介護職が3Kと言われる理由を知りたい人「介護職が3Kと言われる理由を知りたい。介護職って3Kの仕事って言われるよね?どうしてそのように言われるのかな?具体的に3Kってなんなの?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。介護の仕事を20年以上しており、現在は介護の研修の講師やコンサルタントの仕事をしています。
さて、介護職は3Kの仕事と言われます。3Kとは「きつい・汚い・危険」の頭文字を取った表現ですが、介護職の場合は、危険の代わりに「給料が安い」が入ったり、そのまま追加されて4Kと言われることもあります。
どうしてそのように言われるのでしょうか。
というわけで、今回は介護職が3Kの仕事と言われる理由について解説します。
介護職の3Kの実態とは?
では、介護職が3Kの仕事と言われる理由、そしてそれぞれの中身について見ていきましょう。
きつい
介護職の「きつい」は、身体的、精神的両面において言われます。まず、身体的なきつさですが、時に介護の仕事は肉体労働と言われることもあるぐらい、体力のを使う場面があります。
たとえば、利用者の身体を支えたり、ベッドから車いす、車いすからトイレに移す介助、さらには、足が立たない人を普通のお風呂に入れて差し上げるなど、力を使って介護をする場面があるんですね。
ボディメカニクスの活用、持ち上げない介護の実践で、体への負担を軽減することができますが、多くの利用者に介護を提供しなければならない環境では、負担軽減にも限界があるかもしれません。
ましてや、技術がまだまだ未熟な新人だと、身体が持たないと感じることもあるでしょう。
また、大きな施設で働く場合、利用者の部屋から部屋へ移動するのもけっこうな移動距離になります。1日仕事をしていると、移動がかなりの負担になったりするんですね。
次に、精神的なきつさですが、介護の仕事は常に感情をコントロールする必要があります。なぜなら、対人援助の仕事だからです。対人援助の仕事は、常に感情をコントロールし、相手を冷静に受け止めなければなりません。
そうでないと、正しい支援ができないからです。
人間は感情動物と言わるぐらい、感情の変化やそれが与える影響が大きい生き物です。感情を一定に保つということは、感情をおさえることになるため、それ相応のストレスを感じることになります。
ですから、精神的にもきつい仕事と言われるのです。
汚い
介護職は、人間の排泄にかかわる仕事です。ですから、汚い仕事と言われるんですね。他にも、入浴介助で汚れた身体を洗ったり、利用者の体調不良によって嘔吐物を処理することもあります。
一般の仕事ではなかなかかかわることがない汚い場面に対応しなければならない点において、汚い仕事と言われるんですね。
危険
介護は危険な仕事でもあります。なぜなら、感染症にかかるリスクが高い職場だからです。例えば、インフルエンザやノロウイルス、他にも水虫や血液から感染する病気などに感染するリスクがあるんですね。
利用者である要介護高齢者は、免疫力が低下している人が多く、感染症にかかりやすい状態です。感染症にかかりやすい人が多いということは、一旦感染症が施設などに持ち込まれてしまうと蔓延しやすくなり、そこで働く者にとっても感染するリスクが高くなる、ということになります。
特にコロナ禍では、コロナウイルスの集団感染が高齢者介護の施設でも多く見られました。
介護はリモートワークでは提供できないため、外出を制限されている中でも介護職は現場に行かなければなりませんでした。そのような危険の中で仕事をする必要が出てくるわけです。
給料安いを含めて4K
ここまで書いた3つのKにくわえて、もうひとつのKが含まれることがあります。それは、給料が安いのKです。
介護職は一般の仕事とくらべると、給料が安いんですね。また、仕事内容に対して給料が見合っていない、という声もよく聞かれます。
すべてひっくるめて、4Kの仕事である、と言われることもあります。
介護職は5Kとも言われる
介護の3K、給料が安いを含めた4Kについて見てきました。
他にも、介護は5Kの仕事と言われることがあります。給料が安いを除く3K以外に「暗い」「臭い」をいれた5Kです。
「暗い」と言われるのは、昔の施設では、実際に薄暗い雰囲気の施設が多くありました。また、介護の仕事は決して華やかな仕事ではありません。また、労働環境が良くないというところからも、暗いというイメージになるのでしょう。
臭いについては、失禁などの臭いが施設に漂うことがあるためですね。
