介護の事故報告書の目的4つとわかりやすい書き方のポイント3点

介護事故

事故報告書を書く目的ってなんだろう。どういうことを考えて書けばいいかな?それと、簡単で、他の人が見てわかりやすい書き方を教えてほしいな。

こんな疑問を解決します。

この記事の内容

介護の事故報告書の4つの目的と、わかりやすく書くための3つのポイントについて書いています

事故が起こった際に、必ず作成しなければならないのが、事故報告書です。

次に同じような事故をを起こさないために、また、介護職としての能力を高めていくためにも、事故報告書はとても重要です。

しかし、日々の忙しい仕事の中で、その意義を見失いがちです。

今回は、事故報告書の目的と、書き方について書いていきます。

目的を確認し、書くことの重要性を改めて感じてもらえたらと思います。

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事故報告書の目的

事故報告書の目的とは、次の通りです。

 

  • 事故の再発を防止するため
  • 介護職の質の向上のため
  • ご家族や行政への報告のため
  • 万が一の場合に備えるため

掘り下げていきます。

事故の再発を防止するため

事故報告書の目的の一つは、同じような事故を再び起こさないようにするためです。

事故報告書には、その事故がなぜ起こったのか、原因はなにか、対策をどうするかを記載します。

その情報をチームで共有し、実施することによって、同じような事故を防ぐのです。

ここで重要なのが、今回起きた事故だけでなく、他の事故にも当てはめて考えることですね。

たとえば、他の利用者で似たような事故がある場合、今回の事故の対策が使えるんじゃないか、と考えてみるのです。

事故の対象となった利用者への対策を、縦に掘り下げて深めるのと同時に、横展開して他の利用者に当てはめてることで、事前に防ぐことができる事故を増やすことができます。

介護職の質の向上のため

事故が起こった原因や、どうやって防いでいくかを職員で話し合うことにより、職員のレベルアップにつながります。

今までなかった気づきを持てるようになったり、利用者を違う角度から見ることができるようになったりするからです。

ポイントは職員で話し合うこと、つまり会議(カンファレンス)をすることですね。

そこで意見を交換し合うことにより、意識が高まっていきます。

また、事故報告書を用いた事例検討会の研修を開催することでも、介護職の質の向上につながります。

なお、有意義な会議をするためのポイントがいくつかあります。

事故の会議にも当てはめることができるので、ご覧ください。

ご家族や行政への報告のため

介護事業者は、利用者に事故が起こった場合、ご家族に報告しなければなりません。

事故報告書でまとめておくと、ご家族に伝えやすくなります。

ただし、事故が起きてから報告するまでに時間があきすぎると、ご家族の不審を招く場合があります。

たとえば「すぐに家族に連絡できない、なにかやましいことがあるんじゃないか?」と思われてしまう恐れがあるのです。

ですから、事故報告書の完成を優先させるのではなく、起こった事故の概要を簡潔にまとめ、速やかに報告するようにしてください。

この時点でご家族に伝える情報は以下の内容で大丈夫です。

  • 事故の概要(どのような事故だったのか)
  • 怪我の有無や現在の利用者の状態
  • 事故後の対応
  • この後どのような対応を考えているか(様子観察や受診など)

事故の原因や対策については、この時点でできていなくても大丈夫です。

速やかに報告することを優先してください。

ただ、事故報告書については、後日開示を求められる場合があります。

早期に対策を実施しなければ、再発する可能性もあります。

なるべく事故当日、遅くとも3日以内には完成するようにしましょう。

また、事故の内容によっては、市役所などの行政機関に報告する義務が発生します。

多くの行政機関では、所定の書式が用意されています。

施設や事業所で使っている事故報告書とは別に、所定の様式を用いて早期に行政の窓口に持って行く必要があります。

なお、報告が必要な事故の種類は、行政によって異なります。

また、提出期日も違うので、ホームページなどで確認してください。

万が一の場合に備えるため

利用者に事故が起きた時に、行政からの指導が入ったり、ご家族から訴訟を起こされる場合があります。

そういった万が一に備えるためにも、事故報告書を用意しておく必要があります。

現場でどのようなことが行われたかを証明できるのは、事故報告書や介護記録です。

適切な対応を実施していたことが証明できるよう、きちんと記録を残しておきましょう。

事故報告書が、事業所やそこで働く職員を守るための証拠になります。

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事故報告書の書き方3つのポイント

次に事故報告書の書き方について、まとめておきます。

ポイントとしては次の通りです。

 

  • 5W1Hを用いて短い文章で書く
  • 事実と推測を明確に分ける
  • 専門用語は避ける

5W1Hを用いて短い文章で書く

事故報告書を書く時は、5W1Hを活用しましょう。

  • いつ(when)
  • だれが(who)
  • どこで(where)
  • なにを(what)
  • なぜ(why)
  • どうした(how)

この内容を含めて書くことで、必要な情報を網羅することができます。

そして、短い文章で書くのがポイントです。

長い文章だとなにを書いているのかがぼやけてしまいます。

また読む人にとっても読みづらいです。

端的にわかるように、箇条書きを用いるのも良いですね。

事実と推測を明確に分ける

事故報告書の、事故の概要(どのような事故だったか)を書く際は、事実と推測を明確に分けて書きましょう。

ここをごっちゃにしてしまうと、読んだ人が事実とは違う事故の受け取り方をしてしまう場合があるからです。

たとえば、利用者が自分の居室で転倒しているのを発見した場合、この「転倒した」というのは推測になります。

なぜなら、「転倒しているの発見」ということは、転倒した場面を見たわけではなく、すでに床に倒れている状態で発見しているからです。

事実としては「利用者が居室の床に仰向けに倒れている」という書き方になります。

そして、居室の状況証拠を集めて「トイレに行こうとして転倒されたと推測する」推測部分を記載します。

そして「事前に物音がしたことから」とか「倒れている場所を考えると」など、推測の根拠を書いておくのが良いですね。

専門用語は避ける

事故報告書は、ご家族が希望された場合、開示する必要があります。

ですから、専門用語の使用は避け、介護の専門職でなくても理解できる文言で書くようにしましょう。

例をあげておきます。

  • 独歩
  • 熱発
  • バイタル
  • サーチ

etc.

まだまだたくさんありますが、特に独歩や熱発というのは、注意が必要です。

現場で使いなれている上に、なんとなく専門用語らしくないので、つい使ってしまいがちです。

しかし、一般の人にとっては、なじみのない言葉です。

使用を避けるようにしてください。

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まとめ

事故報告書を作成する目的と、書き方のポイントについてまとめてみました。

この記事で書いた通り、事故報告書には4つの目的があります。

いずれも重要な目的です。

ですから、事故報告書をしっかりと書くようにしてください。

レベルが高い介護職は、事故報告書についてもしっかりと書ける傾向があります。

目的や重要性を理解して作成するからです。

質の高い事故報告書が書けるように、取り組んでください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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