「介護職の仕事は給料のわりに負担が大きい。だから、介護職は給料分だけ仕事をしたらいいんだよ。福祉の仕事だからといって、福祉の精神で働くなんてバカでしょ。事業所はあぐらをかいているから介護職のなり手がいなくなるんだよ。みんなで一斉にやめたら、きっと気づくよ」
こんな声にお応えします。
この記事の内容
介護の仕事は負担が大きく、給料が見合っていないという声がよく聞かれます。
現役の介護職の方の声として多くありますね。
今回の記事は、介護職の給料などの待遇について考えてみました。
介護職の労働に見合った給料とは?
この問題を解決するにあたって、介護職の労働に見合った給料をどうやって算定するのか、という課題があります。
しかし、そもそもここがわからない状況で、介護職の給料は安い、と訴えているように思うのです。
見合う見合わないは個人の価値観
労働量と給料が見合わないというのは、個人の価値観も大きく影響します。
- たいへん・しんどい・つらい
- 楽しくない・つまらない
- 体力的にきつい
- 精神的にきつい
これらは個人の主観によるもので、これまでの経験など価値観によって感じかたが変わります。
もっと厳しい労働環境で働いたことがある人は、介護の仕事が楽に感じるでしょうし、逆の人は大変に感じるでしょう。
ですから、見合う見合わないを客観的に出すのはむずかしいですね。
私の個人的な受け取りでいうと、介護の仕事はやさしいというか、成果をもとめられる、という危機感を必要としない仕事、と感じました。
だから、服屋さんのときとくらべて特別負担に感じることはありませんでしたし、むしろ服屋さんのときのほうが何倍も大変に感じました。
あくまでも個人的な感想なので、介護職のかたは気分を害さないでくださいね。
給料の額は希少性と需要の高さ
仕事の価値、ここでは技術の価値ということもできると思いますが、需要と希少性が関係してきます。
2つが反比例するほど給料が高い
- 必要としている人が多い(需要)
- できる人が少ない(希少性)
必要としている人が多いほど、そして供給できる人が少ないほど、その仕事ができる人の価値は高まり、給料があがることになります。
介護の仕事の給料が安いのは介護保険という制度の問題もありますが、介護職の仕事に希少性がなく、特別な技術が必要な仕事になっていない、ということが言えます。
とはいえ、介護職の人数はこれからも増やす必要があります。
ですから、間口は広げておかなければなりません。
しかし、その介護職の中でも自分の付加価値を高め、希少性を高めていくことはできます。
介護の仕事で給料をあげる方法
介護の仕事は給料が少ない、と言われます。低賃金の仕事の代名詞のように言われ、仕事と給料が見合っていないという声が介護職から聞かれます。
その中でも、自分の給料を上げる方法はあります。
終身雇用の時代は終わった
先日トヨタの社長が、「もう終身雇用はむずかしい」と発言しました。
会社が責任を持って社員を一生面倒を見る、という時代ではなくなったということです。
今までのように、会社にいれば必ず給料があがっていき、それなりの生活ができる時代は終わったのです。
ですから、自分自身が自分のスキルや知識を向上させ、成果を出して、自分自身の価値を高めて行く必要があります。
自分で自分の人生の責任を負わなければならないということですね。
収益をあげなければ給料はあがらない
会社は職員に対して成果を求めます。
その成果の対価が給料になります。
会社としては、給料を上げるためには入ってくるお金、つまり収益をあげていかなければならず、それを職員に求めるのです。
つまり、職員は自分の給料をあげたければ、収益をあげる必要があるということです。
収益をあげるって言ったって、介護職はお客さんをつかまえて物を売る仕事じゃないんだよ?そんなことできるわけないじゃん。
こんな意見もあるかもしれません。
もちろん介護職は売り上げを直接あげる仕事ではありません。
しかし、売り上げにつながる仕事をすることはできます。
たとえばサービスの質を向上させ、利用者やご家族の満足度を高めていくことで新しいお客様(利用者)につながり、収益があがります。
その役割を果たさなければならないということですね。
時間通りに来て、最低限の仕事をすれば給料はもえらますが、あがることはありません。
社会的に、雇用する側より雇用される側が守られる環境にありますが、会社に貢献しようとする職員と、ただいるだけの職員とでは、当然貢献しようとする職員に重きがおかれます。
文句ばかり言って、最低限の仕事をしない職員と、文句を言わず、会社に貢献する職員とでは、給料にも差が出るのです。
給料をあげたければ、会社の収益につながるような仕事をしましょう。
自分に付加価値をつけて希少性を高める
たとえば、介護福祉士の資格を取得するのはもちろんですが、それ以外にもいろいろなことが考えられます。
ただ介護職のスキルをあげていくことも重要ですが、それに付随する能力を取得したり高めていくことで自分の付加価値となり、介護職の中での希少性が高まることになります。
このように自分自身の価値を高めていけば、かりに今の会社で給料があがらなくても、転職の際に有利になります。
自分の価値を認め、高い給料を出してくれる会社を選ぶことができるようになるのです。
福祉の精神ではなく介護のプロとして
介護の仕事は福祉の精神が大切だよ。仕事といえどもお金を稼ぐことを優先するのはちがうでしょ!
このような考えが介護の業界にはありますよね。
しかし、介護は立派な「仕事」です。
仕事としてついている人の大きな目的のひとつに、生活費を稼ぐ、というものがあるはずです。
お金は生活を豊かにするためのひとつのツールですから、たくさんもらえるに越したことはありません。
ですから、介護職であってもお金をたくさんもとめることがまちがっているわけではないのです。
むしろあたりまえといえます。
ただし「これだけの時間働いたんだから、もっと給料をくれ」というのはずれています。
特に正社員で働いているならば、時間でのお金の要求ではなく、成果の対価としてのお金の要求であるべきではないでしょうか。
つまり、会社の収益にどれだけ貢献しているか、ということを重視するべきです。
まとめ
介護職の給料をあげる方法を書きました。
全体的な給料アップについては、介護保険という公的なお金がかかわっている以上、制度による影響がでます。
しかしそれ以前に、給料をあげるために個人でできることもたくさんあります。
私自身、同年代の平均以上の給料をもらえるところまでいくことができました。
他の介護職とはちがう能力を身につけたり、仕事に対する成果をあげた結果だと思います。
それが自分の労働に見合った金額であったかどうかはわかりません。
その点については、自分がどれだけの時間を費やして、そのかわりどれだけの金額がほしいのか、というところにも関連してきます。
つまり、個人の主観によって変わってくるということです。
話しを元に戻して、いずれにしてもただ時間をこなして文句を言っているだけでは給料は上がらないということです。
その時間があるならば、自分の付加価値を高める努力をしましょう。
本を買って読む、インターネットを検索して勉強する、といったことはすぐにでも始められます。
多くの介護職が自分の価値を高めていくことに注力すれば、おのずと業界全体の価値が見直されるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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