介護職を無資格でしようと思っている人「介護職を無資格、未経験でしようと思っているんだけれど、できるのかどうか知りたい。介護職って、求人を見ると「無資格、未経験も歓迎」って言葉が目に留まるんだけれど、実際にできるものなの?資格を取りに行く時間もないので、無資格、未経験で飛び込んでも大丈夫かな?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。介護の仕事を20年以上しており、現在は介護の研修の講師やコンサルタントの仕事をしています。
さて、介護職の求人を見ていると、未経験、無資格歓迎、なんて言葉を謳っている施設や事業所があったりしますよね。
介護の仕事って、未経験、無資格で始めても大丈夫なのでしょうか。
結論からいうと、介護の仕事は未経験、無資格でも始めることができます。
ただし、働ける業種に制限があるのと、業務内容にも制限がでます。
というわけで、今回は介護の仕事を未経験、無資格ですることは可能かどうかについて解説します。
介護職は無資格、未経験でもできる?できること、できないこととは?
では、介護職が無資格、未経験でできるのかどうかについて見ていきましょう。
無資格で介護職として仕事をすることは可能
介護職は、一部のサービスを除いて資格がなくても仕事ができるようになっています。ですから、無資格、未経験でも就業することは可能です。
具体的には、老人ホームなどの施設や、デイサービスでは、資格がなくても仕事をすることができるんですね。
ただし、専門職なので、専門的な知識、技術が求められます。なので、無資格で就業可能ではあるものの、雇用する施設、事業所としては、有資格者の採用を優先する、あるいは無資格者を採用しても介護補助の業務に限定する、としているところがあります。
ちなみに、2025年からは、無資格では介護職ができなくなります。初任者研修以上の資格を取得するか、「認知症介護基礎研修」の修了が求められます。
訪問介護の訪問介護員は原則資格が必要
無資格でもできる介護の仕事ですが、訪問介護については初任者研修以上の資格が必要とされています。
自宅に訪問介護員がひとりで訪問し、利用者にサービスを提供する仕事であるため、相応の知識、技術が求められるわけです。
ここで、「施設なら無資格でも仕事ができるんだな」と一律に考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。
ちょっとややこしいお話しがあります。
住宅型有料老人ホームなどについては、生活環境は施設ですが、介護サービスの提供は訪問介護によって行われます。
ですから、基本初任者研修の資格を求められるところが多いです。
一見、施設であっても、サービスを提供する形が訪問介護になっている場合があることを、覚えておいてください。
無資格の場合の給料は有資格者とどれぐらい差がある?
プロの介護職の入り口の資格になる初任者研修ですが、無資格の場合、初任者研修修了者とくらべて、どれぐらい給料に差が出るのでしょうか。
施設、事業所にもよりますが、無資格の場合、正社員での雇用がないところもあります。つまり、非常勤としての雇用になるわけですね。
非常勤だと時給計算となり、また賞与もありませんから、有資格者とくらべるとかなり大きな差になります。
正社員での採用がある場合でも、5,000円~20,000円ぐらい、基本給が変わってきたりします。基本給に差があると賞与にも影響が出るため、年収にすると、こちらも差が大きくなりますね。
ですから、とりあえず無資格で始めた人も、継続できそうなのであれば、初任者研修を取得することをおすすめします。
ちなみに、初任者研修を取得するのに必要な期間は、1~3ヶ月ぐらいです。週1〜2回程度のスクーリングであれば、働きながらでも通うことができます。
費用については、学校によって変わってきますが、だいたいの施設が無、事業所が無料で取得できる資格取得支援制度を設けているはずです。
そのような制度を活用して、資格を取得するようにしてください。
介護の資格がなくてもできる仕事とは?
