介護職の仕事は、きつい仕事ランキングでワースト3に入るなど、良いイメージを持たれていないのが実情です。
他にも排泄物を扱ったり、給料が安かったりといった仕事内容や待遇面に加えて、虐待による殺人事件などのニュースもあって「介護職は社会的に劣った人がする仕事」という、まるで底辺に位置する職業であるかのように表現する人もいます。
それは個人だけではなく、以前、NHKで就職難民を追ったドキュメンタリー番組でも「どの会社にも正社員で雇ってもらえず、ついに介護職しか選択肢がなくなった」という男性の様子が放送されていました。
そんな影響もあって、介護職は非常に不人気で人材不足が深刻化しています。
しかし、実際は専門性があり、人様の人生の最終盤にかかわることができる、誇り高い仕事です。
今、少しでも介護に興味を持たれている方には、ぜひ知っていただきたいですし、現在進行形で介護職として頑張っている人には、ぜひ介護職であることを誇りにしていただきたいなと思っています。
今回の記事はそのあたりを掘り下げていきます。
介護職に対するイメージが低い現状
世間の方の介護職のイメージとは、どのようなものでしょうか?
平成26年に長崎県福祉保健部福祉保健課が、336名の県民に対して「介護の仕事のイメージについてのアンケート」を行いました。
その結果「介護の仕事にマイナスのイメージを持っている」と答えた人は、なんと8割にのぼり、「介護の仕事をしたいと思わない」と答えた人は、約9割を占めました。
その中で介護に対するネガティブなイメージとしては、次のようなことが挙げられました。
- 給料など雇用面での待遇が悪い
- 体力的、精神的にきつい
- 不潔な仕事内容
- 地位が低すぎる
- プロ意識が低い
- ストレスが溜まりやすい
非常に厳しい結果となっています。
上記の意見以外にも良く聞かれるイメージとして、「介護職は他の仕事では務まらない人がする仕事」であったり「専門性がなく、誰にでもできる仕事」といった声が聞かれます。
このアンケートで深刻なところは、答えている人の約半数が介護の現場を実際に見ての感想である、ということです。
まったく知らない人がイメージだけで語っているのではないところが、介護現場の実情であることを裏付けています。
しかし、介護の仕事はマイナスばかりではありませんし、世界の中で立ち位置が怪しくなってきている現状から日本が盛り返していくために、なくてはならない仕事なのです。
介護職が元気になれば日本が元気になる
介護の仕事は本当はとても重要で奥が深く、それ故にやりがいのある仕事です。
介護とは、介護が必要になった高齢者の自立を支援をすることが目的です。
利用者の自立を支援しようと思ったら、ご本人にもう一度生活を取り戻し、自分でできることを増やしていこう、という思いを持ってもらわなければなりません。
つまり利用者を元気にする仕事、ということです。
利用者を元気にする介護職に元気がなかったら、利用者は元気になれません。
仕事に意欲が持てず、ただ日々の業務をこなすだけの、無気力で暗い顔の人と一緒にいて元気になれるわけがありません。
私たちでもそういった方々と一緒にいるのは避けたいと思いますよね。
ですから、人のを元気にする介護職は、自分も元気でいなければならない、ということになります。
次に、利用者が元気にならないと、預けているご家族は元気になりません。
預けている身内のことが心配で、そちらにパワーをとられるからです。
せっかくお金を払って安心できる環境を手に入れようとしているのに、安心できないなら意味がありません。
そして、ご家族が元気にならないと日本が元気にならないのです。
ご家族の中には働いている方も少なくありません。
介護に精神的、肉体的にパワーを取られてしまうと、仕事で力を発揮できず、生産性が落ちてしまいます。
仕事の成果が上がらないということは、所属している会社に影響を与えるということです。
会社の生産性が下がると、会社の元気がなくなります。
会社の元気がなくなるということは、日本の経済や社会の元気がなくなる、ということです。
すべてはつながっているのです。
ということは、介護職は日本社会の土台を支えていると言えます。
介護職がいなくなれば、どれほどの方が困るか、そして、日本社会にどれだけの影響を与えるか、想像すら難しいほどです。
それだけ重要で、日本の社会になくてはならない介護職という仕事を、私たちは誇るべきなのです。
まとめ
介護職に対する世間のイメージと、それに反して介護職がいかに重要で、誇らしい仕事であるかを書きました。
介護職というのは専門的な知識や技術、そして人を思いやる気持ちをもって「人を元気にする仕事」です。
世界においても未曾有の超高齢化社会を迎えている日本ですが、今後他の先進国が日本と同様に高齢化社会の道をたどるであろうと言われています。
その際に、日本の介護が世界に誇れるためには、これから介護の仕事を志す人や、現在介護の仕事に携わっている私たちにかかっていると言っても過言ではありません。
専門性と人間性を磨いて、レベルの高い介護サービスの提供を目指していきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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