介護のチームワークを高める6つの方法

組織・チーム作り

チームケアを考える介護リーダー「介護の仕事はチームケアだと言われているよね。チームワークを高めるには、どうすればいいんだろう。チームワークが向上する方法を知りたいな。

こんな悩みを解決します。

この記事の内容

  • チームワークがサービスの質を決める理由がわかります。
  • チームワークを向上する方法がわかります。

この記事の信用性

筆者の情報

  • 現在チームワーク向上のセミナー講師をしている
  • 介護施設の管理者を6年間経験している
  • 年間退職者14名→2名を達成

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介護の仕事はチームケアによって提供され、チームワークがサービスの質に大きな影響を与えます。

つまり、介護サービスの質はチームワークの向上によって上がるということです。

では、チームワークはどうすれば高めていくことができるでしょうか。

今回の記事は、チームワークを高める方法について書いていきます。

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介護のチームワークを高める7つの方法

チームワークを高めるために必要なポイントを紹介します。

まとめると次の通りです。

 

  • 事業所の理念を共有する
  • 価値観の違いを受け入れる
  • コミュニケーション(相互理解)を深める
  • 得意分野を活かす
  • 情報を共有する
  • プラスの言葉で風土を作る

掘り下げていきます。

事業所の理念を共有する

  • 理念はチームの存在意義となる
  • 共有することで事業所の一体感が生まれる
  • サービスを提供する際の判断軸となる

介護事業所に限らず、理念は会社の存在意義を示すものです。

この理念を実現するために会社はあるからです。

だから、所属するスタッフは、理念の実現のために働く必要があるということです。

逆に理念がないと、スタッフはどこを目指して仕事をしていいかわからなくなります。

道が示されていないと、スタッフは個々で作ろうとします。

そこで価値観がぶつかり、人間関係の悪化をまねくのです。

目的を理解しすべてのスタッフが共有できていると、価値観がぶつかったとしても理念を軸に判断することができます。

そして、理念や目的達成のために進むべき手段の選択ができるのです。

また、共通点が人の関係を深めやすくするように、同じ目的を持つことでチームの一体感が生まれるのです。

価値観の違いを受け入れる

  • 価値観は過去の経験や体験からできている。
  • 人によって物のとらえ方が違う
  • どちらが正しいではなくどちらも正しい

チームワークを高めていくためには、チームメンバーがお互いの価値観や考え方を認め、受け入れなければなりません。

人間関係が悪くなるのは「自分が正しい、相手が間違っている」と考えることが原因だからです。

たとえば、たい焼きを食べるとしましょう。

食べ方は次の3パターンに分かれます。

  • 頭から食べる人
  • 尻尾から食べる人
  • 真ん中で割って食べる人

それぞれの食べ方の理由としては、次のようなことがあげられます。

  • 頭から・・・・あんこがいっぱいつまっていて、ひと口目からおいしい
  • 尻尾から・・・・最後においしいところを取っておきたいので、まずは尻尾から。
  • 真ん中から・・・・2回もあんこたっぷりから始められる

目的は「たい焼きを楽しむ」ということで、その過程は人それぞれです。

頭から食べるのが正解、とか、真ん中で割るなんて邪道、というそれぞれの理由はありますが、全部正解です。

それぞれの価値観で決めればよい話ですよね。

仕事も同じように、目的、目標の捉え方や考え方は、人それぞれの価値観による、ということです。

それを批判したり、正そうとすることはナンセンスなのです。

つまり正解は、お互いの考え方を受け入れて、目標達成のために協働することですね。

なお、相手の気持ちを理解するために「チームワーク向上に必要な相手に心の矢印を向けるとは」もぜひご参照ください。

コミュニケーション(相互理解)を深める

  • 相手を知り自分を知ってもらう
  • なにをしてほしいかを考える
  • 相乗効果で質が向上する

チームワークを高めるためには、チームメンバーの互いの理解も大切です。

理解しあうことで、相手の思考、行動パターンが見えてくるからです。

このケースではこう考えるだろうな、そしてこういう行動をするだろうな、とわかれば、動きやすくなりますよね。

コミュニケーションとは、日本語に訳すと相互理解という意味になります。

つまり、お互いを理解するために会話をしたり、時間を共有するのです。

で、コミュニケーションで一番重要なのは、実は「自分を知ること」です。

相手を知るためには、前提として自分を知らなければなりません。

自分のことは自分が一番知っているよ!

