介護職を指導していても、なかなかできるようになりません。やる気も感じないし、成長する気がしません。どうしたらいいのでしょうか?
職員の成長はリーダーや指導を担当する職員にとっては必須の業務です。
しかし、これがなかなかむずかしいですよね。
自分ができるだけに、相手ができない理由が理解できなかったりします。
そのうち、心が折れてしまって、指導をあきらめてしまたり、相手にきつくあたってしまったり、陰口を言ってしまったり、といったことがあるのではないでしょうか。
今回の記事は「できない」と思ってしまったスタッフの見方を切り替える方法を書いていきます。
職員の見方を変える3つの方法
人は先入観で人やものを見てしまいます。
その人の学齢や経歴、そして最初に感じた印象やなどが先入観となります。
いちど見えてしまうと、そこから見方を変えるのは非常にむずかしくなります。
自分が感じた先入観に合致するように見てしまうからです。
それを変える方法を書いていきます。
- 趣味など、得意なことや好きなことに目を向ける
- 仕事上でできているところに目を向ける
- 職員の成長を信じ、未来の姿をイメージする
掘り下げていきます。
趣味など、得意なことや好きなことに目を向ける
仕事でなかなか成長できなかったり、やる気がもてない職員も、必ずべつの姿を持っています。
プライベートでの趣味や好きなこと、得意なことをしているときの姿です。
趣味や得意なことに対しては、だれしもがよろこんで取りくんでいますよね。
好きなことであれば、めんどくさかったり、むずかしい作業でも、自らよろこんでやりますよね。
それがお金にならなくても、関係なくやってしまいます。
職員のそういったことを把握し、そこから分析して、本人が同じようによろこびを感じられる役割を任せるのです。
たとえば、パソコンが趣味な人には、会議の議事録、施設のホームページやSNSを任せてみるのはどうでしょうか。
整理整頓が好きなら、スタッフルームのかたずけを任せる、分析することが好きなら、現場で起こる事故の傾向を分析してもらう、などですね。
ひとつでも自分がたのしんでやれることが見つかれば、仕事に対してのやりがいを感じられるようになるかもしれません。
そうすれば、相乗効果で苦手としていることに対しても、前向きに取り組めるようになったりします。
できているところに目を向ける
人はどうしてもできていないところに目を向けてしまいがちです。
しかも「できていない」と思って見るので、よけいに「できていない」ところが目につきます。
職員に成長してもらうためには、逆に「できるところを見つける」と意識して、職員を見るようにしてみてください。
ただ、意識するといっても、かんたんにはできないでしょう。
すぐにできるなら、だれも苦労しませんものね。
そこで有効な方法としては、「できているところ記録ノート」の作成です。
職員が「できている」ことを、ノートに書いていくのです。
さらに「毎日最低5個はノートに書く!」とノルマを決めると、いやがおうにもできているところに目を向けるようになります。
「書くことがない」と悩んでしまう人は、ほんのささいなことで大丈夫です。
「遅刻しないで出勤できた」
「早退しないで仕事ができた」
「あいさつができた」
といった「できてあたりまえ」ということでもいいので、書きこんでいきましょう。
目的はあくまでも良いところに目を向けるためなので。
職員の成長を信じ、未来の姿をイメージする
職員を指導する役割を担っている人は、どれだけ職員の仕事ぶりや成長ぶりが悪くても、成長を信じなければなりません。
指導する側が成長を信じなければ、職員が成長することはありません。
指導していくにあたっては、成長して仕事ができるようになった未来の姿をイメージして、かかわっていかなければならないのです。
人は自分の見たいものしか見えないので「職員の良いところを見る」のと同じく「職員は成長する」と思って見なければ、成長に気づくことができません。
また、人には「返報性のルール」があります。
相手がしてくれたことに対して、自分も返さなければならないと思うのです。
だから、指導者が職員を信じれば、相手はその信用に応えようとしてくれるようになります。
職員の成長のためには、指導者の信用が必須であるということです。
金魚から得た見方を変える大切さ
私の自宅には60cmの水槽が6個、90cmの水槽が1個、そして80ℓのトロ舟とよばれるプラスチックのケースが4個あります。
これらを使って、多いときで100匹ぐらいの金魚を飼育しています。
なぜこんなに金魚にはまってしまったのか・・・・。
金魚を飼いはじめたきっかけは、世の多くのかたと同じように、お祭りでしかたなく持ち帰ったことからでした。
しかし、水槽で飼いはじめたのはいいですが、早々に見あきてしまい、あつかいに困るようになりました。
水槽は場所を取りますし、定期的に水を替えるのが大変だし、かといって川に流すことはできないし、と処分に頭を抱えていたのです。
たどり着いた結論は、プラ舟を使って屋外のウッドデッキで飼うことでした。
これなら普段使っていなかったウッドデッキの活用になりますし、屋外ですから水を替えるものらくちん、それに場所も取らないし、と問題がすべて解決します。
ということで、あわれ金魚は屋外に追いやられる運命となったのです。
ところが、プラ舟で飼いだしてからびっくり!
水槽で横から見ていた金魚と、プラ舟で上から見る金魚とでは、まるで美しさがちがうのです。
尾びれの美しさがちがいますよね
また、太陽の光をあびればあびるほど、金魚の美しさが増していくのでした。
上の写真と同じ金魚の3ヶ月後
このときに私は思いました。
人も見方を変えれば魅力的に、そして適切な支援をすれば、より能力を発揮するのではないかと。
つまり、今見えているのは、あくまでも自分のフィルターを通した姿であって、その人の魅力的な姿を見る方法を、自分がわかっていないだけではないかという考えに至ったのです。
まとめ
職員を指導するにあたって必要な、見方を変える方法について書いてみました。
自分の価値観や先入観をとっぱらって、人の見方を変えるのはむずかしいことです。
しかし視点を変えることができれば、まったくちがう能力や魅力が見えてくるものです。
人を指導していくためには、多角的な視点から見れるようになる必要があります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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