今の会社を退職したいと思っているんだけれど、上司に引き留められるのがわかっているからなかなか言い出せないんだよね。強引にやめることもできるかもしれないけれど、できれば円満にやめたい。どうすれば気持ちよく辞められるかな。
こんな悩みを解決します
こんにちは、合同会社ハッピーアクトセミナー講師のせいじです。
今回は円満退職する方法について書いてきます。
この記事の内容
介護の事業所は7割近くが人手不足の状況です。
これからさらに採用がむずかしくなると考えられる中で、事業所としては1人でも辞めさせたくない、というのが本音です。
ですから、退職意向を伝えて、すんなり受理されることはほぼないと思います。
本当にやめようと思っている場合、退職の引き留めは精神的につらいものですよね。
今回の記事は、精神的なストレスをできるだけ少なくして、円満に退職できる方法について書いていきます。
ひとつ抑えておきたいのは、退職理由で嘘をつくとほぼ確実にばれるということです。
今後付き合いを続けていくつもりはない!と思っていたとしても、世の中は狭いのでどこでつながるかわかりません。
ですから、嘘をつかず退職するように心がけましょう。
個人的にはきちんと会社と向き合って、話し合って退職をした方がいいと思っています。
ただ、世の中にはどうやってもやめさせてくれない、という事業所もあるようなので、その場合の参考にしてください。
介護職の退職理由とは?
介護労働安定センターの調べによる、介護職の退職理由は次のようになっています。
- 結婚・出産・妊娠・育児のため(26.6%)
- 自分の将来の見込みが立たなかったため(15.6%)
- 職場の人間関係に問題があったため(15.4%)
- 収入が少なかったため(12.5%)
- 他に良い仕事・職場があったため(11.9%)
- 新しい資格を取ったから(9.5%)
- 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため(9.1%)
- 人員整理・勧奨退職・法人解散・事業不振等のため(8.5%)
- 自分に向かない仕事だったため(7.8%)
- 家族の介護・看護のため(4.3%)
別記事で分析しているので、そちらのリンクを貼っておきます。
良かったらご覧ください。
退職を事業所に伝える際におさえておきたい3つのポイント
退職を事業所に伝える前に、おさえておいた方がいいポイントがあります。
ここをおさえておくことで、円満に退職する理由をどう伝えるかを検討する際に役に立ちます。
- 退職したい理由はなにか
- 本当に退職したいのか
- 自分の退職理由に上司はどのように返してくるか
掘り下げていきます。
退職したい理由は何か
退職したい、という結論に至るには、理由がありますよね。
その理由を自分の中で明確化しておいた方がいいです。
なんとなく退職したい、となると、次の職場になにを望むのか、といった職場選びにも影響します。
そして、退職理由を聞かれた時にも、返答に困ります。
その結果、丸め込まれて退職できなかった、というケースになります。
ですから、退職したい理由を明確にしておきましょう。
ただし、本音の理由をそのまま伝えるかどうかは別の問題です。
本当に退職したいのか
「退職したい」に至るまでには、段階があります。
- 職場に不満を感じる
- 解決できるかどうか悩む
- どうしようもないとあきらめる
- 退職しよう!
この4段階になりますね。
退職を表明する際、どの時点でするかで落としどころが変わります。
1、2の段階の場合、職場の出方次第で残る余地がありますよね。
その場合、退職は駆け引きの材料となります。
改善の条件が期待できそうであれば残るし、そうでなければ退職するといった感じです。
ただ、私の経験上、それで残ってもうまくいくケースは少ないですね。
また、そこに昇給が絡んでくると、周囲の目が厳しくなる場合があります。
退職を駆け引きのネタに使って、自分だけ給料あげて!みたいに見られることがあるからです。
3,4の段階になると気持ちは固まっているので、できるだけ速やかに退職したい、というのが本音ですね。
ここまでくれば、あとはどう円満に、短期間で退職するか、が焦点になります。
自分の退職理由に相手がどう反応するか
退職の気持ちが固まっていたら、あとは自分の本音の理由に上司がどう反応するか考えましょう。
相手が改善の提案ができたり、考え直せ、と突っ込みが入れやすい理由だと、長引く可能性があります。
たとえば、人間関係の問題や、施設への不満については、改善を提案されてしまいます。
キャリアアップだと「頑張ればうちの施設にいてもできる」との話しになりそうです。
こういう場合は、突っ込みが入れにくい理由を考える必要があります。
介護職の円満退職がむずかしい理由
さて、円満退職がむずかしい理由は次の通りです。
- 会社が引き留めてやめさせてくれない
- 人員不足の中での退職は同僚の恨みを買う
掘り下げていきます。
会社が引き留めてやめさせてくれない
会社は「どうしても辞めてほしくない」と思っています。
それには次の理由が考えられます。
- あなたが優秀な人材だから
- 単純に人員不足
- 退職者が出ると上司の評価に影響する
だから、そう簡単に上司も首を縦に振りません。
そして、次のような言葉で引き留めにかかってくるはずです。
- 代わりが見つかるまで時間がほしい
- 退職すると利用者・同僚に迷惑がかかる
- 他の職場に行っても悩みは解決しない
- つらいことから逃げているだけじゃないか?
