どのサービスで働くか悩む介護職「介護職の正社員として働く場合、訪問介護やデイサービスといった在宅系と、施設系があるよね。どちらが自分に向いてるのかな。訪問介護は私にはハードルが高いように感じるし、施設系の方が働きやすいように感じるんだけれど、実際はどうなんだろう。介護職として働く時の違いを知りたい」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
介護保険法上の施設サービスは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の3つのみを指します。
在宅系には訪問介護や訪問入浴といったサービスの他に、デイサービスやデイケアがあります。
その他、実は介護付有料老人ホームやグループホームも、在宅系のサービスに属しています。
分け方がややこしいので、この記事では「利用者に施設に来てもらってサービスを提供するパターン」「自宅に訪問してサービスを提供するパターン」、そして「自宅から施設に移動してサービスを提供するパターン」の3パターンに分けて、それぞれのメリット、デメリットを考えていきます。
施設の入所者にサービスを提供するタイプ
施設に入所している利用者にサービスを提供するパターンの事業所とは、次のようなところです。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護療養型医療施設
- 介護付有料老人ホーム
- グループホーム
施設系サービスのおおまかな特徴を書いていきます。
施設系サービスで働くメリット
施設系のメリットとしては、ひとりっきりではなく、なにかあった時に誰かに頼れる安心感があることですね。
責任についても同様のことが言えます。
直接的な介助の際のミスは別ですが・・・・。
利用者もあまり変わらないし、シフト別にする業務も決まっているので、安定した環境で仕事ができます。
介護しやすい環境にあるのもいいですね。
ベッドやセンサーマット、ポータブルトイレなど、必要な福祉用具や設備が基本的にそろっています。
給料的には夜勤手当があるので、夜勤がない仕事よりも多くなります。
働く環境として、施設の中は暑い夏や寒い冬の影響を受けないのもいいですね。
雨や風、雪、台風などの影響もありません。
通勤は大変になりますが、それはどのサービスも変わりませんね。
施設系サービスで働くデメリット
施設の介護は連携が必要になります。
スタッフに仲が悪い人がいると、けっこうつらいです。
中にはいじわるな人がいたり、高圧的な指導をする人もいますからね。
あと、わざとお仕事をさぼる人もいますね。
動きが悪い人がいると「同じ給料をもらっているのに、私ばっかりしんどい」と不満に感じるかもしれません。
相性の合わない利用者がいる場合もつらいですね。
介護職なので基本的には好き嫌いなく、利用者に合わせなければなりませんが、相性が悪すぎるとそれがストレスになることもあるかもしれません。
出勤時間については、だいたいどこの施設も、次のように分かれています。
- 【早出】7:00~16:00
- 【日勤】9:00~18:00
- 【遅出】11:00~20:00
- 【夜勤】17:00~9:00
シフト制になっているので、規則正しい生活をするのがむずかしくなります。
夜勤は多くの施設で、正社員で働く条件になっていますね。
意外と日勤帯ばかりのシフトよりも、夜勤があった方が楽に感じます。
利用者は24時間365日いるので、台風で通勤が困難になっても、支援できる職員が必要です。
最悪の場合、前日から泊り込むケースもありますね。
自宅を訪問してサービスを提供するタイプ
訪問系については、今回は訪問介護に絞って書いていきます。
大まかなメリット、デメリットを書いてきます。
訪問系サービスで働くメリット
訪問介護の良いところは、基本ひとりでサービスを提供するので、嫌な人がいてもあまりかかわらなくて済みます。
会議とか、同じ訪問先のサービス提供について文句を言われることもありますが、施設系や通所系と比較するとましです。
施設とは違って福祉用具や設備環境が整っていない分、介護に工夫が必要になるので、介護職としての能力も上がりやすくなります。
決められた時間訪問してサービスを提供するため、相性の悪かったり、対応が困難な利用者とかかわらないといけない時間も少なく済みます。
場合によっては他のヘルパーに変わってもらうこともできますしね。
自宅を訪問するため、同じ建物内にずっといなくてもいいというのも、メリットですね。
移動中に気分転換できたりします。
