介護事故報告書の書き方【例文あり】

介護事故

介護事故報告書の書き方を知りたい。介護の仕事をしていて、介護事故報告書を書いているけれど、きちんと書くことができない。書き方の例文があれば嬉しいな。

こんな悩みを解決します

この記事の内容

  • 介護事故報告書の書き方がわかり、書き直しがなくなる
  • 介護事故報告書の例文を見ることができる

こんにちは、せいじです。

現在、介護事故を防ぐための研修を介護事業所で行っています。

簡単なプロフィールはこちらです。

  • 高齢者介護業界で17年の経験
  • 老健や介護付有料老人ホームの管理者として6年間働く
  • 現在事故防止のセミナー講師をしている

詳細なプロフィールはこちらをどうぞ

介護職としては事故報告書を書くのって嫌なものですよね。

時間外に書かなければならないこともあるし、悩みながら書くのでけっこう時間がかかるしで。

やっとできたと思ってリーダーに提出したら「わかりにくいから書き直し」なんてことも。

結果、余計に心が折れてグダグダになったりしませんか?

今回の記事は、介護事故報告書を書く方法について書いていきます。

これで書き直しが減ること間違いなしです。

事故の概要をメインに書いていますが、発生後の対応や事故の原因についても、基本は変わりません。

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介護事故報告書の書き方

介護事故報告書の書き方を解説していきます。

まとめると次のようになります。

 

  • 事実をありのまま書く
  • 推測は根拠をつけ、事実と区別して書く
  • 5W1Hを活用する
  • 内容がわかりやすければ箇条書きでもOK
  • 文章を短く区切る
  • 必ず読み返す
  • 専門用語、難しい表現は避けましょう

掘り下げていきます。

事実をありのまま書く

事故の概要を書く際に重要なポイントは「事実をありのまま書く」ということです。

実はこれがなかなかできていないことが多いからです。

たとえば、利用者が居室のベッド横の床で、仰向けになっていたとします。

書きがちなのが「訪室すると、ベッドから転落しているのを発見する」という書き方です。

しかし、これは事実ではありませんよね。

発見者が見た事実は、利用者がベッド横の床で、仰向けの状態でいる、ということです。

つまり、ずり落ちたのは発見者の推測であって、事実ではないのです。

推測は根拠を持って事実とは別に書く

「転落した」と書いてはダメ、ということではありません。

推測と事実が明確に区別できるよう書かなければならないということです。

先ほどの事例でいうと、たとえば「布団が床に落ちていたことや、直前に落下音が聞こえたことから、ベッドから転落したと推測する」という書き方になります。

ポイントは、推測の根拠を示しておくことです。

5W1Hを活用する

事故報告書を書く場合は5W1Hを活用しましょう。

5W1Hを活用することで、文章が伝わりやすくなります。

  • When:いつ(時間)
  • Where:どこで(場所)
  • Who:誰が(主体)
  • What:なにを(物・行動・出来事)
  • Why:なぜ(理由)
  • How:どのように(手段)

たとえば次のような文章です。

本日の○○時、Aさんの居室でAさんが、ベッドの横で仰向けになっているのを発見する。

布団が床に落ちていたことや、直前に落下音が聞こえたことから、ベッドから転落したと推測する。

整理すると次のようになります。

  • いつ:本日の○○時
  • どこで:Aさんの居室で
  • 誰が:Aさんが
  • なにを:ベッドの横で仰向けになっている
  • なぜ:布団が床に落ちていたことや、直前に落下音が聞こえた
  • どのように:ベッドから転落した

これをテンプレートに書いていくと、必要な情報が入ったわかりやすい文章になります。

内容がわかりやすければ箇条書きでもOK

事故報告書に求められるのは、他の人が読んだ時に内容がわかる、ということです。

書いた本人にしかわからなかったり、「だらだら長い」「読み手を楽しませる」といった要素は必要ありません。

ですから、文章を書くのが苦手な人は、箇条書きでもかまいません。

「誰が読んでも内容が理解」できることが最重要です。

文章を短く区切る

わかりやすくシンプルな文章を書くコツは、1文を短く区切ることです。

ダラダラと長い文章は、なにが言いたいのかがぼやけてしまって、わかりにくくなるからです。

箇条書きと同様、相手に端的にわかりやすくするため、1文を短くすることを心がけましょう。

必ず読み返す

事故報告書を書いたら、必ず読み返しましょう。

文章は主観になりやすいので、書いた本人にしかわからない書き方になっている場合が多いからです。

また、変な言い回しになっていたり、誤字・脱字のある可能性が考えられます。

書類の質で会社の質が測られます。

場合によっては行政やご家族も見る書類なので、一定以上の質を確保するようにしましょう。

専門用語、難しい表現は避けましょう

誰が読んでもわかるように、専門用語の使用は避けましょう。

事故報告書は本人やご家族に開示する可能性があるからです。

また、スタッフの誰が読んでもわかる文章にしておきましょう。

読んだ時に、誰もが同じ場面をイメージできるようにするためです。

スタッフのAさんとBさんが読んだ時に、違う場面をイメージしてしまうと、情報の共有になりません。

ですから、できるだけシンプルに、イメージしやすい文章を心掛けましょう。

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介護事故報告書例文集

介護事故報告書の概要を記載する際の、文例をあげておきます。

今回は、転倒の発見、発生、そして介護職がかかわって起こった転倒の3パターンに分けて書きます。

転倒事故を発見した場合

本日の○○時、利用者Aの居室でAさんが、ベッド横で右半身を下にした状態で横になっているのを発見する。

ベッド側が足、トイレ側が頭の位置だった。

靴を履いた状態であったことや、横になっている状況から、トイレに行こうとして転倒したと推測する。

転倒事故が発生した場合

本日の○○時、利用者Aの居室で、Aさんが転倒されるのを発見する。

ベッドからトイレに行こうとされたが、バランスを崩して前のめりに転倒された。

転倒事故を起こした場合

本日の○○時、利用者Aの居室で歩行介助中、Aさんが転倒される。

歩行中に右の膝が折れバランスを崩されたが、介助者が支えきれず、右ひざから右半身が下になる状態で転倒された。

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まとめ

事故報告書の書き方について書きました。

書類のわかりやすさによって事故の把握が容易になり、再発防止につながります。

日々の業務が忙しい中で、また文章を書くという行為が苦手な人は、つい手を抜きたくなるところかもしれません。

ただ、再発防止ができれば、事故報告書を書く手間をなくしていくことができます。

しっかりと書くようにしていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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