夜勤が怖いという職員さんがたまにいます。
この場合の怖いは、利用者さんが急変したり、事故が起こったりしたらどうしようではなくて、心霊体験の怖いです。
おばけが怖くて夜勤をやりたくない人も、少数ながらいるんですよね。
怪談のような話しは、施設で働いていると、けっこうありませんか?
今回は心霊体験について書いていきます。
この記事の内容
施設の心霊あるある
施設でよくある心霊話しのパターンがありますよね。
- 元々お墓だったところに施設が立っている
- 亡くなった方の霊が出るらしい
- 職員の心霊体験
ご紹介していきます。
元々お墓(など)だったところに施設が立っている
施設の心霊あるあるとしては、施設が立てられた場所についてのお話しです。
「元々お墓だった」
「処刑場があった」
「犯罪者を留置して置くところだった」
「遊郭があった」
といった話し。
でも、過去の長い歴史の中で言うと、人の亡くなっていない場所なんてないでしょうからね。
亡くなった方の霊が出るらしい
お亡くなりになった利用者さんの思いが施設に残っていて、その霊が出るというお話しです。
病院や老人ホームは人生の最後をお迎えになるケースが多いですからね。
どうしてもそういった話しが出るのでしょう。
怪談が好きな人が作られるんだろうなと思います。
自分が接した利用者さんなら、幽霊でもお会いしたいと思う介護職もけっこういるような気がしますね。
職員の心霊体験
職員の誰かが不思議な体験をして、それが広まるパターンですね。
たくさんの職員がいると、中に霊感が強い人がいても不思議ではありません。
たとえば、夜中に足音を聞いたとか、人影が見えたとか・・・・。
介護職としては「あるある話し」ではないでしょうか。
【実体験】私が体験した心霊現象
次は私が実際に体験した心霊現象をご紹介します。
ちなみに、稲川淳二さんの大ファンですが、霊感は一切ありません(笑)
それでもちょこちょこと不思議な話しがありましたので、書いてみます。
- トイレにいないはずの誰かがいる
- 揺れるゴミ箱
- 兵隊さんがやってきた
- 遠くから聞こえる男性の叫び声
前情報として、私の働いていた施設は2人での夜勤でした。
ほとんど私と夜勤のパートナーが同時に体験しています。
それぞれ紹介していきます。
トイレにいないはずの誰かがいる
私の働いていた特養は従来型の施設でした。
フロア全体はコの字型になっていて、その中心辺りに食堂として使う共有スペースがあり、共有スペースを取り囲むようにある廊下に沿って部屋が配置されていました。
食堂の前にはスタッフステーションがありました。
スタッフステーションにはナースコールの受診盤があって、コールが押されると音と同時に部屋番のランプが点灯する形です。
介護職は、夜勤中なにもなければこのスタッフステーションで待機していました。
40名定員のフロアに、2人部屋が中心で14室、個室が8室、4人部屋が1室、という内訳です。
2人部屋と4人部屋の部屋の仕切りはカーテンでした。
そして、部屋の入口すぐのところに、トイレが1つずつ設置されていました。
その日の夜勤も大詰めを迎えた朝4:00過ぎ。
夜勤を共にしたパートナーと共に、最後の排泄介助をスタートしました。
コの字型に配置されている居室を、それぞれ端から順番に訪室し介助していきます。
そして、だいたい真中で落ち合って終了という形ですね。
私はいつもと同じように進め、4室目あたりの排泄介助を終了して廊下に出ると、反対側の廊下から排泄介助を進めているはずの相方が立っていました。
そして私の姿を見て「やっぱりこっちにいるよね」と怪訝そうな表情でそう言いました。
パートナー曰く、「2部屋目の対応をしている最中、ナースコールがなったので別の部屋に急いで向かったところ、対応していた隣の部屋のトイレに誰か座っていた。
トイレの入り口はカーテンがかかっていたけれど、数センチあいている下の隙間から足元が見えた。
その部屋には男性2人がいるが、2人とも自分でトイレに行くことはできないので、不思議に思った。
対応を終えて2部屋目に戻る途中、もう一度その部屋のトイレを確認すると、もう誰もいなかった。
部屋の男性2人は寝静まっているし、もしかして吉崎さんが使ってたのかも、と思ったの」
とのことでした。
もちろん私はずっと排泄介助していましたし、仮にトイレに行く場合も職員トイレを使います。(利用者さんには失礼ですが、その施設のトイレは扉がなく、カーテン一枚で仕切られているだけなので、とてもじゃないが使う気にはなれません)
その後もパートナーは「じゃあ、あれは誰だったの?」とずっと首をかしげていました。
誰がトイレを使っていたのでしょう・・・・。
揺れるゴミ箱
これも排泄介助の際に起こったことです。
その日も仕事は順調でした。
利用者さんもみなさん部屋に戻られ、良く休まれているようでした。