本当に退職したい場合、このような話をさえるとつらいですよね。
でも、人間勝手なもので、あっさり退職を認められると、それはそれで寂しかったりします。
自分は必要なかったのかしら、と悩んだりしてしまいますよね。
ほどほどに止めてもらえるのが一番いいですね(笑)。
人員不足での退職は同僚の恨みを買う
人員不足の事業所だと、同僚との関係にヒビが入る場合があります。
ひとりやめることで残る介護職に負担がかかるので、やめることに対して不満を感じてしまうのです。
ですから、退職理由については、同僚にもうまく伝える必要があります。
介護職はなぜ円満退職した方がいいのか
ここからは円満退職した方が良い理由を書いていきます。
個人的に介護の仕事は特に円満退職した方がいいと思っています。
その理由は次の通りです。
- 介護の業界は狭い
- 自分の気持ちの問題
掘り下げていきます。
介護の業界は狭い
事業所をやめて、同じ都道府県の介護事業所に転職した場合、研修などで以前の職場のスタッフに出会う確率はかなり高いです。
もめて退職すると、再会した時に気まずい思いをすることになります。
また、自分が直接会わなくても、他のスタッフを通して存在を知られる可能性があります。
その時に、退職の仕方がひどかった、なんて話をされると、思わぬところでマイナスの影響を受けることになります。
というわけで、極力きれいにやめた方がいいですね。
自分の気持ちの問題
やめるとはいえ、ある程度の期間働いていると、やっぱり愛着は残るものです。
その施設ともめると、後味の悪さを背負って生きていかなければなりません。
また、介護職としては、やめた後も利用者のことが気になります。
利用者の様子すら聞けないようなやめかたをしてしまうと、自分自身がつらくなりますね。
介護職が円満退職をする方法
ここからは円満退職をする方法を書いていきます。
退職理由については、本当の理由を馬鹿正直に伝える必要はありません。
たとえば、個人的に嫌な人がいて、どうしても我慢できずに退職する場合、それを正直に言う必要はないということです。
また、職場に対する不満なども同じくですね。
おさえておくべきポイントは次の通りです。
- 現在の職場では対応できない理由を伝える
- 退職時に嘘をついても大丈夫か?
- 会社や職場の批判的な話しはしない
掘り下げていきます。
現在の職場では対応できない理由を伝える
退職理由については、職場ではどうしても対応できない理由を伝えるのがベストです。
対応できるような内容だと、実際に改善されるかどうかは別にして、丸め込まれてしまう可能性があります。
ですから、会社も渋々納得しなければならないような理由を伝えることが重要ですね。
たとえば次のような内容です。
- キャリアアップのために違う事業所で働きたい
- 知り合いの事業所に誘われた
- 生活する上でもっとお金が必要
私の経験上では、「キャリアアップのために違う(施設)事業所で働きたい」と伝えることが、円満退職するには一番良いと考えています。
特別養護老人ホームで働いているのであれば「介護老人保健施設でリハビリや医療との連携を学び、在宅復帰に関わる介護をしたい」というのが理由になります。
内容がポジティブですし、事業所で提案できることもないので、引き留めにくくなります。
退職理由としては、これがベストでしょうね。
知り合いの事業所に来てくれるよう頼まれた、というのも、崩しにくい理由の一つです。
転職先に、今の会社ではどうすることもできない特別なつながりがあるので、仕方がない、となる可能性が高いです。
あと、お金の問題を伝えるのもありです。
たとえば子供の教育費にお金がかかるようになったから、とか、若い人だと近いうちに結婚を予定しているので、結婚した後の生活を考えるともっと給料がもらえる職場に行くしかない、と伝えるのです。
退職するからといって、ひとりの職員の給料だけ上げるわけにはいきません。
退職時に嘘をついても大丈夫か?
