こんにちは、ハッピーアクトセミナー講師のせいじです。
今回は、人生の選択肢が増えたのに、なぜ精神的に病む人が増えたのか、ということを考えていきたいと思います。
この記事の内容
以前と比べると転職が当たり前の時代となりました。
介護の仕事は特にその傾向が強いです。
しかし精神的に病む人が増えています。
今回の記事はそのあたりについて考えていきたいと思います。
なぜ精神的に病む人が増えたのか
昔と比べて、精神的に病む人が増えました。
医療が発達して、精神的な疾患が認められるようになったということがあるでしょうが、他の要因もあると思います。
そのうちの大きなものとして考えられるのが、仕事の選択肢が増えたことではないでしょうか。
まとめると次のようになります。
- 転職という選択肢が増えた
- それなのに病む人が増えたのはなぜ?
- 選択肢が増えると人の悩みは深くなる
- 人生の選択肢を間違えたら?決断はストレス
掘り下げていきます。
転職という選択肢が増えた
私が就職活動をしていた20年前は、まだ終身雇用が残っていて、自ら望んで転職する人は少数派でした。
リストラで退職せざるを得なくなって転職する人はいましたが。
だから、高校や大学を出て就職したら、その会社でいかに成果を上げて出世するか、が多くの人の既定路線だったのです。
しかし時代は変わり、転職への抵抗が徐々に減ってきました。
現在は新卒で入社した社員は、平均3年ほどで退職するそうです。
介護業界でも、一説によると介護職員は平均6年周期で転職しているそうです。
また、いろいろなサービス形態を経験することが強みになる業界なので、他の業界とくらべても転職への抵抗は少ないかもしれません。
つまり、今働いている職場に不満があれば、もっと良い環境を求めて転職できる時代になったということですね。
それなのに精神的に病む人が増えたのはなぜ?
それなのに、福祉業界は精神的な疾患による労災申請がトップなのです。
精神が病むまで仕事を辞めなかったということになりますよね。
以前と比べて同じ職場で我慢して働かなくてもよくなったのに、精神的に病むまで我慢するのはどうしてでしょうか?
ちなみに介護職が職場を辞める理由については、下の記事をご覧ください。
仮説として次の2つが考えられます。
- 会社が辞めさせてくれないから
- 選択肢が増えた分、悩みが増えた
1の会社が辞めさせてくれないから、というのはよく聞く話です。
どこも人手不足で困っていますし、TwitterなどのSNSを見ていると、あらゆる手段を使って辞めないよう説得してくると書き込まれています。
その結果、退職しきれずに中途半端な状態で仕事を続けてしまい、精神的に病んでしまうということです。
ただ、この理由については今回の記事ではこれ以上触れずにおきます。闇が深い話題になってしまうので。
ちなみに、退職理由を考える方法として、下の記事が参考になればと思います。
さて、選択肢が増えた分、悩みが増えた、というのがこの記事の本題になります。
昔であれば転職という選択肢はほぼ持てませんでした。
だから、なんとしてでもその会社でうまくやっていく方法を考えなければならなかったわけです。
その分割り切りや覚悟を持ちやすかったと言えるかもしれません。
しかし、現在は「この会社を辞めてもっと条件の良いところに転職した方がいいかもしれない」と考えることができます。
その結果「この会社で続けていくべきか?それとも転職してほかの会社を探すべきか」と悩むのです。
この間気持ちは中途半端な状態になります。
どうやら退職を引き留められた時に病む理由と同じく、気持ちが中途半端な状態でなにかをしなければならない状態は、精神的に大きな負担になるようですね。
選択肢が増えると人の悩みは深くなる
人生の選択肢はたくさんあればあるほどいいな、と思いますよね。
私もそう思って生きてきました。
しかし、人間は選択肢がたくさんあればあるほど精神的に負担になります。
どの方法を選択するか、決断が必要になるからです。
たとえば、パソコンを買うとします。
たくさんのメーカーから、膨大な種類のパソコンが販売されています。
インターネットがない時代は、家電量販店に並んでいる商品から選ぶしかありませんでした。
しかし、今はインターネットを検索すると膨大な種類の中から選ぶことができます。
いや、選ばなければならない、という表現の方が適切かもしれません。
その中から自分が求めるパソコンを選ぶのはかなりの労力を要するからです。
- 自分がパソコンに求める機能を考える
- 予算を決める
- パソコンのまとめサイトを見る(店員に相談する)
- 比較する
- 買う
このような手順が必要です。
そもそも1の自分が求めるパソコンはどんな機能があったほうがいいのか、ということを考えることすら大変です。
ですから、パソコンに詳しくない人は、家電量販店の店員さんに自分の用途を何となく伝えながら、勧められがままに購入するでしょう。
悩んでもよくわからないし、精神的にしんどいし、専門家の意見を聞いていれば大丈夫だろう、てな具合です。
それなりの出費になるので、購入を決めてからも「本当にこの商品で自分は満足できるのか」と悩みますよね。
20万円ぐらいの商品を購入するのにこれだけ悩むわけですから、人生を左右する転職になるとさらに悩みます。
人生の選択肢を間違えたら?決断はストレス
転職という選択肢を持った分、人は悩むようになり、精神的に病みやすくなったのではないか、という仮説に話しを戻します。
仕事を辞めようかと悩む場合、次のようなことを考えます。
- 今の会社の職場環境が改善する期待
- 転職してもどうせ同じことが起こるかも
- 新しい職場になじめるかどうか不安
- 採用してもらえるかどうか不安
- 会社は辞めさせてくれるだろうか
- 人が少ない中、退職したら同僚に恨まれるのでは?