共有スペースには誰もおらず、静かな夜を過ごせていました。
23時になり、パートナーと共にルーティンの排泄介助に回ろうとした時です。
共有スペースを横切って、オムツや下正式を積むカートの準備をしにリネン庫に向かう途中、食堂のゴミ箱が目に留まりました。
食堂のゴミ箱はスイング式のふたになっています。
そのふたがゆらゆら小刻みに揺れているのです。
しばらく見ていましたが、揺れがおさまることはありません。
不思議そうに見ている私に気づいたパートナーも、同じくゴミ箱をしばらく見ていました。
その時間約30秒。
2人で顔を見合わせた後、私はスイング式のふたの揺れを手で止めました。
それからさらにしばらく見ていましたが、再び揺れ始めることはありません。
試しにわざとふたを揺らしてみました。
すると、ものの数スイングでぴたりと揺れは止まるのです。
「なんで揺れてたの??」
私たちはあらゆる可能性を考えて、調べました。
地震があって、それで揺れてたのかもしれない
誰かが来てゴミをほかしたのかもしれない
空調の風が当たっていたのかもしれない。
しかし、ニュースを確認しても地震が起こった事実はありません。
揺れるゴミ箱に気づくまでの間、私たちはそのゴミ箱が見えるスタッフルームに座っていて、誰も来ていないのは知っていました。
そして、その日は空調を使っていなかったのです。
背筋に寒いものが走ったのは言うまでもありません。
兵隊さんがやってきた
同じ施設の別のフロアの夜勤をしていた時の話しです。
そのフロアは認知症の方を専門にしており、特養という施設がら、深い認知症の方がたくさんおられました。
その日はいつものように、谷さん(仮名)というおばあちゃんが起きておられました。
小柄で愛想がよく、本当に昔ながらのおばあちゃんという感じです。
この方はしょっちゅう、夜通し起きておられました。
身体は元気なのですが、高齢ということもあり、転倒のリスクが高い方でした。
そして、深い認知症で、話しのつじつまはほとんど合いません。
仕事が一段落し、スタッフステーションでその日のパートナー、そして谷さんと過ごしていました。
三人でお茶を囲ったり、世間話をしたりして、有意義な時間となっていました。
そんな中、谷さんが突然話すのをやめ、50mぐらいある廊下の一番奥を凝視し始めたのです。
「谷さん」どうかしました?
「ほーら、兵隊さんがぎょうさん来よったで」
小声でボソッとつぶやかれました・・・・。
もちろん谷さんの施設の先に兵隊さんは見えませんでしたが、私たちはギョッとしたのです。
なぜなら、この施設の隣には、戦争で亡くなった兵隊さんを祀った神社があり、谷さんの視線の先にある扉の向こうは、その神社だったからです。
谷さんには本当に兵隊さんが見えていたのかもしれません。
遠くから聞こえる男性の叫び声
夜勤で仮眠をしていた時のことです。
その特養では二時間ずつの仮眠が設定されていました。
0時から2時、2時から4時の二回に分けて順番に仮眠をとることができます。
その日は私が後の仮眠となり、2時からスタッフステーションの奥にある部屋で横になりました。
10分ぐらい経った頃でしょうか。
うとうとし始めた私の耳に、遠くから「おーい、おーい」と叫ぶ声がかすかに聞こえた気がしました。
最初は夢か現実かの区別がつかないような状況でしたが、その声が少しずつ大きくなり、私の意識も次第にはっきりとしてきました。
そして、間違いなく窓の外から、年配の男性の声で「おーい、おーい」と叫んでるのが聞こえたのです。
「幽霊が呼んでるにちがいない。聞いたらいけないものを聞いてしまった」
そう思った私は恐怖で飛び起き、部屋から出てパートナーに声を掛けました。
「だれかが呼んでる声がする!」
必死にそう訴えると、パートナーはおかきを食べながら「認知症の利用者さんが寝られなくて叫んでおられるみたいですよ」とあっさり答えてくれました。
私が寝ていたスタッフルームの向かい、20mほど離れたところに別棟が建っており、その一室から認知症の利用者さんがスタッフルームに向けて大きな声で叫んでいたのでした。
よく見ると、スタッフが隣でなんとかなだめようと必死に対応していました。
びびり倒した自分がとても恥ずかしかったです(笑)
まとめ
介護職の夜勤あるあるのひとつ、心霊体験について書いてみました。
この世に幽霊がいるかどうか私にはわかりません。
でも、不思議な現象があるのは事実です。
ただし、これは老人ホームの夜勤だからではなく、日常に転がっていることだと思います。
4つあげましたが、実際に不思議なのは2つだけですしね。
最後まで読んでくださった方、くれぐれも夜勤が嫌にならないようお願いします。
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