施設だと他の施設や事業所の職員とかかわる機会がほぼありませんが、訪問系なら担当者会議やケアマネとの報連相の際にかかわることができます。
夜勤がなくてもそれなりの給料がもらえるところも強みですね。
訪問介護は1対1でサービスを提供するため、介護報酬の単価が高いのです。
それにあまり設備投資が必要ないので、職員の給料に回しやすいということがありますね。
訪問系サービスで働くデメリット
訪問介護で働くにあたって、ハードルが高くなる理由としては、ひとりでサービスを提供しなくてはならないことですね。
同じ空間に他の介護職がいないのは不安な人もいるでしょう。
経験が浅い介護職ならなおさらですね。
リアルタイムで助けてもらうことができないのはつらいですね。
利用者の自宅を訪問してサービスを提供するので、施設とは違って環境が異なります。
中にはゴミ屋敷に近いような家もあって、夏場などはつらかったりします。
移動があるため、気候や天候に影響されるのも大変ですね。
暑い、寒いはもろに影響を受けますし。
雨や雪、台風の中での移動はけっこうきついです。
台風の際は、基本サービスの提供を中止しますが、どうしても支援が必要なひとり暮らしの利用者には、ほとんどの事業所が無理をしてサービスを提供していますね。
困るのが、介護保険では提供できないサービスを求められる場合があること。
介護保険法上では、利用者が自宅で生活するために必要な支援、にサービスが限定されているので、直接生活に影響しない事柄、たとえばペットの世話や玄関、庭の掃除などはできないのです。
また、同居家族の支援になるようなこともできません。
そこを理解してもらえず、強要されるケースもありますね。
こういう場合は事業所を通して担当のケアマネジャーに相談してください。
対応がむずかしい家族の場合は、けっこう大変です。
利用者だけではなく、家族とのやり取りも多い仕事ですね。
自宅から施設に移動してサービスを提供するタイプ
自宅から施設に移動して行うサービス事業所、いわゆる通所系は次のようなところです。
- デイサービス
- デイケア
メリット、デメリットを書いてきます。
通所系サービスで働くメリット
自宅に迎えに行って、そらから施設に移動してサービスを提供するため、自宅の様子を垣間見ることができます。
家を見る機会があると、事業所で必要なサービスを考えやすくなりますね。
施設系ではほぼ自宅を見ることができません。
利用者は、施設系とくらべて元気な人が多いです。
認知症が深い人も少ないので、会話を楽しむことができますね。
身体的、精神的に負担は、他のサービスとくらべて少ない傾向にあります。
シフト制ではなく、固定の業務時間のところが多いので、規則正しい生活をしやすいサービスでもあります。
夜勤もありませんしね。
台風で交通状況が悪ければ、サービス提供が中止になりやすいのも、働く側からしたらメリットでしょう。
事業所としては収益が減るので痛いですけど。
通所系サービスで働くデメリット
送迎時の悪天候や、寒い、暑いは仕事をするうえで影響がありますね。
利用者を自宅から車に移動する際、雨が降っているとかなり大変です。
介護職は利用者が濡れないようにしなければならないので、自分のことをかまってられません。
ずぶ濡れになることも少なくないですね。
介護技術的には、身体介助があまりない場合が多く、特におむつ交換をする機会が少ない事業所が多いですね。
一方で、送迎に技術が必要なケースがあります。
その関係で、車椅子の操作などは、施設系よりも体得しやすいですね。
大通りに面していたり、車一台分ぐらいしか道幅がないと、かなり大変です。
あと、夜勤がない分、給料が安くなってしまいがちですね。
施設系とくらべて4万~5万円少なくなる場合があります。
これは人によって差がありますが、デイではレクリエーションに重きを置くので、多くの人の前で話しをしたり、進行するのが苦手な人はつらいかもしれません。
けっこうテンションを上げて、楽しめる雰囲気をつくる必要があります。
まとめ
施設系、訪問系、通所系、それぞれのサービスで働く場合のメリット、デメリットについて書いてみました。
どれも一長一短という感じですが、目的を明確にすれば選びやすいと思います。
たくさん稼ぎたいなら通所系は消えますし、ひとりで利用者にかかわりたいなら訪問系になります。
通所系は未経験でもやりやすいと感じる場合が多いですね。
それぞれの特徴を参考にしていただき、自分に合うサービス形態を選んでください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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