こんにちは、せいじです。
今回は返報性の原理を使ったチームをまとめる方法について書いていきます。
本記事の内容
人間にも他の動物と同じく習性があります。
「Aの状況になったらBをする」
というように、決められた行動パターンや心理パターンが存在するのです。
そのうちのひとつに、「返報性の原理」があります。
チームリーダーが返報性の原理をうまく使えば、メンバーを確実にまとめやすくなります。
本記事では、返報性の原理の紹介と、チームをまとめていく際の具体的な手順について書いていきます。
返報性の原理とは?
返報性の原理は、リーダーとしてチームをまとめていくにあたって、とても役に立つ原理です。
活用方法を書く前に、まずは返報性の原理がどのようなものかを説明していきます。
そして、後半に具体的な活用方法を書いていきます。
返報性の原理と具体例
返報性の原理とは、人になにかしてもらったら、お返しをしなければいけない、との心理が働くことを言います。
一番わかりやすい例を挙げると、誰かにお土産をもらったら、自分が旅行に行った時もお土産を買わないと!」と思う心理ですね。
そうしないと、なんだかバツが悪いように思ってしまうのです。
他にも、昔よくあったご近所さんからのおすそ分けがあげられます。
「おかずを作りすぎたからどうぞ」ともらったら、入っていたお皿や容器を返す際に、自分もなにか入れて返さないと、という心理が働きます。
その作用がうまい具合に働いて、ご近所づきあいが深まっていたんですね。
また、返報性の原理は商売にも活用されています。
実は、私たちは知らず知らずのうちに操られて、つい購入してしまったりしています。
たとえば、食品売り場での試食がそれにあたります。
ソーセージやお漬物などの試食をもらうと、買わないと申し訳なく思ってしまう心理ですね。
この原理の妙としては、少なくとも試食をした時点で、他のソーセージやお漬物が選択肢から排除されてしまうところです。
つまり、買うならば試食をしたお店から、という前提になってしまうのです。
本来ならお店が勝手に試食を配ってるわけで、もらったからといって購入しなければならない義理はないのですが、人間はそのような心理が働くようにできているんですね。
自己開示の返報性
返報性の原理は、相手のことを知ろうとする際にも活用することができます。
たとえば、相手に質問をなげかけ、根掘り葉掘り聞いているだけでは、相手は身を守ろうと態度を硬化してしまうことがあります。
これは、相手から一方的に奪っているからです。
しかし、自分の情報を開示してから聞くと、相手に返報性の原理が働き、自分の情報も伝えないと、と思うのです。
そうすることによって、スムーズに相手を知り、またこちらのことを知ってもらうことができます
コミュニケーションは相互理解ですから、一方的に知っても関係は深まっていきません。
また信頼関係も深まっていきません。
そのためにも自分を開示する、自己開示が必要ですね。
ちなみに、人はどちらかというと話しをしたいタイプの人が圧倒的に多いですね。
話しが上手な人よりも、話しを上手に聞いてくれる人に対して、お話し上手と感じるようになっています。
なので、自分の情報を出す目的は相手が話しやすくなることを目的とし、自分ばかりべらべらしゃべるような状況は避けた方がいいですね。
好意の返報性
返報性の原理はさらに、相手に好意を持ってもらう際にも効果があります。
自分が相手に好意を示すことによって、相手も自分へ好意をお返ししなければ、という心理が働くのです。
たとえば、人から「あなたのことが好きです」と好意を告げられたとします。
すると、今まで相手に特別な感情を持っていなかったのに、急に相手のことが気になりだしたりした経験がありませんか?
