介護職ってきつい、汚い、給料安いとイメージが悪いですよね?では、介護の仕事をしている人のやりがいとはなんなのでしょう?介護の仕事をすることで、どのようなことが得られますか?
この疑問を解決します。
この記事の内容
- 介護のやりがいは人との関係性の中で生まれる
- 介護の仕事はプライベートにもプラスになる
介護の仕事は給料が安い分、やりがいに価値を見出している人が多いです。
やりがいがあれば給料は安くていいのか?といった疑問もあるかもしれませんが、その話しは別の機会に書くとして、今回はやりがいに焦点を当てて書いていきます。
介護の仕事のやりがいとは?
介護の仕事のやりがいは次の通りです。
- 直接感謝を受け取ることができる
- 他人の人生の締めくくりにかかわれる
- 経験を積むことでステップアップできる
掘り下げていきます。
直接感謝を受け取ることができる
介護の仕事にやりがいを感じる瞬間として多くの介護職が口にするのは、利用者に「ありがとう」という言葉をもらえたときです。
その瞬間に「やってて良かった」と感じるのです。
接客業などのサービス業ではお客さんと直接かかわることができるため、「ありがとう」の言葉をもらえる場面がありますが、他の仕事で感謝の言葉を直接もらえることは、あまりありませんからね。
たとえば、工場で物を作る仕事をしている人は、商品がお客様の手元に届いて喜んでもらっていても、それを直接目にすることはないですし、直接感謝を受け取ることもできません。
人にとって「感謝」というのは人生を豊かにするひとつのキーワードです。
感謝されることで、幸福感を得られる脳内物質が分泌されることが分かっています。
逆に感謝をすることでも脳内物質が分泌されて、幸福感や癒し感、リラックス効果などが得られます。
感謝の言葉は利用者、職員、お互いを幸せにできるのです。
他人の人生の締めくくりにかかわれる
介護の仕事は、人生の最終盤にかかわれる貴重な仕事です。
なぜなら、人生の良し悪しのほとんどは、最終盤の生活によって決まるからです。
たとえば、若いときはお金持ちだったのに、歳をとってから失敗して貧乏生活で終わるのと、若いときはお金に苦労したけれど、晩年にはお金に不自由しない生活を手に入れて死んでいくのと、どちらが幸せな人生と言えるでしょうか?
生涯に稼いだ金額が同じだとしても、最後に裕福な生活で終われた方が、良い人生だったと思えるはずです。
それは経済的なことだけでなく、過ごす場所や取り巻く人によっても変わってきます。
老人ホームで生活している人にとっては、介護職のサービスの質が高いか低いかで、人生の良し悪しが決まってしまうということです。
つまり、介護の質によって、人の人生をプラスにできるということですね。
責任重大でもありますが、やりがいを強く感じられることではないでしょうか。
経験を積むことでステップアップできる
介護の仕事の良いところは、現場経験を積むことでステップアップできるところです。
上司の評価に左右されず、自分の努力だけで資格を取得できるからです。
たとえば、介護福祉士やケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格は、現場での経験が条件を満たせば取得することができます。
あとは試験で合格するだけです。
介護福祉士の資格を取得すれば、資格手当がつく施設や事業所が多いですし、介護業界内で転職をする際にも有利になります。
ケアマネジャーの資格を取得すれば、介護職としての仕事を続けるか、介護職を離れケアマネジャーとしての仕事に移るか、選択できるようになります。
施設のケアマネジャーとして経験を積めば、施設の管理者としての道も開けます。
ここからは上司や会社の評価を上げる必要がありますが、管理者に通ずる道のスタート地点に立つことはできます。
介護の仕事をすることのメリットとは
介護の仕事はプライベートでもメリットになります。
メリットになるのは次のようなところです。
- 人間性を磨くことができる
- 家族の介護に技術や知識、経験を生かすことができる
掘り下げていきます。
人間性を磨くことができる
介護の仕事は専門用語で「対人援助技術」が必要となります。
人の生活を支援していくにあたって、相手の気持ちをおもんばかったり、理解したり、それに沿って行くことで信頼関係を構築していく必要があるからです。
「バイスティックの7原則」に代表される対人援助技術ですが、この技術はプライベートでの人間関係でも良い効果を得ることができます。
ちなみにバイスティックの7原則は次のような内容となっています。
- 個別化の原則・・・利用者の個別性を理解する
- 意図的な感情表出の原則・・・利用者の自由な感情表出のために意図的にかかわる
- 統制された情緒的関与の原則・・・統制された情緒的関与
- 受容の原則・・・利用者のあるがままを受け入れる
- 非審判的態度の原則・・・援助者の価値観によって利用者を非難しない
- 自己決定の原則・・・利用者の自己決定の尊重
- 秘密保持の原則・・・利用者に関する情報を不必要に漏らさない
7原則を守るためには、自分の価値観に対する理解であったり、それを横に置いて相手のあるがままを受け入れられる、いわゆる懐の深さであったり、自分の感情をコントロールしたりする必要があります。
人格的に優れていないと、なかなかできることではありません。
つまり、質の高い対人援助を実施するためには、自分の人格を磨く必要があるのです。
そして、この技術を活用することで、人の話しの聞き方や捉え方が変わります。
相手の立場に立って、相手の気持ちを尊重しようというスタンスで関わることができます。
そうすることで信頼関係などが得られ、人間関係が良くなります。
人生は人とのかかわりが豊かさにつながります。
介護の仕事を極めていくことで、プライベートな生活の充実にもつながるのです。
家族の介護に技術や知識、経験を生かすことができる
介護の仕事をしていれば、親など身内に介護が必要になったとき、生かすことができます。
基本的な知識や技術を持っているので、いざというときに困りません。
当たり前のことですが、人はだれしも歳を取り老いていきます。
親の介護には多くの人が直面するはずです。
その時に、介護の知識を持っていれば困りませんし、身内の安心感にもつながります。
ちなみに、初任者研修を受講する人の中でも、1~2割ぐらいは家族介護が目的です。
それがきっかけとなって、せっかく取得したのだから働いてみよう、ということで介護の仕事に進む人も少なくありません。
その他にも、地域の方々の相談にのることができます。
介護の世界にいると当たり前に感じますが、認知症の方が在宅生活を継続するための注意点や、認知症の方への接し方など、一般の人が知らないことは多いです。
介護サービスを利用するにしても、相談窓口すらまだまだ十分に認知されていません。
介護のプロが地域にいれば、心強いですよね。
まとめ
介護の仕事のやりがいとメリットについて書いてみました。
やりがいに関しては、非常に大きなものがあります。
だから、真剣に取り組めば取り組むほど、この仕事が好きになっていく人が多いのです。
身体的、精神的に負担が大きく、汚い仕事なのに給料が安くて割に合わないと言われますが、それを超える喜びが得られる仕事でもあるのです。
給料などの問題で介護業界を離れた人が、改めてこの仕事のやりがいに気づき、戻ってくるケースも少なくありません。
介護の仕事のやりがいを、多くの人に知ってもらえると嬉しいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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