- 上司に言いにくい
- 利用者と離れるのがつらい
もやもや悩んでいる状態が一番精神的に堪えますね。
ここで続けるにしろ、退職するにしろ、大きな決断が必要になるのです。
決断をすることは精神的なストレスになりますね。
- 後悔するかもしれない
- 失敗するかもしれない
- もっと他の選択肢があるかもしれない
こんな思いが邪魔をしてくるのです。
このような状態が続いて、精神的に病んでしまうのでしょう。
人生の選択に病まない方法とは
選択肢が増えた分、選択する負担が生まれて精神的に病んでしまっているとしたら、皮肉な話しですね。
では、病まないようにするためには、どうしたらいいのでしょうか。
- 自分の判断軸を明確にする
- 小さな判断は自動化する
掘り下げていきます
自分の判断軸を明確にする
これからの時代は、いかに自分のやりたいことや、判断する基準を明確に持つかが重要となります。
これがなければ、せっかくの選択できる環境が無意味になってしまいます。
インターネットの普及や、価値観の多様化により、やりたいことや自分の好きなことで生活できる時代になっています。
生活のために自分のやりたいことを犠牲にする時代ではなくなりつつあるのです。
自分の棚卸をして、仕事やプライベートなど、生活を構成する要素の中での優先順位や、譲れないことなどを持っておきましょう。
小さな選択は自動化する
自分軸をしっかりと持っておくと、小さな選択は自動化できるようになります。
AのケースならBという形で、大きな枠で判断することが可能になるからです。
人間は一貫性を求める動物ですから、自分の判断軸をしっかり持って判断するようになると、場面は違っても似たような問題だと、同じ選択ができるようになります。
自動化することによって悩む労力を減らすことができます。
日々の生活をルーティン化する
決断や選択は精神的にストレスになります。
重要なことを決断するにあたって悩むことは必要です。
しかし、どうでもいいことまでいちいち考えて選択していると、その分精神力が削られます。
ですから、小さなことはあらかじめルーティン化しておく方がいいです。
たとえば次のようなことです。
- 朝起きてすぐにすること
- 職場に行って1番にすること
- 食事のメニュー
朝起きて、さぁなにをしようか、と悩むのではなく、毎日同じ行動を決めておくとよいですね。
その方が有意義な時間を過ごせるはずです。
職場に行って最初にすることも決めておくとよいです。
毎回違うとそのたびに選択しなければならなくなります。
食事のメニューについては、食事を楽しもう!というとき以外はルーティン化して、悩む時間や労力を抑えてしまうことで負担を減らすことができます。
まとめ
人生の選択肢が増えたのに精神的に病んでしまう理由と、その対処方法について書いてみました。
選択肢が増えたのは良いことですが、選択することに疲れて病んでしまっては意味がありません。
自分の思う選択がスムーズにできるよう、自分の軸を作っておきましょう。
また、重要なことに選択する労力を割けるよう、細かなこと、どれを選択してもあまり影響のないことについては、自動化しましょう。
そして日々の生活はルーティン化しましょう。
大切なことに選択や決断の労力を集中するようにしていくことで、精神的な負担を減らしつつ、正しい選択ができるようになるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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