介護職の退職理由1位が職場の人間関係です。人間関係の悪化がストレスになり、退職に至ります。
いちいち介護の方法に口を出してくる先輩職員や、年下なのに上から目線で話してくるリーダー。本当にストレスを感じます。
しかし、どの業種であっても、どの職場に行っても、性格が合わない人やかかわりたくないと思うような人が1人や2人いるものです。
つまり、職場をやめて新しい職場に行っても、同じ悩みを抱える可能性が高いと言えます。
どこに行っても同じということは、解決しようがないということですか?
いえ、まずは今の職場で解決できるよう、努めてみることが大切です
今回は職場の人間関係によるストレスの解決方法を書いていきます。
一人前に働けるようになるまで半年間耐える
入職して半年もすれば、利用者の名前、業務内容をほぼ把握することができます。
おむつ交換やお風呂の介助などもひとりでできるようになっているでしょう。
ここまでくれば、一人前のスタッフとして認められ、周囲から介助のやり方などに口を出されることは少なくなります。
また、スタッフの性格も把握でき、対応の仕方も見えてくるので、人間関係が改善されるかもしれません。
時間が解決してくれることもあるため、ひとまず様子を見ることも大切です。
相手の立場に立って考える
良い人間関係を作ろうと思ったら、相手をよく知る必要があります。
相手がどのような性格で、なにを大切にしていて、どんなことをされたら気分を悪くするのか、知ろうと努力することが重要です。
知ろうとすることは、理解しようとすることでもあります。
理解することを前提に接すると、相手の良いところにも目がいくようになります。
逆に、嫌な相手だと思って接していると、嫌なところしか目に入って来なくなります。
人には「自分の見たいものしか見ない」という習性があって、心が先に見るものを決めてしまうからです。
また、相手を知る手段のひとつとして「相手の立場に立って考える」というのがあります。
相手の立場に立って考えることは、より理解を深めようとする行為です。
その際に注意しなければならないのが「ものさし」です。
相手の立場に立っても、自分のものさしで考えてしまうと、相手の立場に立って考えていることにはなりません。
なぜなら、自分が同じような立場に立ったらどうするか、と考えているだけで、主が自分にあるからです。
相手の立場に立つということは、相手の立ち位置から、相手のものさしを用いて考えることです。
そうすることで相手への理解が深まり、良いところを認められるようになって、人間関係の改善をはかることができるかもしれません。
苦手な相手をひとづたいにほめる
相手の良いところを見ることができるようになれば、今度はそれを他の人に伝えてみましょう。
自分が「嫌だな」と思う相手は、相手も自分のことを「嫌だな」と思っている可能性が高いです。
その状態で直接相手を褒めたところで、気持ちは伝わりません。
しらじらしく感じられるかもしれませんし、下心があるように思われて、逆に関係性が悪くなってしまうこともあります。
しかし、他の人から「このまえAさんが、あなたの介護は勉強になるってほめてたよ」と聞くと、受け入れやすくなります。
おべんちゃらでは気分が悪くなりますが、きちんとほめられて気分を害する人はいません。
人間は、相手になにかされると、お返しをしたくなる「返報性の法則」を持っています。
返報性の法則とは、たとえば誰かにお土産をもらったら、そのお土産の返しをしなければならない、と思うことです。
同じように、自分をよく思ってくれている人には、自分も良い思いを持つことでお返しをしたくなります。
人の口を借りることになるので、相手に伝わるかどうか不確定な部分がありますが、多くの人に伝えることによって本人に届く可能性が高まります。
本人のいないところで悪口を言うのを陰口と呼びますが、逆にほめることを陰ぼめといいます。
ぜひ活用してください。
明確な目標をもち、達成することを重視する
目標達成に重きを置くことで、人間関係の問題が自分の中で小さなものになるかもしれません。
たとえば「最短で介護福祉士の資格を取得したい」と目標を立てたとします。
介護福祉士の資格を取るためには、3年間の実務経験が必要です。最短で取ろうと思ったら、ひとつの施設で3年間勤めることが一番手っ取り早い方法です。
他の施設に移るとなると、就職活動に時間がとられますし、スムーズに転職が進まず、新しい職場で働くまでの間に空白期間ができてしまうかもしれません。
また、介護福祉士試験を受験するための申込書には、実務経験の証明書を添付する必要がありますが、実際に働いた施設に証明書を書いてもらわなければならないため、複数の施設にお願いするという手間が増えます。
その他にも、転職すると1から人間関係を構築することになります。
新しい環境に移ることは精神的に負担となり、試験勉強にも影響を及ぼすかもしれません。
介護福祉士の資格取得を考えると、転職することで無駄な時間が増えることになります。
私の場合は「ケアマネジャーの資格を取得するまでは同じ施設で働き続ける」と最初から決めていました。
ですから、職場でなにがあっても、仕事を継続することができました。
リーダー(上司)に相談する
自分なりに努力をしても解決できないようなら、限界が来る前にリーダーに相談しましょう。
新人の場合、自分より他のスタッフの方がリーダーと付き合いが長いですから、相談しても悩みをわかってもらえないのではないか、相手の味方をするのではないかと不安になり、躊躇してしまうかもしれません。
しかし、きちんとしたリーダーならしっかり話しを聞いてくれ、問題解決の力になってくれます。
自分で抱え込んで、精神的につぶれてしまわないようにしましょう。
最終手段として転職する
リーダーに相談しても解決しないようであれば、転職という選択を取るのも良いでしょう。
精神的なストレスで、身体に影響が出るほどまで我慢する必要はありません。
介護業界は深刻な人手不足です。
今の施設を辞めても就職先はいくらでもあります。
また「だめなら転職したらいい」と考えることで気持ちが楽になり、余裕ができます。
心に余裕ができることで、人間関係の問題も受け取り方が変わり、改善することもあります。
まとめ
入職当初は仕事が十分にできませんし、覚えることも多くて大変だと思います。
介護の仕事は、業務内容、利用者のことに加えて、一緒に働く職員のことも知らなければなりません。
ここに人間関係の問題が入ってくると、精神的に疲れ切ってしまいます。
しかし、私の経験上、三か月継続できれば、ある程度落ち着いて仕事ができるようになります。
そして半年経てば周囲の状況が見えてくるようになり、ストレスもずいぶん軽減されるはずです。
車も電車も、動き始めにもっともパワーが必要です。
ですが、走りだせばそれほど力がいらないのと同様に、仕事も最初の数か月を乗り越えれば楽になります。
希望をもって進むようにしてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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