職場でいじめがあります。特に新人さんが対象になることが多いです。いじめをなくす方法はないでしょうか?
こんな悩みを解決していきます。
この記事の内容
介護職の退職理由、第1位は「人間関係の問題」となっています。
そして、よく聞くのが職場で陰湿ないじめをされたという話しです。
リアルに聞いたことがありますし、インターネットでもそのような話しがたくさん出ています。
どうして介護職の現場でいじめの問題が起こるのでしょうか?
その理由は、介護職に劣等感を抱えている人が多いからです。
劣等感を抱えるとどうしていじめにつながるのか、その解決方法を書いていきます。
職場のいじめの原因は劣等感
職場のいじめの原因は劣等感です。
劣等感を持っているということは、自己否定をしている人が多いということですね。
つまり、自分に自信が持てないのです。
ではなぜ劣等感がいじめにつながってしまうのでしょうか?
人間は本能的に自分を守ろうとします。
なにかミスがあったときに責めてはいけない理由は、自分を守るために「いいわけ」をしてしまうからです。
本当は反省し、自分がわるいと思っていても、責められると自分を守ろうとして、思いつくいいわけが自分の頭を覆いつくしてしまうのです。
それと同じように、人は自信がないことがらを人に説明したり、理解してもらおうとすると、どうしても精神的にかまえてしまいます。
説得させられるほどの力がないと思っているので、相手の言い分を受け止めることができません。
だから、相手の反論に対して感情的に対応し、人の意見をおさえつけようとしてしまいます。
人をいじめる流れとしては同じような感じです。
自分で自分の価値を認められない、肯定できないので、他の人を落とすことによって自分の価値を高めようとします。
それがいじめにつながるのです。
介護職に劣等感を感じている人が多い理由
介護職の中に劣等感を感じている人が多い理由は、次のことが考えられます。
ひとつめは給料の安さが影響しています。
同年代の人たちよりも給料が低いことが、劣等感につながるのです。
特に結婚している男性の場合、収入に対する意識が強い人が多いはずです。
妻に対して、子供に対して、他の家庭でできることが、自分の稼ぎではむずかしいと感じると、劣等感につながります。
次に、社会的な評価が低いことがあげられます。
「介護職は誰にでもできる仕事」というイメージがあり、他の仕事で正社員として雇ってもらえない人でも、介護職なら雇ってもらえるという傾向があるため、劣等感につながります。
そして、生活のために介護の仕事を仕方なく選んだ人は、上のふたつの理由とあいまって、劣等感を強く感じるようです。
介護の仕事をやりたいわけじゃなかったが、生活をしてかないといけないので、正社員で雇ってもらえる介護職を選んだというケースですね。
劣等感を感じるとどうしていじめが起こるのか
劣等感を感じるといじめが起こる理由は、次の通りです。
劣等感を持っている人、つまり自己肯定感の低い人は、他の人から奪うことで自己肯定感を高めようとします。
自分に自信がないため、努力してなにかをなしとげようと考えられず、自らの力で肯定感を高めることができないのです。
ですから、他の人に愚痴の賛同を強要したり、会社に対する批判に同調を求めたりします。
このような人は、会社で決まったルールに対しても、素直に応じない傾向が強いです。
それに従わないことで自分の価値を見出そうとします。
こういった行動によって、リーダーは頭を悩ませることになります。
ストレートに注意すると、ますます自己肯定感が下がり、それを埋めるために他のスタッフにどれだけ自分が正しいか、リーダーがどれだけまちがったことを言っているかを、説明して回ったりします。
また、自己肯定感を高めるためには、他の人よりも自分の方が優れていると感じられる状況が得られれば満たされることになります。
相手を否定したり、相手の足を引っ張ったりすることで、相手の状態を下げ、自分の立ち位置を高めようとするのです。
たとえば、自分よりも経験があり、仕事もできる新入社員が入ってくると、仕事がスムーズにできないよう、業務を教えないようにするなどの行動をとります。
そして、他のスタッフに新人の悪口を言い、新人の立場を下げることによって自己肯定感を高めようとするのです。
いじめを解決する方法
いじめをなくしていくために、次の方法があげられます。
- 相手が重要と感じるような役割を持たせる
- リーダーや他のスタッフがその人を承認する
- 職員全員で協力しないと達成できないような目標を作る
上記の3点を掘り下げていきます。
相手が重要と感じるような役割をもたせる
いじめをなくすためには、いじめをするスタッフの自己肯定感を高めるようにすることがポイントです。
自己肯定感が高まれば、他者から奪う必要がなくなるからです。
「自分はこれでいいんだ、これが自分なんだ」という自己肯定感を持つことができれば、周囲と自分を比較しなくなります。
そうなると、周囲のことを認め、受け入れることができるようになるのです。
自己肯定感を高める方法として具体的なのは、本人が重要と感じる役割を担ってもらうことです。
ここで大切なのは、リーダーが感じた、実際にフロアで重要とされる役割を持たせるのではなく「本人が重要な役割を担っている」と感じられるものをもってもらわなければならないということです。
リーダーや他のスタッフがその人を承認する
自己肯定感が低い人は「所属と愛の欲求」や「承認欲求」を求めています。
なぜなら、自分で自分の価値を肯定でいないので、他の人から満たしてもらう必要があるからです。
組織の中で自分が必要とされている、認められていると感じると、自己肯定感は高まります。
先に書いた、チームの中で役割を担うこともそうですし、その役割を担う中で、その仕事ぶりなどを周囲が承認する、つまり認めてあげることが必要です。
仮に結果が出ていなくても、その役割を担おうとしてる、向き合っていることを認めてあげることで、承認の欲求は満たされていきます。
そうすると、自分より弱い人から奪う必要がなくなり、いじめることがなくなります。
職員全員で協力しないと達成できないような目標を作る
チームの人間関係をよくするためには、目標も大切な要素となります。
メンバーが協力し合わあいと達成できないような目標を作り、それを目指すことが個人の利益にもつながることがわかると、チーム全体で協力しようという空気ができていきます。
ひとつの目標にチームが一丸となると、メンバーの関係性はおのずとよくなっていくのです。
ポイントととしては、目標達成に向けて取り組む中で、メンバーがひとつの成果を競うような状況を作らないことです。
AとBの職員が同じ成果を目指して競争することになると、優劣が出てしまいます。
優劣が出ると、一方が勝ち、もう一方は負ける状況になります。
負けた方が劣等感を感じ、チームに不満を持ってしまう可能性があります。
それに、成果を出さなくても、相手をさげることで自分が相対的にあがることになるため、足の引っ張り合いをする可能性があります。
ですから、競争は別の成果に向けた達成具合で発生する方が良いのです。
そうすれば相乗効果が高まり、人間関係も悪くならずに済みます。
まとめ
介護職の職場のいじめについて書いてみました。
介護の仕事は利用者の気持ちを考え、両者を主体にして支援する仕事です。
相手の立場に立って、相手が求めていることを考える専門職でもあるわけです。
ですから、本来であれば人間関係が良い職場であってしかるべきなのですが、実際はそうではありません。
その原因が今回の記事のテーマである劣等感、つまり自己肯定感が低い人が多いから、という理由です。
自分を肯定できない人が、他人が人生を肯定するための支援をするのはむずかしいと思います。
ですから、良い支援、良い介護をするためには、自己肯定感を高める必要があります。
メンバー全員にとって働きやすい職場を作るためにも、みんなで協力して、それぞれの自己肯定感を高めていくようにしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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