特別養護老人ホームの介護職として必要な能力と注意点とは

新人介護職関連

介護の仕事をするといっても、たくさんサービスの種類があって、自分がどこで働くのがいいのか悩みませんか?

特に未経験の方だと難しいですよね。

今回は、特別養護老人ホームの利用者の特徴や、介護職に求められることをまとめていきます。

就職や転職を考えておられる方は、参考にしてください。

ただし、あくまでも他のサービス形態と比較しての内容になりますので、誤解のないようお願いします。

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身体的、精神的な負担が大きい特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、介護職としてはもっとも身体的な負担が大きいと言えます。

「生活の場」として、施設の中でいかに利用者が求める生活を実現するか

特別養護老人ホームは「生活の場」とされていて、要介護高齢者が施設の中で、その人らしい生活を送れるよう支援する目的を持っています。

介護保険法上では、可能な方は自宅に戻って生活できるよう支援することとされていますが、基本的に一旦入所すると亡くなるまで生活することができます。

ただし、入所後に発症した病気により、特別養護老人ホームでは対応が難しくなると退所となります。

たとえば気管切開など、医療依存度の高い方については、対応できない場合があります。

寝たきりや深い認知症など、重介助が必要な利用者が多い

対象となる入所者は要介護3以上の介護認定を受けた方となっています。

主に身体の状態が悪く、ベッド上で長時間過ごす必要がある方や、足の力がまったく入らず、自分の身体を支えられない人など、身体的な介助を多く必要としている人が入所されています。

また、身体が元気でも、認知症が悪化して現状の理解が難しくなっている方も多くおられます。

こちらがお伝えしている内容がほとんど理解できなかったり、会話が成立しなかったり、といった方が多いです。

また、状況に関係なく気分を害され、怒ったり落ち着かなくなったりされる方がおられます。

体力や身体介護の技術、穏やかに過ごしていただくコミュニケーション技術が求められる。

利用者の身体能力が大幅に低下している特別養護老人ホームで、介護職に求められる能力としてはまず体力があげられます。

そして、身体的な介護技術や、気分を落ち着けられるようなコミュニケーション技術が必要となります。

まず体力についてですが、まったく足が立たない方も多くおられるため、身体を持ち上げての介助を必要とする場面が頻繁にあります。

また、認知症によって気分を害している方や、自分自身の身体機能の理解が正しくできずに行動し、転倒してしまうなどのリスクがあるため、コミュニケーション技術によって落ち着いて生活できる環境づくりが必要となります。

介護保険サービスの中でも、精神的、肉体的共にハードな施設と言えます。

言葉が荒くなったり、作業的な介助になったりしないよう注意が必要

特別養護老人ホームで働く介護職の傾向として、言葉遣いが荒くなってしまったり、業務中心の介護になってしまったり、といったことが見受けられます。

これは、利用者に認知症の深い方が多く、自己表現できる人が少ないことが要因と考えられます。

少々失礼な対応をしても、利用者からのクレームに発展しにくいからです。

またご家族としても「施設に嫌がられて追い出されては困る」という意識が強く働くため、こちらもクレームとなって現れることは少ないです。

また、多くの入所者を支援する必要があるため、一人ひとりの利用者にスポットを当てた個別ケアではなく、一日に必要な業務、たとえば入浴介助であったり食事介助などが、業務スケジュールに合わせて提供されるところが多いのです。

ユニットケアの導入は、業務中心の介護を改善するというのが目的のひとつでもあったのですが、その精神が十分に浸透されないまま、以前の従来型施設でのケアがそのまま行われているところも少なくありません。

環境によって影響を受けてしまうところは避けられませんが、利用者に対する尊厳を十分意識して、仕事に取り組むことが大切です。

どのようなサービス形態であっても、利用者の尊厳を守る介護は共通ですから。

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まとめ

介護職として働くにあたっての、特別養護老人ホームの特徴を書いてみました。

身体介助の技術や知識を得るには、とても良い環境であると思います。

一方で、一人ひとりにスポットを当てた個別ケアや、利用者の尊厳を守った言葉遣いなどのかかわり方については、損なわれる可能性もあるので十分注意が必要です。

他のサービス、たとえばデイサービスやグループホームに移った時に、特にマイナスポイントとして目立ってしまいます。

また、業務中心の介護に染まりすぎると、いざ時間ができて利用者と向き合える環境になっても、どうしていいかわからなくなります。

利用者とかかわるのではなく、業務をすることで時間を埋めてしまうのです。

本来の介護を見失わないようにしなければなりませんね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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