こんにちは、せいじです。
リーダーシップには様々なスタイルがあります。
しかし、リーダーになると、つい自分がチームを引っ張らないと!と思う人も多いでしょう。
- 他のメンバーよりも自分は良い意見を出さなければならない
- リーダーの意見が一番正しいとメンバーに思わせなければならない
- メンバーはリーダーである自分の言うことを聞くべき
こんな風に考えて失敗した人もいるかもしれません。
以前の私がまさにこの状態でした(笑)
今回は、アメリカの心理学者、アイオワ大学のクルト・レヴィン氏により定義されたリーダーシップスタイル(専制型・民主型・放任型)の1つである、民主型リーダーシップについて書いていきます。
レヴィン氏の研究では、民主型が3つの中でもっとも優れたリーダーシップスタイルとしています。
この記事の内容
この記事を書いている私の簡単な経歴は以下のような感じです。
服飾雑貨店の店長時代は、専制型のリーダーシップを用い、介護施設では民主型リーダーシップに該当するやり方でチームをまとめていました。
店長時代のスタッフは大変だったと思います。
「恐怖」を使って人を動かすことをしていましたから。
ほぼ常に不機嫌で、ほとんど話しをしない。出てくる言葉は指示、指摘、そんな感じです(笑)
スタッフは常に私の顔色を気にしていましたね。そんな闇の時代を経て今があります。
私自身の経験も踏まえて書いていきます。
民主型リーダーシップの特徴やメリットとは
さて、3つのリーダーシップスタイルの中でもっともすぐれているとされる民主型リーダーシップの特徴やメリットを書いていきます。
結論から言うと、民主型リーダーシップが機能すれば、生産性が高く、職員の成長が望め、長期的に安定したチームを作ることができます。
特徴まとめると次のようになります。
- メンバーの意見を大切にする
- 新しいアイデアの発掘に適している
- 結果よりプロセス重視
- メンバーの成長が期待できる
掘り下げていきます。
メンバーの意見を大切にする
民主型リーダーシップは、メンバーの意見にしっかりと耳を傾け、個人の考えを大切にするリーダーシップです。
なにかを決める際には、リーダーはメンバーの意見を大切にし、話し合いをしながら決めていきます。
ですから、リーダーが一方的に決めて、それを上から下におろすようなトップダウンではありません。
リーダーがメンバーの意見に耳を傾けると、メンバーは自分の意見を大切にしてもらえていると感じます。
こんなリーダーなら、「良い意見を出したい」「リーダーの役に立ちたい」と思いますよね。
それに、自分の意見を大切にしてもらったと感じたメンバーは、リーダーや他のメンバーの意見も大切にします。
そんなやり取りの中でチームの人間関係が良くなります。
新しいアイデアの発掘に適している
民主型リーダーシップは、新しいアイデアを発掘するのに適したリーダーシップと言えます。
いろいろな価値観を持つメンバーが意見を出し合うことで、様々なアイデアが生まれるからです。
たとえば、リーダーにしかアイデアを出す権限がなかったらどうでしょうか。
ひとりの人間が考えることには限界がありますよね。
たとえ能力が優れていても、ひとりの価値観を基にして出すアイデアは1でしかありません。
しかし、価値観の違うメンバーが、自分たちの価値観を生かしていアイデアを出すことで、違う視点のものが生まれます。
また、視点が違うアイデアを組み合わせることで、ひとりでは考えられなかったアイデアが生まれることもあります。
民主型リーダーシップの利点ですね。
結果よりプロセス重視
民主型リーダーシップは、結果よりもプロセス重視のリーダーシップです。
リーダーが決めてメンバーがそれに従うのではなく、リーダーがメンバーの意見を聞きながら、みんなで決めていくことによって、チームの質の向上を図っていくためです。
ですから、専制型とくらべると、結果が出るまでに時間がかかります。
しかし、その分スタッフの自主性が高まり、信頼関係の深まったチームができます。
メンバーの課題に対する姿勢や、アイデアの提案、課題解決に向けて実行していく過程でメンバーの成長や信頼関係の構築の促進につながるのです。
メンバーの成長が期待できる
民主型リーダーシップではメンバーの成長が期待できます。
なぜなら、成功体験を得ることができるからです。
たとえば、ある問題を解決する方法について、自分のアイデアが採用されたとします。
チームの中でアイデアが採用されるというのはとても嬉しいことですよね。
課題解決に向けても、モチベーションが上がります。
そして、チームで協力してそのアイデアで課題が解決したら、成功体験になります。
成功体験はメンバーにとって一生モノの財産になります。