これを好意の返報性と呼びます。
道徳的な観点から「相手を好きになれば、相手も自分のことを好意的に見てくれるようになる」とよく言われますが、心理学的にはそのような作用が認められているんです。
とはいえ、こちらが相手に恋愛感情を持ったからといって、必ず相手も恋愛感情を持ってくれるわけではありません。
あくまでもそのような心理が働くということであって、恋愛感情に発展するかどうかはもう一段階先の話しですので。
くれぐれも「自分は相手をこれだけ好きなんだから、相手も同じように好きになってくれるはず」と暴走しすぎないようにしてください。
それは単に自分の感情を押し付けているだけで、往々にして嫌われるパターンですので。
返報性の原理を活用してチームをまとめる方法
ここからは、返報性の原理を活用してチームをまとめていく方法について書いていきます。
この原理を活用することで、リーダーの負担はかなり楽になるはずです。
ただし、メンバーのことを真剣に考えて活用するようにしてください。
くれぐれも自分の利益の為だけに使わないようにしてくださいね。
自己開示の返報性によりスタッフを知ることができる
リーダーがメンバーのことを知ることは、とても大切です。
メンバーの能力を最大限に引き出すのがリーダーの仕事だからです。
たとえば
- 性格
- 長所、短所
- 生活環境
- 価値観
- 悩み
これらを知り、活かせる環境を作ることで、メンバーのモチベーションを高めることができるのです。
そのために、リーダーはまず自分を開く必要があるということですね。
自分を開く際の注意点としては、自慢話しにならないことです。
上司の自慢話しを延々と聞かされても、興ざめしますよね。
「俺の若い頃はこうだった」なんて言われたところで「聞いねーし」って感じになってしまいます。
あくまでも目的は相手が自分を開きやすいようにすることで、自分が独演会を開いて気持ちよくなっても仕方がありません。
この点を間違えないようにしてください。
聞くことで返報性の原理を発動
自己開示の返報性のところでも書きましたが、開示する目的は相手の話しを聞くためです。
なので、自分の話しはそれなりに抑え、メンバーが自分の話しをしやすいような環境を作りましょう。
その際に重要なのは、次の3点ですね。
- 傾聴
- 受容
- 共感
介護で利用者さんとコミュニケーションをはかる際に基本とされるものです。
そのために有効は原則として、バイスティックの7原則があります。
対人援助技術の基本とされているもので、メンバーをまとめていく際にも非常に有効です。
ぜひご覧いただけたらと思います。
さて、相手の話しをとことん聞くのは、実は自分の話しを聞いてもらうためです。
リーダーにはチームをどのようにしていきたいか、どの方向に向かって進んでもらいたいかを示す役割があります。
そのためには、メンバーに耳を傾けてもらわなければなりません。
ここで返報性の原理が発動するわけですね。
リーダーがメンバーの話しを聞くことで、メンバーもリーダーの話しを聞こうと思う心理が働くようになります。
この状態を作ることができれば、チームにビジョンを浸透させることが容易になります。
好意の返報性でリーダーに目を向けてもらう
最後は好意の返報性です。
ここでいう好意とは、メンバーに恋愛感情を抱き、告白しろ、という話しではありません。
そんなことしたら公明正大さにかけ、チームは一気に崩壊しかねませんからね。
リーダーがメンバーに示す好意とは、メンバーを信頼し、期待を伝えることです。
もちろんそこに嘘があってはいけません。
本当に心から信頼し、期待をこめ、仮に裏切られたとしても自分の責任としてとらえる前提でなければなりません。
なぜなら、小手先で伝えて人を動かそうとすると、いずれメンバーはそれを見抜きます。
その時点でチームは大崩壊することになるので。
仮にだまし通す自身があるならいいかもしれませんが、自分に嘘をつくとそれはそれでマイナスに働きます。
言動一致にならいので、自分のパフォーマンスを確実に落とすことになりますから。
リーダーの心がまえとして、非常に重要な要素だと思います。
まぁ、伝わらない時はけっこうへこみますけどね。
そこから逃げてはダメですね。
まとめ
返報性の原理を使ってチームをまとめる方法について書きました。
人の習性を活かしてチームをまとめる方法です。
価値観が多様化している現在、ビジョンを掲げ、メンバーをまとめていくのはなかなか難しいミッションです。
なので、上手に活用してもらえたらと思います。
ただし、くれぐれもそこに心を持ってください。
自己利益だけを考えて用いると、間違いなく諸刃の剣になるので。
活用するにあたって、リーダーに必要な心がまえを紹介しておきます。
読んでいただけると嬉しいです。
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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