事故対策委員会に入っていて、みんなに事故を防止するための方法を発信しなければならない。どうすればうまく伝わるかな?事故報告書やヒヤリハット報告書などを活用しながら、事故を防ぐ具体的な方法が知りたい。
こんな悩みを解決します
この記事の内容
介護事故を防止するためには、スタッフの個々の意識を高めていくことや、様々なツールを用いたリスクマネジメントが重要です。
今回の記事は、介護事故を防止するために必要な、4つの重要事項を書いていきます。
きっと、みなさまの事業所でも役に立つ情報だと思いますので、ぜひご活用ください。
介護事故を防止のための活用ツール
介護の事故を防止するためのツールは4つです。
それぞれ目的や役割が違います。
4つを活用することで、介護事故を減らせることができるはずです。
- 事故報告書の活用
- ヒヤリハット報告書の活用
- 危険予知トレーニングの実施
- 介護事故防止の研修の実施と充実
掘り下げていきます。
事故報告書の活用
事故報告書は、事故の再発防止を目的としています。
起こった事故の原因を究明し、対策を講じることによって、同じような事故が再び起こるのを防ぐのです。
また、同じような事故を起こす可能性のある利用者に対しても、予見、防止につなげることができます。
事故報告書でもっとも大切なのは、事故が起こった原因、要因を究明することです。
事故の原因がわからなければ、正しい対策を講じることはできません。
ですから、原因をしっかりと掘り下げて、明らかにするようにしましょう。
ヒヤリハット報告書の活用
ヒヤリハットとは、事故には至らなかったが、事故に直結する可能性があった事例を指します。
文字通り「ヒヤッ」「ハッと」したことですね。
それを記録し分析することで、事故に至るのを防ぐことができます。
ヒヤリハット報告書をいかに活用するかで、事故を未然に防げるかどうかが変わってきます。
普段の業務の中で、できるだけ多くの気づきを持ち、ヒヤリハット報告書をあげていくことが必要です。
そして、上がってきたヒヤリハット報告書に対して、2つの方法を使って分析を行い、リスクの目を摘み取っていきましょう。
ヒヤリハット報告書の活用については、次の記事をご覧ください。
危険予知トレーニングの実施
危険予知トレーニングは、ヒヤリハットが起こる前に、事前にリスクを排除する「気づき」を持つためのトレーニングです。
写真やイラストを見て、グループで考えられるリスクをあげていくワークすると効果的です。
そうすることで、自分の中にアンテナを持ち、今ままで気づけなかったリスクや、見慣れてわからなくなってしまっているリスクが見えてくるようになります。
それらを事前に排除することによって、ヒヤリハットを防止することができます。
人は見たいものしか見えないようにできています。
自分がアンテナを立てていないと、目には入っていても、脳が認知しないようになっているのです。
ですから、気づきのアンテナを持ち、感度を良くしておく必要があるのです。
これはリスクマネジメントに限らず、普段の介護でも必要な能力です。
利用者の細かな変化に気づくことによって、その時々に必要な対応を講じることができるようになります。
たとえば、いつもより元気がないな、なにか悩んでいるのかな?といったことですね。
それらに気づくことができれば、先回りして対応することができるようになります。
危険予知トレーニングの詳しい方法や、トレーニングを行うために必要な素材がてい入るサイトなどは、次の記事をご覧ください。
介護事故防止の研修の実施と充実
介護保険施設では、年に2回以上、事故についての研修を実施しなければなりません。
この研修を有効に使って、事故に対する意識を喚起していきましょう。
たとえば、次のようなことを取り上げていくと効果的です。
- 事故の原因となる3要因
- 事故報告書の目的や書き方
- 事故の事例検討により、原因究明が困難、または不十分なケースを掘り下げる
- ハインリッヒの法則からヒヤリハットの重要性
- 危険予知トレーニング(KYT)の実施
事故への理解を全スタッフで共有し、事故には必ず原因がある、そして、その原因を正しく理解、把握することが事故を防いでいく一歩であることを理解しなければなりません。
また、そのために必要なヒヤリハットの重要性であったり、ヒヤリハットを防いでいくための危険予知トレーニングであったりを取り入れていくことで、事故対策の質はあがっていくはずです。
つい研修はマンネリ化してしまいがちですが、いろいろな要素を取り入れながら、そして、受講者にも参加してもらいながら進めていくことで、有意義なものになっていきます。
ただやらなければならないから、ではなく「本当に事故を防ぐためにどんな内容がいいか」といった視点で研修の内容を考え、その時間を大切にしていただければと思います。
私の方でも研修を承っていますので、外部からの講師を検討される場合は、ぜひお問合せください。
まとめ
介護事故を防止するための方法について、ツールの活用などを含めて書きました。
介護事故の量は、事業所のサービスの質を反映しているとも言えます。
逆に言えば、介護事故を減らしていくことは、介護の質を上げていくことでもある、ということですね。
ただし、その場合に注意点があります。
それは「利用者の尊厳を守る」という前提条件を満たした上で、事故を減らしていくということです。
ここが守られなければ、いくら事故が減っても本末転倒となります。
それに関連する記事のリンクを貼っておきます。
ぜひご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
コメント