介護現場に期待されている外国人技能実習制度の問題点は?

その他

「日本には人権無視の奴隷制度が存在する」

米国の公聴会や国連でこれまで指摘されてきたことです。

なかなか強烈な表現ですが、実はそう言われても仕方がない闇が日本にはあるのです。

それは外国人技能実習生を受け入れるにあたって行われてきた、それに関する機関や団体の悪の所業ともいうべきものでした。

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介護でも受け入れが認められた外国人技能実習生制度

外国人技能実習生制度とは

外国人技能実習制度は下記のように定められています。

技能実習制度の目的・趣旨は、我が国で培われた技能、技術又は知識(以下「技能等」という。)の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという、国際協力の推進です。
制度の目的・趣旨は1993年に技能実習制度が創設されて以来終始一貫している考え方であり、技能実習法には、基本理念として「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」(法第3条第2項)と記されています。

「JITCO 公益財団法人 国際研修協力機構HP」より引用

平成29年11月1日にの「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」により、外国人技能実習制度の対象職種に介護職種が追加されました

世界に先駆けて少子高齢化となった日本は、他国に比べて介護についてのノウハウを持っています。

そのため日本で介護職としての技術や知識を働きながら学び、ゆくゆくは母国で活かすために技能実習生はやってくるわけです。

ただし外国人技能実習生の本当の目的は、母国よりも給料が良い日本で働きお金をたくさん稼ぎたい、というところにあるケースが多いのが現実です。

日本にやってくる技能実習生 一番多い国は?

日本にやってくる技能実習生の国別の人数としては

1位 ベトナム(104,802名)

2位 中国(79,959名)

3位 フィリピン(25,740名)

となっています。

ベトナム人が非常に多く、介護の現場に入ってくる外国人の多くもベトナムからやってくる予定になっています。

このベトナムからの技能実習生が犯罪を犯したことで、技能実習制度の問題点が改めて取りざたされたのです。

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外国人技能実習制度の問題点とは?

技能実習生が起こした事件により問題点が白日の下に

平成31年1月13日、毎日新聞の記事で「不法残留の外国人実習生、借金背負い万引き 母国に悪質仲介業者」とのニュースが流れました。

ベトナムから技能実習生としてやってきた男が窃盗によってつかまり、有罪判決を受けたという内容です。

ベトナムでは犯罪を犯したことがない、というベトナム人が、お金を稼ぐためにやってきた日本でどうして窃盗という犯罪を犯してしまったのでしょうか。

まずベトナム人が技能実習生として日本に来るためには、ベトナムの送り出し機関を利用しなければなりません。

その際に多額に費用が必要となり、借金を背負ってやってくる人が多いのです。

しかし、日本にやってきても思っているような給料はもらえず、結局借金が返せないまま3年の実習期間が過ぎてしまいます。

母国に帰っても日本より稼げる仕事はなく、借金を返すために日本での労働を続けようと不法滞在するようになります。

その受け皿となるのは、同じように不法滞在に走った先輩技能実習生が作っているグループであるケースが多いと言われています。

そして、生活していくため、借金を返していくために、犯罪の道に走ってしまうケースが後を絶たないのです。

搾取される技能実習生の現実

さて、問題は送り出し機関に支払う費用が、なぜ高額になってしまうのかという部分です。

実はこの部分に大きな闇が隠されていました。

送り出し機関は、渡航や手数料の名目で多額の費用を請求するのですが、この費用の裏には日本の管理団体や受け入れ会社との癒着により、送り出し機関、管理団体、受け入れ会社が結託して技能実習生から搾取する、という構図が出来上がっていたのです。

送り出し機関は管理団体や受け入れ会社の人間に対して「飲ませろ、食わせろ、抱かせろ!」の接待を行い、日本の管理団体もそれを受け入れ、結託し、その費用を技能実習生から搾取していたということです。

これを問題視した日本、ベトナム双方は、この問題を解決するために取り組みを始めました。

日本においてはそのひとつが「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」です。

これにより問題が解決するでしょうか。

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まとめ

今年から、本格的に介護の現場に外国人技能実習生が入ってきます。

技術や知識の移転という目的はもちろんですが、日本の介護現場においては労働力としても期待しているというのが本音でしょう。

その上で果たして日本の高齢者が外国人を受け入れることができるのか?であったり、日本の介護職員が異文化を持つ外国人と一緒に問題なく仕事ができるのか、という不安が挙がっています。

しかし、それより以前に解決しなければならない問題が外国人技能実習制度にはあるのです。

一部の権力を持つ人間が、人の人生を台無しにして甘い汁をすするような制度が、一日も早く改善されることを願ってやみません。

一方で介護の現場に携わるものとしては、母国を離れ、異国の地で頑張ろうとしている外国人が、安心して働けるような環境を提供していきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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