マイナスにばかり目を向けていくと、3Kや5Kと言われる仕事になるわけですね。
介護の3Kへの対策について
ここからは、介護の3Kへの対策や今後の変化について見ていきましょう。
介護の仕事は、今後さらに高齢化していく日本では欠かせない仕事です。ですから、介護職がもっと増えるように、行政も職場環境の改善に努めていくでしょう。その中で、介護の3Kへの対策も進んでいくはずです。
そのような行政的な対応とともに、個人でできることも含めてまとめていきます。
「きつい」への対策
きついへの対策ですが、肉体的なきつさについては、普段から適度な運動を生活に取り入れたり、休みの日は規則正しく生活するといった、健康管理に努めるようにしましょう。
そのほか、介護現場の変化としては、肉体を酷使する介助、たとえば利用者の身体を動かすようなものについては、介護職の負担を軽減するための道具やロボットの開発が進んでいます。
ただ、あまり導入が進んでいないのが、介護の実際だったりします。なぜ進まないかというと、道具を使う手間、時間がもったいないとのことで、スピードを優先するからです。
使い勝手という部分で、今後の道具などの進歩に期待するとともに、少々手間がかかったとしても、道具を活用する習慣、環境を作ることも必要になるでしょう。つまり、意識の変化が求められるかもしれません。
精神的なきつさについて、その一部、もしくは大半が認知症ケアによるものである場合があります。
認知症ケアについては、正しい知識と技術の習得、そして実践によって精神的な負担を軽減することが可能です。
書籍や研修などによって正しい情報を入手し、認知症ケアを実践していきましょう。
「汚い」への対策
汚いへの対策については、次の2つがあげられます。
汚いへの対策
- 慣れる
- 利用者の身体の情報ととらえる
排泄など汚いと感じる場面にかかわることに、最初からまったく抵抗がなかったという人も意外と多くいます。
抵抗があった人でも、時間の経過とともに慣れる人も多いですね。また、慣れとも関連していると思いますが、排泄物をただの汚物ととらえるのではなく、利用者の身体の状態を示す情報ととらえることができるようになると、抵抗感が減ります。
もし、どうしても受け入れられないようであれば、排泄などへのかかわりが少ないサービスに転職するというのもひとつの方法です。
たとえば、訪問介護の生活援助は、家事の支援をする仕事になります。排泄にかかわらずに介護の仕事ができます。
他にも、リハビリを中心に提供するデイサービスであれば、お元気な方が利用するため、排泄介助の必要がほとんどありません。
介護の仕事は好きなんだけれど、排泄介助がどうしても受けいられない、という人は検討してみてください。
「危険」への対策
主に感染症への対策になってきますが、感染症にかかるリスクを下げるためには、次のようなことが必要です。
感染症のリスクを下げる方法
- 基本的な感染対策を実行する
- 自分の免疫力を向上する
感染対策の基本は、手洗い、うがいです。また、介護をする際には必ず手袋を着用する、というのも、自分の身を守るにあたっては重要ですね。
そして、規則正しい生活、適切な食生活、十分な睡眠によって、免疫力を高めておくことも、感染症から身を守ることにつながります。
給料が安いへの対策
給料が安いへの対策ですが、今後も行政による介護職の待遇改善が行われると考えられます。ですから、将来的には給料も今より上がっていくのではないでしょうか。
その他、個人で給料を改善するための方法としては、資格を取得したり、昇進したりといった努力が必要になります。
詳細については、介護職の給料を上げる方法とは?をご覧ください。
介護職が3K(5K)の仕事と言われる理由と対策について:まとめ
介護職が3K(5K)の仕事と言われる理由と、対策について書きました。
悪いイメージが先行している介護の仕事ですが、20年やってきた経験からいうとそこまで悪くありません。
もちろん、施設や事業所による違いがあるとはいえ、ちょっと極端すぎる印象ですね。
逆に、介護の仕事はやりがいや魅力もたくさんあります。だから私も20年やってこれたわけです。
魅力の部分についても、ぜひ目を向けていただけたらと思います。
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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