無資格、未経験でいきなり介護の仕事をするのは不安がある、資格を取得してから介護の仕事をするのはハードルが高い、と感じる人もいるかもしれません。
本格的な介護職をする前に、どのような仕事なのかをリアルで見てみたい人もいるでしょう。
では、無資格、未経験でも問題なくできる介護関連の仕事には、どのようなものがあるのでしょうか。
まとめると、次のような仕事があげられます。
介護関連の仕事
- 介護補助
- 送迎ドライバー
- 事務員
掘り下げていきます。
介護補助としての業務
資格がなくてもできる介護の仕事に近いものとしては、介護補助があります。介護補助とは、利用者に直接触れて行う身体介護以外の業務を担当する仕事です。
具体的には、次のような業務があります。
介護補助の業務
- シーツ交換
- 掃除
- 洗濯
- 調理、配膳、下膳など
- コミュニケーション
介護補助がこれらの業務を担当することによって、資格を持っている介護職が、専門的な知識、技術が必要な業務に集中することができます。
介護補助は、介護職の仕事を近くで見ることができるので、無資格、未経験の人が、資格を取って介護の仕事をするかどうか、判断しやすい環境と言えるでしょう。
施設によっては、資格取得支援の制度を設けているところも少なくありません。介護補助から資格を取得して、介護職として仕事を継続することも可能ですし、そのようなステップアップをする人も少なくありません。
送迎ドライバーとしての業務
送迎ドライバーの仕事も、資格がなくてもすることが可能です。送迎ドライバーとは、デイサービスやショートステイで必要になる、利用者の送り迎えをする車両を運転する仕事です。
デイサービスやショートステイでは、自宅に住んでいる利用者を施設までお連れし、サービスを提供した後に送り届けることが必要になります。
介護職が運転をする場合がありますが、効率よく利用者の対応をするにあたっては、運転は専門のドライバーを雇っているところが多くあります。
基本的には介護職といっしょに送迎するため、直接的に利用者の支援をする場面はほとんどありません。
ですから、資格がなくてもすることができます。
事務職としての業務
施設や事業所の事務の仕事についても、介護の資格がなくても行える仕事になります。事務の具体的な業務としては、次のようなものがあります。
介護施設の事務仕事
- 介護保険請求事務
- 職員の給与計算
- 来客など施設の窓口対応
- 電話対応
- 書類などの整理
- 必要物品の購入
- その他雑務
介護保険の請求事務は、利用者にサービスを提供したうち、介護保険から給付される費用を請求する事務業務です。
毎月事務作業を行い、国民健康保険団体連合会に請求を行います。また、それと同時に、利用者の負担分についても請求を行います。
施設によっては、介護請求事務の資格や経験を求められることがありますが、請求業務を担当する専任の事務員がいて、それ以外の事務業務の担当として求人をかけている事業所もあります。
介護保険の請求事務は、なれるまで少々むずかしいところがありますが、それ以外の事務業務は、一般事務と大きく変わりありません。
電話対応をしたり、来客対応をしたりといった仕事です。ですから、比較的ハードルが低いと言えるでしょう。
本格的に介護の仕事をしたくなったら
介護補助や送迎ドライバーをやってみて、本格的に介護の仕事がしたいとか、できそうだと感じたら、まずは初任者研修を修了しましょう。
その方が、仕事の幅が広がりますし、就職先も増えます。
初任者研修は、前述したように、最短で1ヶ月ぐらい、仕事をしながらであれば、2~3ヶ月ほど学校に通うことで修了することができます。
ぜひ、取得してください。
介護職は無資格、未経験でもできる?できること、できないこととは?:まとめ
介護職は無資格、未経験でもできるのかどうか、また、無資格でできること、できないことについてまとめました。
介護の仕事は、訪問介護以外は、基本的には無資格でもすることができます。しかし、施設によって、直接的な介護が制限されていたり、給料に大きな差があったり、正社員では採用されない、といったデメリットもあります。
資格を取得してまでする自信がないけれど、挑戦してみたい、という人は、まずは無資格で可能な求人を探してみるか、無資格でもできる介護補助や送迎ドライバー、事務などから始めてみてもいいでしょう。
そして、その後、初任者研修を修了して本格的に介護の仕事をしていく形でもいいですね
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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