メンバーの成長する循環
- アイデアが採用される
- 実施する
- 成功体験を得る
- モチベーションがアップする
- 1に戻る
このようなサイクルが生まれると、メンバーの成長は爆速的に上がります。
自分のアイデアが採用されるかもしれないと思うと、会議の質も変わってきます。
自分の考えがチームに反映されるかもしれないと考えると、普段からの気づきや観察力も変わってきます。
チーム全体が相乗効果によって質が上がっていくのです。
民主型リーダーシップの欠点とは
もっともすぐれているとされる民主型リーダーシップですが、欠点もあります。
まとめると次のようになります。
- 緊急の決断には向かない
- 組織の改善に時間がかかる
- リーダーの人間性への比重が高い
掘り下げていきます。
緊急の決断には向かない
民主型リーダーシップは、メンバー間の話し合いに重きが置かれるため、緊急事態に対しては適していません。
なぜなら、緊急事態では、即座に判断して行動することが求められるからです。
たとえば、火事が起こったとします。
目の前の日を消さなければなりません。
そんな時に、消す方法についてメンバーの意見を聞くなんて悠長なことはできません。
- 消火器を使う
- 座布団で抑える
- バケツリレーをする
どれが一番いいと思う?なんて言ってる場合に手遅れになってしまいます。
緊急事態には専制型のリーダーシップが適しています。
リーダーがすぐに判断して、トップダウンでメンバーに対応を指示し、それをメンバーが実行する、という形ですね。
ただ、民主型リーダーシップが浸透していれば、スタッフ自身の判断能力が育った状態になるため、緊急時にそれぞれが適切な判断をくだし行動できるようになります。
組織の改善に時間がかかる
民主型リーダーシップは、組織を変えていくのに時間がかかります。
メンバー個人の考えや意見を尊重するため、それらを集約して方向づけていくことに時間がかかってしまうのです。
たとえば、メンバー間の人間関係において、最初から信頼関係が強固にあるわけではありません。
その中で意見を出し合い、話し合って物事を決めていくには、時間がかかるのです。
お互いがお互いの様子を窺い、闊達な意見交換がすぐには見られないでしょう。
具体的に意見がまとまり、それが行動に至るまでにはどうしても時間を要する必要があります。
リーダーの人間性への比重が高い
民主型リーダーシップは、リーダーの人間性が試されるスタイルであると言えます。
なぜなら、リーダーには人格者としての立ち居振る舞いが求められるからです。
たとえば、自分と違う意見を主張するメンバーに対して、その意見を否定したり、感情的になってはいけません。
意見を否定したり、リーダーが感情的になると、メンバーとの関係が悪化してチームの中で意見を交わすことができなくなります。
メンバーの意見や価値観を尊重するにあたっては、リーダーの価値観を横に置いておく必要があるのす。
つまり、自分の価値観を外した状態で、メンバーの意見をありのまま受容し、寄り添って考えることが求められる、ということです。
これを実行するためには、最初はかなりの精神力を使うと思います。
どうしても自分の価値観で話しを聞いてしまうからです。
だから、相手の話しに感情が動いたり、否定したくなる気持ちが芽生えてしまいます。
リーダーは自分の感情をきちんとコントロールしなければならないということですね。
それにあたって、対人援助技術の基本原則である、バイスティックの7原則が役に立ちます。
【対人援助技術】バイスティックの7原則をわかりやすく解説をご覧いただけると嬉しいです。
まとめ
今回はリーダーシップスタイルのひとつである、民主型リーダーシップについて書きました。
一番最初に書いたように、リーダーになるとつい肩に力が入り、空回りしてしまいがちです。
リーダーである自分が、メンバーの中で一番能力が高くなければならない、と気負ってしまうからです。
逆に、リーダーの自分がメンバーの中で一番能力が高いので、メンバーは言うことを聞いて当たり前、と上から目線でメンバーを見てしまっているリーダーもいます。
民主型リーダーシップはそういった考えではなく、メンバーの意見に重きを置くリーダーシップスタイルです。
ですから、いかにメンバーがアイデアを出し、そのアイデアを生かしていくチームにするか、が重要になります。
そうすることによってたくさんのメリットがあります。
ぜひ民主型リーダーシップを身に付けてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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