という意見があるかもしれません。

たしかにそうかもしれませんが、ここでいう「自分を知る」は、自分が人を見る際の価値観を知る、ということです。

人は自分の見たいようにしかものごとを見ませんし、人に対しての評価も同じくです。

ですから、フラットに見るためにも、自分の人を見る目にどのような傾向があるかを知っておかなければならないのです。

そうでないと、自分の都合の良いように思い込んでしまいます。

つまり、相手が思う相手の気持ちを正しく受け取れなくなるのということです。

コミュニケーションの第1歩として、自分にフォーカスしましょう。

得意分野を活かす

  • 人の違いを生かす
  • 得意分野であればさらに力を発揮できる
  • 個の集合がチーム

人はそれぞれ異なった特性を持ち、得意、不得意があります

それぞれの特性を生かして役割分担することで、チームは強くなります。

誰しも得意なことをするときの方が、不得意なことをするときよりもやる気が出るし、仕事もはかどりますよね。

たとえば、身体を使った仕事が得意な人もいれば、書類を処理する、計画を立てる、ということが得意な人もいます。

みんなが同じことをしなければならない、というのではなく、みんなの得意分野を活かしあう、ということで、チームのパフォーマンスが向上するのです。

情報を共有する

  • 情報共有で切れ目のないサービスを
  • 情報共有で統一したサービスを
  • 目標に向かうことで達成できる

業務においてのチームワークとしては、情報共有が重要ですね。

利用者の課題、残存能力、日々の変化の共有が、サービスの質に影響します。

チームが同じ方向に向けてサービスを提供していかなければ、利用者の求める生活の実現はできないからです。

最近は情報管理をパソコンのソフトによって行い、以前のように紙に書いたり、口頭で申し送るということをしなくてよい事業所が増えました。

とても便利で効率的になっていますね。

しかしその一方で、書く、口で発信する、というアウトプットをしなくなった分、記憶に残りにくくなっているのも事実です。

パソコンで打つ行為は書くよりも労力を要しないため、記憶にインプットされにくいのです。

加えて、職員同士のコミュニケーションの希薄さにつながることもありますね。

以上の問題から、口頭での申し送りは必要だと思っています。

プラスの言葉で風土を作る

  • 愚痴や陰口は自分に返ってくる
  • モチベーションを落とさないために
  • 良い言葉は自分の世界を変える

チームワークを高めるためには、スタッフがポジティブな思考を持ち、発信をすることが必要です。

言葉はチームの雰囲気を作り、風土を作ることになるからです。

たとえば、ネガティブな発言ばかりの職場だと、新しいことをしたり、むずかしいことにチャレンジする風土にはなりません。

むしろ、スタッフ全員の仕事への意欲をそぐことになります。

その結果、生産性が低下してますます仕事が大変になります。

クレームに発展したり、お客さんがいなくなって営業活動をしなくてはいけなくなったり、ということが起こりえるのです。

ポジティブな言葉が交わされる職場だと、仕事へのモチベーションが上がり、生産性も上がります。

そして、スタッフそれぞれの成長にもつながります。

言葉はとても大切ですね。

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介護のチームワークを高めなければならない4つの理由

介護現場ではチームでケアを提供することが必要であり、サービスの質を上げるためにはチームワークの向上が不可欠です。

チームワークが重要な理由をまとめると次のようになります。

 

  • 切れ目のない支援が求められる
  • 誰が対応しても必要な支援ができる
  • スタッフ同士が支え合い、活かし合うために
  • 介護職の人間関係が利用者に伝わる

掘り下げていきます。

切れ目のない支援が求められる

  • 利用者の生活は24時間365日
  • 介護職は交代制で対応する
  • 情報共有しなければならない

介護の仕事はひとりの利用者の生活に対して、複数の介護職が関わって支援します。

当たり前ですが、利用者の生活には24時間365日、切れ目のない支援が必要だからです。

しかし、1人の介護職がずっと支援をすることは不可能です。(そう考えると家で介護をするご家族の大変さがわかりますね)

ですから、複数の介護職が情報を共有しながらチームとして支援する必要があります。

誰が対応しても必要な支援ができる

  • 利用者の課題は介護者によって変わらない
  • 利用者の「できる」「できない」を統一
  • 情報共有が質の決め手

利用者の生活の課題や、利用者の身体状況、残存能力による「できる」「できない」は、本来、誰が支援しても同じです。

介護職によって利用者の状態が変わるわけではないからです。

逆に、変わってしまうということは、支援者が残存能力を活用できていないか、信頼関係の不足により、精神的な支援が十分できていない、ということになります。

介護職のプロが支援するにあたっては、どの介護職が支援しても、同じサービスを提供できなければなりません。

つまり、情報の共有により利用者を把握し、必要な支援が行えるよう、信頼関係を構築しなければならない、ということです。

スタッフ同士が支え合い、活かし合う

  • ひとりで抱え込まなくてよい
  • 人には得手不得手がある
  • 利用者との相性がある

とはいえ、介護職も人間です。

だから、すべての介護職が完璧に同じサービスを提供できるとは限りません。

得手不得手がありますし、利用者との相性もあるでしょう。

たとえば「A介護職がお孫さんに似ているので、B利用者はとても親近感を感じ、心を開きやすかった」ということが起こり得ます。

また「A介護職の特性が、B利用者にぴったりマッチした」ということもあり得ます。

逆に「C介護職は嫌いな人に似ていて、B利用者は心を開けない」というケースも考えられます。

そんなときは、A介護職が優先的にかかわり、C介護職は他の利用者の対応に当たる、というのがいいですよね。

一定レベルで誰に対してもサービスが提供できるスキルは必要ですが、特別なケースについては役割分担をし、良い形をとるのがベストです。

介護職の人間関係が利用者に伝わる

  • 場の雰囲気を作るのは人間
  • 人間関係が雰囲気を作る
  • 関係性が良いと雰囲気が良くなり相乗効果が期待できる

介護職同士の関係性は、介護現場の雰囲気に影響します。

言葉の端々や態度に、相手に対しての感情が現れるからです。

良好な関係であれば会話も多くなり、自然と笑顔の場面も増えます。

連携も取りやすくなり、動きも良くなるでしょう。

しかし、逆だと「ギスギスした雰囲気」が出てしまいます。

多くの人がそうであるように、利用者もその雰囲気を敏感に感じ取り、その場にいるのが辛くなります。

なので、チームメンバーの関係性を良くすることは、利用者の満足度を上げるために、とても重要な要素になります。

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まとめ

介護におけるチームワークの重要性とその理由、そして高める方法について書きました。

介護の仕事はひとりではできない仕事です。

ですから、チームメンバーの関係性を良くし、協働して目標の達成に当たることが、サービスの質を向上していく鍵になるのです。

利用者との信頼関係も重要ですが、職員同士の信頼関係も非常に重要ということですね。

というわけで、チームワークの向上に向けて、できることから取り組んでいきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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