会議に批判的なスタッフ「リーダーはよく会議に出席しているけれど、なにを話しているんだろう。ご利用者のケアをほったらかして、そんなに大切なことを話ししているんだろうか?てか、ご利用者を最優先するべきなんだから、会議に使う時間は無駄でしょう?そんな時間があるなら、現場で介護をしてほしいよ」
こんな意見を考えます
この記事の内容
現場で働く介護スタッフからすると、リーダーや施設長が参加する会議の重要性が伝わらないことがよくあります。
しかし、リーダー会議など、施設を運営していくための会議には、それなりの重要性があります。
ですから、現場のスタッフにも会議の重要性が理解できるよう、伝えていかなければなりません。
今回は、会議に対して介護スタッフが不満に感じやすい理由と、理解してもらえるような発信について書いていきます。
結論としては、風通しを良くして、会議の内容が他のスタッフにも見えるようにし、現場が理解できる成果につなげていくことです。
介護現場での会議のとらえ方
介護現場、特に介護職にとっては、会議を意味のあるものと捉えている人は少ないと思います。
その理由は次のようなものです。
- そんな時間があるなら現場で介護をすべき
- なにを話しているのかわからない
- 現場の改善につながっていない
そんな時間があるなら現場で介護するべき
全国で7割近くの事業所が、人材が不足していると答えているように、利用者に直接する現場の介護職からすると、ひとりでも多くの手が欲しいと思うのが実情です。
その中で、リーダーが会議のために現場を抜けるのは、理解しにくいことです。
次のような不満につながります。
会議に時間を割くぐらいなら・・・・
- ご利用者とかかわってほしい
- 業務を進めてほしい
- スタッフの指導をしてほしい
人が足りない中で、さらに人が抜けてしまうことにたいしての不満ですね。
会議以外にも、リーダーの仕事に対しては不満が出やすいのが実際のところだと思います。
リーダーとしては書類の処理や施設長への報告、連絡、相談、事業所によっては外部とのやり取りなど、現場で介護をする以外にも仕事をかかえています。
しかし、現場のスタッフからしたら「それよりも優先すべきは目の前にいるご利用者でしょ」となってしまうのです。
リーダーのつらいところですね。
なにを話しているかわからない
会議の内容がわからないことも、現場スタッフの不満につながります。
介護現場から離れてそれなりの時間を割いているのに、どんな話しをしているのかわからないのは、プラスにとらえることができません。
議事録を回覧して、全スタッフが見られるようにしても、文面からすべてが伝わるわけではありません。
内容によっては「こんな話ししかしていないのに、あんなに時間を割くなんて」と思うスタッフもいるでしょう。
これについては普段からの信頼関係の問題もかかわってくるので、むずかしい問題ではありますが。
いずれにせよ、会議の内容がきちんと伝わるように、工夫しなければなりません。
現場の改善につながっていない
会議をした結果が現場の仕事につながっていないと、現場で働く介護スタッフの不満になります。
これまでの問題と同じく、現場から離れてそれなりの時間を割いたのに、現場が全然良くなっていかないじゃないか、と思うからです。
介護職からしたら、現場から離れて時間を使うのであれば、それなりの成果を持って帰ってほしいと思うのは当然かもしれません。
介護職に会議の重要性を理解してもらう方法
現場のスタッフが、リーダーを気持ちよく会議に送り出してくれるようにするための方法を考えていきます。
まとめると次のようになります。
- 会議の内容をオープンにする
- 現場で働くスタッフが会議の恩恵を受けられるようにする
- スタッフの困りごとをまとめて会議に取り上げる
掘り下げていきます。
会議の内容をオープンにする
現場の介護スタッフが、リーダー会議の内容を知ることができるよう、できるだけオープンにする必要があります。
議事録でオープンにしているかもしれませんが、それだけでは足りません。
議事録からは、その結論に至った過程がわかりにくいからです。
ですから、リーダーが直接スタッフに伝えるのが良いでしょう。
フロア会議やユニット会議を使って、内容のポイントを伝えるのです。
最近はソフトを活用している事業所が多く、パソコンを見ればすぐに申し送り内容を見ることができます。
しかし、活字では感情が伝わりません。
どのような感情のやり取りがあったのかは、人の口からしかなかなか伝わらないのです。
ですから、口頭で直接伝えることが重要です。
この結論に至るまでに、どのような感情のやり取りがあったか、むずかしい議論が交わされたのかを伝えると、介護職の理解が深まる可能性があります。
ただし、会議の愚痴を言うのは逆効果になります。
こんなに大変な思いをした、とか、会議がしんどい、などの話しをしてしまうと、介護職からしたら、ますます「現場で利用者の支援をしなさいよ!」と思ってしまうからです。
現場で働くスタッフが会議の恩恵を受けられるようにする
会議で話し合ったことが、確実に現場への仕事に成果が出るようにする必要があります。
つまり、会議の内容をしっかりと考え、成果につながる話し合いをしなければならないということです。
現場の介護職からしたら、忙しい中、リーダーが会議に出ている時間、現場の仕事をなんとか切り盛りしている、という思いがあります。
その時間を有効に使い、自分たちにも還元してもらえるかどうかが重要なのです。
いい加減な会議をされたのでは、不満になって当然ですよね。
ですから、会議に参加するリーダーは、現場の介護スタッフの頑張りに恥じない成果を、会議であげなければならないのです。
そうすれば、おのずと会議にも身が入り、意味のある会議ができるはずです。
効率的に成果を出すための会議の方法は、下の記事をご覧ください。
介護スタッフの困りごとをまとめて会議に取り上げる
介護職から困りごとを集め、施設全体で解決する必要があることをまとめて、会議の議題にするのも効果的です。
こうすることで、ダイレクトに困りごとに対して話し合い、解決しようとしてくれていることになるからです。
そして、話し合いの結果で現場の問題が解決すれば「きちんとした話し合いがなされているんだ」と理解することができるでしょう。
そうすれば、現場を離れて時間を割くことに対する協力が得られるようになるはずです。
施設長もリーダーも、現場の理解があっての仕事になります。
溝を埋めるのはむずかしいのが実際ですが、理解しあう努力は必要だと思います。
まとめ
介護現場からの会議、特にリーダー会議など、上層部が集まる会議に対しての不満の理由や、その解決方法について書きました。
おもしろいもので、介護職として現場で働いていた時は、無駄にしか思えなかったそれらの会議が、施設を運営する側になった途端、なくてはならないものだと理解できました。
立場が違うと見えなかったり、理解できないことが多くあります。
しかし、それをしかたがない、とするのではなく、風通しを良くして理解しあえる状況をつくらなければなりません。
その努力が、施設をひとつにし、離職の防止やサービスの質の向上につながっていくはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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