ダニエル・ゴールマンが提唱するペースセッター型リーダーシップについて知りたい。特徴やメリット・デメリットがわかると嬉しいです。
こんな疑問を解決します。
この記事の内容
こんにちは、せいじです。
8年間、服飾雑貨店の店長や、介護施設の施設長など、チームのリーダーを務め、現在はリーダー育成の研修をしています。
さて、今回はペースセッター型リーダーシップについて書いていきます。
ペースセッター型リーダーシップは、ゴールドマンが提唱する6つのリーダーシップスタイルのうちの1つです。
一昔前によく見られたタイプのリーダーシップスタイルですね。
ただ、介護施設では今もこのタイプのリーダーが多いです。
結論から言うと、このリーダーシップスタイルを介護施設で取り入れていると、はっきり言ってリーダーは病みます。
具体的な内容については、本文で説明していきます。
というわけで、今回の記事はペースセッター型リーダーシップの特徴やメリット、デメリットについて書いていきます。
ペースセッター型リーダーシップの特徴
ペースセッター型リーダーシップの特徴について書いていきます。
まとめると次のようになります。
- リーダーが背中で引っ張っていくスタイル
- 高い目標を達成するのに有効
- メンバーの能力やモチベーションが高い時に有効
掘り下げていきます。
リーダーが背中で引っ張っていくスタイル
ペースセッター型リーダーシップは、リーダーが率先して行動し、メンバーにその姿を見せることで引っ張っていくリーダーシップスタイルです。
リーダーがチームの誰よりも動くので、ついていかざるを得ない、との気持ちがメンバーに生まれます。
プレイングマネジャーの立場にあるリーダーがよく用いるスタイルですね。
このスタイルで人を引っ張っていくためには、メンバーよりもリーダーが圧倒的に知識や技術に長けていて、さらに行動しなければなりません。
そして、リーダーはメンバーに対しても、自分と同じような行動、成果を求めることになります。
つまり、たとえるならマラソンでのペースメーカーの役割をリーダーが行う、ということです。
マラソンのペースメーカーは、レースでそれなりの記録が出るように、集団を先導してペースを整えます。
そのペースに合わせて集団が走ることで、記録のアップが期待できるわけです。
ペースセッター型リーダーシップのリーダーは、ペースメーカーとして先頭を走りつつ、ゴールまでメンバーを導いていかなければなりません。
高い目標を達成するのに有効
ペースセッター型のリーダーは、自分自身に高い目標を設定します。
そして、それを達成するためにリーダー自ら行動します。
メンバーはリーダーの背中を見て行動します。
うまく機能すれば、高い目標を達成できるチームになります。
メンバーの能力やモチベーションが高い時に有効
これまでの特徴を踏まえ、ペースセッター型リーダーシップが適するのは、メンバーの能力やモチベーションが高い状態であることが条件となります。
なぜなら、リーダーは自分と同じような行動や成果をメンバーに求めるからです。
メンバーがリーダーと同じように能力が高く、モチベーションも高い状況であれば、非常に高い成果を出すことができます。
ペースセッター型リーダーシップのメリット
ペースセッター型リーダーシップのメリットについて書いていきます。
まとめると次のようになります。
- リーダーに信頼が集まりやすい
- チームのパフォーマンスを上げることができる
掘り下げていきます。
リーダーに信頼が集まりやすい
ペースセッター型リーダーシップでは、リーダーが率先してチームの先頭を走る形になります。
そして、チームの誰よりも知識、技術を駆使して問題を解決していきます。
メンバーにとっては、リーダーは尊敬すべき対象となります。
カリスマ的な魅力を備えた存在ですね。
だから、メンバーはリーダーに対して、信頼や尊敬の気持ちを持つようになるのです。
チームのパフォーマンスを上げることができる
リーダーがメンバーに自分の背中を見せ、尊敬や信頼を集めることができれば、メンバーのパフォーマンスが向上していきます。
そして、チーム全体のパフォーマンスが向上していくことになります。
ペースセッター型リーダーシップが良い方向に回ると、チーム全体が向上する形になります。
ペースセッター型リーダーシップのデメリット
ペースセッター型リーダーシップのデメリットについて書いていきます。
まとめると次のようになります。
- メンバーの能力が低いと機能しない
- 名選手、名監督にあらず、の状態になる恐れ
- リーダーがひとりで背負い込んでつぶれてしまう可能性大
掘り下げていきます。
メンバーの能力が低いと機能しない
ペースセッター型リーダーシップが機能するためには、メンバーの能力やモチベーションが高いこと、が前提条件となります。
前提条件が満たされていないと、機能しません。
メンバーの状態に影響を受けるリーダーシップであるため、ペースセッター型リーダーシップだけでチームを継続的にまとめていくのは難しいと言えます。
名選手、名監督にあらず、の状態になる恐れ
では、メンバーの能力やモチベーションが低いとどうなるのか、を考えていきます。
たとえると「名選手、名監督にあらず」の状態ですね。
リーダーは能力が高いので、行動しながら問題を解決し、目標達成に向けて突き進んでいきます。
その一方で、メンバーには自分と同じような行動や成果を求めます。
メンバーの能力が低いと、リーダーと同じような行動、成果を出すことができません。
リーダーがそれでも成果を出すよう求めると、メンバーは受け入れられなくなります。
「リーダーは特別だからできるんでしょ?」としらけた状態になってしまうのです。
この状態では、リーダーは空回りし続けることとなり、チームは機能しなくなります。
行動だけでなく、相手に伝わるように指導し、成長を待つことも必要だということですね。
リーダーがひとりで背負い込んでつぶれてしまう可能性大
ペースセッター型リーダーシップでは、リーダーがプレイヤーとしても活躍しなければならないので、オーバーワークになって潰れてしまう可能性があります。
リーダーとしてメンバーに力を誇示するために、リーダーがより多くの仕事を担わなければならないからです。
この思いが強くなればなるほど、メンバーに仕事を任せることができず、リーダーがすべてを背負い込んで、最後は燃え尽きてしまうことになります。
まとめ
ペースセッター型リーダーシップについて書きました。
リーダーが率先して動くことで、メンバーの信頼を得られやすいスタイルですね。
ただし、継続して行うことで、チームに不都合な状況が生まれる可能性があります。
ある程度メンバーの信頼が得られたら、ペースセッター型リーダーシップのスタイルから、別のリーダーシップスタイルに転換する必要がありますね。
つまり、優れたリーダーというのは、いかに状況に合わせてスタイルを変えられるか、です。
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
コメント