リーダーの重要な役割として「チームの目標を設定する」ことがあげられます。
目標設定とその活用が、チーム力をあげるのキモと言えます。
目標設定をするとどんな効果があるんですか?
適切な目標設定はスタッフの成長、チーム力の向上、施設全体の介護サービスの向上につながります。
今回の記事は、チーム力やスタッフのモチベーションをあげることができる、目標設定の方法と進め方について書いていきます。
目標が必要なのはなぜか?
施設に目標設定が必要な理由は、次の2点です。
- 目標を掲げることで、なにをしなければならないか明確化する。
- 目標達成による成功体験により部下のモチベーションをあげる。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
目標を設定することでメンバーがなにをしなければならないかを明確にする
チームの目標は、リーダーがチームをどのようにしたいのかを表現するものです。
そして、チームのメンバーとっては目的地をさすものとなります。
リーダーは目標によって、チームメンバーがどこを目指すのかを示さなければなりません。
たとえば、旅行に行くためにカーナビゲーションを設定するとします。
その際に必要なのは、現在地と目的地です。
これがなければ、経路を示すことはできません。
目的地があやふやでは、チームを迷走させることになるのです。
ですから、目的地となる目標をしっかりと掲げることが必要なのです。
目標達成による成功体験により部下のモチベーションをあげる
仕事をしていてスタッフのモチベーションがあがるのは、成功を体験したときです。
成功体験により、達成感による自己承認や周囲からの承認を得ることができ、承認欲求が満たされます。
承認欲求が満たされると人はポジティブになり、新たなチャレンジに向かう意欲がわくのです。
そのためには、チームが目標に向けて進む中で「自分がいかに役に立っているか」を、各メンバーが感じられるようにしなければなりません。
目標を立てるときの3つの工程
次は具体的な目標設定の方法です。
目標は「達成するため」のものでなければなりません。
努力目標では意味がないのです。
しかし、ただ単に理想を掲げるだけでは絵に描いた餅に終わります。
目標を飾りにしないために、3つの工程を踏んで作成しなければなりません。
施設の理想的な姿を考える
目標を立てるときは、まず、施設の理想的な姿を考えます。
現在の延長線上の施設ではなく、最高の状態をイメージするのです。
そこにはリーダーの思いを入れることも大切です。
たとえば、次の内容を考えてみてください。
- 利用者にどんなサービスを提供したいのか
- スタッフにどうなってほしいか
- 地域の中で、どのような施設にしたいか
これらをより具体的に考え、頭の中でイメージを膨らませていきます。
できる限り細かく、具体的にイメージすることが大切です。
施設の一日を思い浮かべて、ひとつひとつ明確に考えるのです。
これが最終ゴールとなります。
目指すべき施設の姿を目標として掲げてください。
目標は抽象的でもいいですが、リーダー本気で熱く語れるものにしてください。
そして「必ず実現できる」と強く心に刻んでください。
目標達成に不安があったり、最初からあきらめていたら、絶対に達成することはできません。
リーダーがその状態では、メンバーは1週間もすれば目標を忘れてしまうでしょう。
リーダーの目標達成に対する意欲が高ければ高いほど、達成できる可能性は上がります。
現在の施設の現状を明確にする
理想の形である目標設定ができたら、次に現在地である今を正確に把握します。
目的地がいくらわかっていても、現在地が正確にわからなければ、どうやったら目的地に行けるのかという経路がわかりません。
ですから、現在地の状況を事細かに書きだすようにしてください。
把握する方法として、スタッフとの面談を活用しましょう。
働いている人が施設をどのように感じているのかを把握するためです。
目的地にたどり着けるかどうかは、スタッフのモチベーションが原動力になります。
現状のモチベーションがどれぐらいなのか、どこに問題を感じているのかを把握することにより、現在地が明確になります。
表面的な問題だけを取り上げるのではなく、人の中に隠れている問題点も掘り出せるようにしましょう。
目標達成するために、解決すべき課題を洗い出す
目標と現状把握ができれば、あとは2つの間にある課題をあげていくだけです。
現状が目標の状況になるには、なにが必要かを考えるのです。
現在地から目的地までの経路を明確にする作業です。
課題を抽出できれば、その課題が1年間でクリアできるものなのか、それとも課題を細分化して数年に分けてクリアしていく必要があるのかを整理しましょう。
そして、目標を達成するために具体的になにをするのか、項目を挙げていきます。
こちらは目標とは違い、具体的で測れるものにしなければなりません。
たとえば「退職者ゼロ」や「介護ミスによる事故ゼロ」など、数値で表せるものがわかりやすいでしょう。
目標達成までの進め方
目標は立てただけだとすぐに忘れてしまいます。
常に意識しておくことができる仕組みを作らなければなりません。
たとえば、毎日の朝礼で目標を確認するとか、毎月の会議で進捗状況を話し合うなどです。
他にも、スタッフ一人ひとりが目標に携わっている気持ちをもってもらえるような仕掛けづくりがポイントとなります。
部下を巻き込むには、部下自身に目標を達成するための具体的な行動を考えてもらうことが効果的です。
そして、出てきた具体的な行動の案をチーム全体で実施するのです。
部下が考えたことを、所属しているチームみんなで取り組むことによって、考えた部下のモチベーションが上がり、達成できるよう主体的にチームに働きかけるようになります。
多くの意見を吸い上げてチームで実施し、すべてのスタッフを巻き込んでいくようにしましょう。
まとめ
きちんとした目標設定を行い、それに向けてチームを進めていくことによって、部下とチームの成長につなげることができます。
気合を表した絵空事ではなく、必ず達成するためのものであることを、チームのメンバーに理解してもらいましょう。
そして、達成するためにどうしたらいいのかを考え、実行し、修正していくというPDCAを行えば、組織は活性化していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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