実習生がよく聞く利用者の声
施設に初任者研修や介護福祉士などの現場実習性が来ると、利用者さんから実習生の方にこんな訴えが良く出ます。
「職員さんはいつも忙しそうにしているから、何か頼むのは気が引けるの。声をかけることも遠慮してしまう。だからあなたトイレに連れて行ってくれない?」
いやいや、実習生さんまだ勉強中だからおトイレ誘導はできないよって話なんですが、利用者さんはそれぐらい遠慮しているんでしょうねぇ。
ゆっくり話しをする時間もないし、ましてやお願い事なんてとてもじゃないけどできない、実際に忙しいかどうかは別にして、でもこれが利用者さんが感じているありのままの声なんですよ。
では、その結果どういうことが起こるでしょうか?
職員が忙しそうに見えることで起こる弊害
職員が忙しそうにしている(そう見える)ことによって次のようなことが起こりえます。
①利用者さんが自分でトイレに行こうとする
↓
立ち上がっている利用者さんを見つけてヒヤリハット
↓
あの利用者さんは目が離せないとなる
↓
業務が増える
②トイレを我慢することで便秘を誘発してしまう
↓
下剤服用により無理やり排便を促すので便失禁の可能性が高まる
↓
便失禁の後処理に時間がかかってしまう。利用者さんも職員も精神的ダメージ大
↓
業務が増える
また、認知症の方についてはこんな感じになるかと。
職員が忙しそう、顔が険しい
↓
その表情が印象に強く残ってしまう
↓
職員が怒っていると感じて精神的に不安定になる
↓
周辺症状が発生して対応が必要になる
↓
業務が増える
といった具合に、利用者さんにとってはもちろんのこと、介護職にとってもなにもいいことがないんですよね。
「そんなこと言われても忙しいんだから仕方がないじゃないか」と思ったそこのあなた!
では満席のレストランで、店員が忙しい中必死の形相で接客をしてこられたら、あなたどう思います??
忙しく店内を歩き回られたらどう思いますか?
声をかけたら「少々お待ちください」と投げ捨てるように言われたら・・・・絶対気分良くないですよね。
それが顔だけでも笑顔だったら、随分印象は変わるはずです。
そういう意識が必要ということですね。
介護はシンクロナイズドスイミング
介護職の仕事って、シンクロナイズドスイミングに例えられると思うんです。
シンクロって顔が水面から出ている時ってとてもにこやかな笑顔で楽しそうに演技されてますよね。
でも水中の中ってかなりハードな動きをしているんですよね。
水面に上半身を出しているときは足で必死に水をかいていますし、潜ったときは素早く移動するために、これまた必死で身体を動かしています。
これを介護に置き換えると、利用者さんの視界に入るところではできるだけ穏やかな表情でゆったりと行動する。
そして利用者さんの視野に入らないところでは大急ぎで移動したり業務をこなしたりするんです。
介護の仕事って忙しいですから、素早くできるところは急いでこなしていかなければなりません。
でも、利用者さんにはゆったりと関わることが大切です。
そうすることによって利用者さんの声を拾うことができ、求めておられることを先に満たせて、不意な行動によって発生するリスクを回避できます。
介護職にとって業務中の表情や動きは常に意識しておく必要がありますね。
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