラするわけで、利用者の生活サイクルを把握し、先回りすることでイライラはずいぶんと軽減されるはずです。
つまり、イライラの原因は自分の精神状態にある、ということですね。
ものごとをどう受け取るかが大きく影響してきます。
メンタルをどう持つかで、人生が楽になるか、しんどくなるかが変わってくるということです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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