さて、退職理由を伝える際に、嘘をついても大丈夫なのでしょうか?
事業所によっては、嘘をついて突っ込みどころのない理由を伝えないと、どうやってもやめさせてくれない、といったところもあるかもしれません。
その場合は致し方ないかもしれませんね。
ただ冒頭でも書きましたが、冒頭時の嘘は、内容にもよりますがほぼ100%ばれます。
ですから、後々バレるのを覚悟で嘘をつくならいいかもしれません。
その場合、後で書くような問題が出ることをあらかじめ理解しておく必要があります。
会社や職場の批判的な話しはしない
退職理由を伝える際、会社や職場の避難、個人を批判することは避けましょう。
改善を望んでいないのであれば、批判する意味がないからです。
会社や上司に悪い印象を与え、自分のマイナスになるだけです。
ただ良い上司は、退職の際の理由が職場にあるならば、新たな退職者が出ないように改善したいと本気で考えます。
ですから、信頼関係がある程度あるならば、伝えるのもいいでしょう。
この場合も「~だからダメ」ではなく「~したらよくなる」といったポジティブな言い方で伝えた方がいいですね。
介護職が退職理由で嘘をついた場合バレたら・・・・
どうしても退職させてもらえないから、ということで、嘘の退職理由を伝えることが考えられます。
嘘をついて退職すると、どこかで会った時にまた嘘をつかなければなりません。
嘘は自分の心を苦しめることになるので、できればつかない方がいいです。
仮に次のような嘘をついて退職した場合、どのような影響があるのかを書いていきます。
- 家庭の事情
- 引っ越し
- 転職(他の業界)
- 結婚
- うつ(病気)
掘り下げていきます。
退職理由の嘘①家庭の事情
両親や祖父母が病気で看病しなくてはいけない、といったことを退職理由にした場合ですね。
職場が地元から遠く離れていれば問題ないですが、近くであればいずれバレる可能性が高いです。
たとえば、自分が退職した後に、地元の別の人が入職したとします。
地元の話題であなたの話しが出るかもしれません。
その時に、両親や祖父母が健在であることが伝わることになります。
田舎であればあるほど、バレる可能性が高まりますね。
退職理由の嘘②引っ越し
引っ越しを理由にする場合、今いる職場に通うのがむずかしくなるほど離れていないと退職理由になりませんよね。
本当に引っ越しするならいいですが、嘘である場合、同僚の目を気にしながらしばらく生活することになります。
無駄な神経を使わなくてはならなくなるので、理由にするのはやめた方が賢明ですね。
退職理由の嘘③転職(他の業界に)
他の業界に転職するといって退職し、結局介護職歳て働くというケースですね。
同県内で転職すると、ほぼ100%バレます。
介護業界は狭いので、情報が回りやすいです。
友達の友達が友達、なんてケースは多いので、すぐにバレなくても、いずれバレると覚悟しておいた方がいいですね。
退職理由の嘘④結婚
結婚をするといって嘘をついた場合も、その後肩身の狭い生活を強いられる可能性があります。
めでたいことなので、同僚は遠慮なく話題にするでしょう。
そして、一番困るのがお祝いをされることですね。
本当にお祝いの気持ちを持ってくれている人に対して、裏切り行為になる嘘ですので、やめた方がいいですね。
退職理由の嘘⑤うつ(病気)
うつなどの病気を理由にするのも避けた方がいいです。
そもそも本当にうつやその病気で苦しんでいる人に失礼ですしね。
バレた場合に人間性が疑われます。
まとめ
介護職が円満退職する方法について書きました。
人手不足の影響か、事業所をやめさせてもらえない、という介護職の声を時々耳にすることがあります。
その中で、自分の意志を通して、さらに円満に退職するのは、けっこう難しいことなのかもしれません。
その上で、嘘をつかず、跡を濁さずに退職できる理由を書いてみました。
一時的に険悪な雰囲気になるのを避けられない場合もあると思います。
しかし、きちんと向き合って退職を伝えれば、時間が解決してくれるでしょう。
次の職場にスムーズに行けることを祈っております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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