介護業界は深刻な人手不足で、退職されるのを恐れてきちんとした指導が難しくなっています。
辞められると途端にシフトが回らず、他のスタッフへの負担が大きくなって、さらに退職者が出てしまうという負のループになりかねないので、頭の痛い問題です。
しかし「ピンチはチャンス」という言葉あるように、指導の仕方によっては大きな成果をあげることができるのです。
ミスがチャンスになるって、そんなことあるんですか?
リーダーの指導によって、スタッフのやる気を高めることができるんですよ。
今回の記事では、ミスをチャンスに変える指導方法を書いていきます。
部下がミスを受け止められるように導く
ミスを起こした介護職には、ふたたび同じミスを起こさないよう改善してもらわなければなりません。改善するためには、まずミスを真摯に受け止め、反省することが必要です。
リーダーは、介護職がミスを真摯に受け止められるよう、導いていかなくてはならないのです。
この時に最もやってはいけないのは「ミスを責める」ということです。責めることは部下がミスと向き合う機会を奪う行為でしかありません。
ではどうすればいいのでしょうか?
リーダーに求められるのは、部下の話しに耳を傾けることです。具体的には、ミスが起こったときの状況を丁寧に聞いていくのです。
部下は「ミスが起きたのは自分の責任ではなくしかたがなかったんだ」と理解してもらいたいと思って話しをします。一番恐れているのは、責任を追及されることだからです。
たとえ「忙しかったから」とか「他のスタッフが協力してくれなくて」など、いいわけを口にしたとしても、とがめないで傾聴してください。
重要なのは、部下の感情に寄り添うことです。
「忙しくて大変だったんだね」や「他のスタッフの協力がない中、なんとかしようと頑張ってくれてたんだね」というように、部下の思いを汲んだ言葉をかけてあげてください。
感情を肯定することで、部下は「リーダーが自分を理解しようとしてくれている」と感じます。
リーダーの理解を感じると、部下は自分の身を守る必要がなくなり「~しなかった自分も悪いんですけどね」という言葉が出るようになります。そのときに、リーダーは自分の非を認めることができた部下を肯定してあげてください。
部下としては、結果的にリーダーが自分を認めてくれたと感じ、ミスを前向きにとらえられるようになります。
部下が「リーダーから信頼されている」と感じるように叱る
そうはいっても、時には厳しい言葉で部下を叱らなければならない場面もあります。
例えば、部下が「ミスを重大なこととして受け止めていない」ときや「明らかに手を抜いた仕事をしたことで起きたミス」である場合です。
ただし、厳しく叱る際に必要なのも、リーダーが自分を認めてくれている、という承認です。
具体的な例をあげると「あなたが普段通りに仕事をしていたら、こんなミスが起こるはずがない」とか「こんなミスをするなんて、あなたらしくない」と伝えるのです。
この言葉の裏には、普段の仕事ぶりに対しては評価しているんだよ、という信頼のメッセージが隠されています。
ミスという結果を厳しく指導しつつも、部下自身に対しては承認を伝えることができます。
部下はリーダーの信頼に応え、二度と同じミスを起こさないようにしよう、という思いになってくれるでしょう。
チーム内で同じミスが発生するのを防ぐ役割を任せる
ミスをきちんと受け止めたスタッフは、そのミスに対して他のスタッフよりも意識を高くもてるようになります。
たとえば、服薬ミスを犯したスタッフは、今まで以上に名前をしっかり確認します。
ミスをおかしたことで経験したつらい感情が、再発の抑止力になるからです。
このつらい経験をプラスに変えるために、チームで同じミスが起こらないようにする中心的役割をまかせるのです。
その際に「この役割はミスを経験したあなたにしかできない重要な役割である」と伝えることがポイントです。
スタッフは役割を与えられることによって成長します。
その役割を果たすことが成功体験となり、自信につながるのです。
そして、自信が人を成長させる原動力となります。
個人の成功よりも、チームの中での成功の方が、周囲の承認により欲求が満たされる分、成長を加速させることができます。
また、チームのメンバーに協力してもらうことができれば、自分自身もチームに協力しようとする意識が生まれます。
ひとつのミスをうまく取り上げることにより、個人の成長とチームの成長の糧とすることができるのです。
まとめ
ミスは部下やチームを成長させることができる金の卵なんです
リーダーがこんな考えを持って部下を指導してくれたら、やりがいを持って働くことができますね!
人がすることには大なり小なりミスはつきものです。
人間が完璧になれない生き物である以上、ミスが0になることはありません。
だからこそリーダーは、ミスをうまく活用できなければなりません。
ミスをミスで終わらせず、部下の成長に役立てるようにしてください。
そうすることによって、利用者さんの命を脅かすほどの重大なミスを未然に防ぐことができます。
チームのメンバーがミスさえもポジティブにできる職場環境を作っていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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