介護過程の展開における個別援助計画書の目標の立て方とポイント3つ

介護の知識・技術

個別援助計画書で目標を考えている人「介護過程の展開の中の、個別援助計画書の目標の立て方が知りたい。どのようにして目標を立てたら、良い個別援助計画書になるのかな」

こんな疑問を解決します

この記事の内容
  • 個別援助計画書の目標の必要性がわかる
  • 個別援助計画書の目標の立て方がわかる

こんにちは、せいじです。

初任者研修や実務者研修の講師をしています。

実務者研修では介護過程の展開Ⅲを担当しています。

介護業界で18年間仕事をしてきました。

さて、介護の専門性を担保し、介護の根拠となるのが介護過程の展開です。

介護過程の展開とは、個別援助計画書を作成していくことになるわけですが、今回はその中のひとつ、目標設定について書いていきます。

アセスメントにより抽出された生活課題を解決するために、どのような目標を立てるといいでしょうか。

目標の必要性も含めて考えていきます。

なお、介護過程の展開については、介護過程とは?意義や目的は?【介護の専門性の根拠です】に詳しく書いています。

読んでいただけると嬉しいです。

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介護過程の展開における個別援助計画書の目標の立て方とポイント3つ

介護過程の展開の個別援助計画書をつくる際の、目標設定について書いていきます。

目標は実施後のモニタリング(評価)をする際に、大きな影響をあたえます。

なので、介護過程を展開していく上で、とても大切な要素ですね。

目標はなぜ必要なのか?

個別援助計画書の中で、目標を設定しなければなりません。

そもそも、なぜ目標を設定する必要があるのでしょうか?

まずは目標の意味を確認しておきたいと思います。

目標=目的を達成するための目印

個別援助計画書においては、目的は利用者が求める生活を阻害している課題の解決、ということになります。

すぐに解決できるものであれば、目標は必要ないかもしれません。

しかし、計画的に進めていかなければ、解決できない課題である場合が多いですよね。

課題解決に向けて、きちんと進めているかどうかをはかるのが目標ということになります。

たとえば、ボーリングでいうところの▲の印みたいなものですね。

ボーリングでは、複数ある▲のどこを通すかで、どのピンにあたるかのを予測しつつ投げます。

目標も同じく、その目標を通れば、課題が達成にむけて進むことができる、という目印なのです。

目標を立てる際におさえておくべきポイント3つ

個別援助計画書の目標を立てる際におさえておきたいポイントを3つにまとめました。

目標設定において、大切なポイントになります。

目標は利用者のものである

まず、目標は利用者が目指すものである、ということをおさえておく必要があります。

つまり、介護職が達成するべきものではなく、利用者本人が達成するための目標でなくてはいけないということです。

なので、目標を設定する際は、利用者が達成しようと思えるものにすることが重要です。

表現についても、利用者目線で書くようにしてください。

たとえば、歩行についての目標を立てるとします。

利用者目線の表現はどっち?

  1. 杖を使って連続で50m歩くことができる
  2. 杖を使って連続で50m歩けるようになってもらう

1は利用者目線での表現になっていますね。

でも2は介護職目線になっています。

介護職が利用者に、歩けるようになってもらいたい、と思っている表現です。

繰り返しになりますが、利用者の目標なので、1の表現であることが必要です。

具体的ではかりやすいものにする

目標は具体的ではかれるものにしてください。

具体的でないとモニタリングできないからです。

たとえば次のようなちがいです。

具体的ではかりやすいのはどっち?

  1. 杖を使って長い距離を歩くことができる
  2. 杖を使って連続で50m歩くことができる

「長い距離」がどれぐらいの距離をさすのかは、人によって異なります。

Aさんは10mととるかもしれませんし、Bさんは30mと思うかもしれません。

これではどれぐらい歩けるようになれば目標を達成したことになるのかがわかりませんよね。

だれが評価してもはかることができるものにしておく必要があります。

期間内に達成できる可能性のあるものにする

個別援助計画書では、目標達成のための期間を設定します。

目標は、その期間内に達成できる可能性のあるものにする必要があります。

期間を設定する理由は、目標達成するために必要なサービス内容を設定するためです。

どれぐらいの期間を使って目標を達成するのかによって、なにをするべきかが変わってきますよね。

また、利用者の心身の状態も影響してきます。

たとえば、大阪から鹿児島に行くとします。

行くための手段は、次のようなものがあります。

目的地に向かう手段

  • 新幹線
  • 飛行機
  • フェリー

どの手段を使うかは、どれぐらいの時間で行きたいか、で変わってきます。

早く行きたいなら飛行機や新幹線になるでしょう。

いっぽうで景色を楽しんだり、途中で寄り道をしたかったらフェリーや車になるかもしれません。

つまり、どれぐらいの期間で目標を達成したいか、もしくは3ヶ月という期間で、どこまで達成する必要があるか、ということを考える必要があるということですね。

そして、利用者がそのペースで目標に向けて進むことができるかも重要です。

利用者の心が折れてしまっては達成はできないからです。

半年で達成したいのか、それとも3ヶ月で達成したいのかによって、内容や頻度は変わります。

期間が短ければ短いほど、頻度を増やす必要があるかもしれませんし、提供するべき内容も増えるかもしれません。

そのあたりを考えるためにも、期間は必要なのです。

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まとめ

介護過程の展開における目標設定について書きました。

目標設定は、課題を達成するために重要な項目となります。

なぜなら、課題達成に向けて進めているかどうかの目印になるからです。

そして、目印にたどりつけるよう、サービスを考える必要があるのです。

目標の質の良し悪しに、課題が解決できるかどうかがかかっていると言っても過言ではありません。

なので、具体的で達成可能なものを設定するようにしてください。

それを評価するためのモニタリングについては、介護過程の展開におけるモニタリングを徹底解説【ポイントは5つ】をご覧いただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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