レスパイトケアについて知りたい人「レスパイトケアについて知りたい。介護者の負担を軽減するから支援として、レスパイトケアがあるよね。具体的にどのようなことなのか詳しく知りたいな」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。介護の仕事を20年以上しており、現在は介護の研修の講師やコンサルタントの仕事をしています。
さて、介護が必要な高齢者が自宅で生活を続けるためには、家族の介護が重要になります。状態が悪くなって介護の量が増えてくると、たとえ介護サービスを利用したとしても、家族の介護がないと在宅生活を続けるのは困難だからです。
しかし、自宅で介護をするのは精神的にも肉体的にもストレスがかかります。ですから、長期間介護を続けるためには、家族の介護負担を軽減することが必要なんですね。
家族の介護負担を軽減することを、専門用語でレスパイトケアと言います。
というわけで、今回はレスパイトケアとはなにか、そしてレスパイトケアで利用できる介護サービス、さらにはそれ以外のレスパイトケアについて解説していきます。
介護者の負担軽減!レスパイトケアの意味や目的を解説します
では、レスパイトケアについて見ていきましょう。まずはレスパイトケアの意味や目的をおさえていきたいと思います。
レスパイトケアの意味や目的は?
レスパイトケアのレスパイトを辞書で調べると、一時中断、小休止、猶予延期、一時預かりという言葉が並んでいます。
そして、ケアとは介護や世話という意味になりますから、レスパイトケアとは介護を一時中断する、小休止するという意味になります。
自宅で介護をしている介護者が、介護をお休みする機会を作ることを、レスパイトケアと言うんですね。
それにくわえて、大きな意味合いとしては、介護者の負担軽減があります。つまり、介護をお休みすることもふくめて、介護者の負担を軽減できる支援全体が、レスパイトケアになります。
在宅生活を続けるにはレスパイトケアが重要
介護が必要な高齢者が自宅で長く生活をするためには、家族の介護が欠かせません。特に認知症の方だと、家族の支援がないと長く自宅で生活するのは困難です。
とはいえ、介護は身体的にも精神的にも負担が大きくなります。24時間365日、継続する必要があるからです。また、先が見えない苦しさもあります。
家族自身の生活や人生がある中で、ずっと介護に従事しないといけない、頭を悩ませていないといけないのは、とても大きなストレスになります。
途中で精も根も尽きてしまって、介護が続けられないという状況であったり、虐待につながってしまうこともあります。ですから、休み休み行っていかなければなりません。
介護者の中には、介護を休むことに抵抗を感じる人もいるでしょう。他人に介護を任せて、自分は楽をしている、と思ってしまうからです。
しかし、適切にレスパイトをすることは、結果的に要介護高齢者が自宅で生活できる期間をのばすことができるのです。
レスパイトで使える介護保険のサービス
レスパイトケアの重要性について見てきました。ここからは、レスパイトケアで使える介護保険のサービスについて紹介していきます。
介護保険は、介護が必要な高齢者の支援だけではなく、高齢者の介護を担う家族を支える視点も備えています。
代表的なサービスをまとめると、次のようになります。
レスパイトケアで利用できる介護保険のサービス
- ホームヘルプ(訪問介護)
- デイサービス(通所介護)
- ショートステイ(短期入所生活介護など)
掘り下げていきます。
ホームヘルプ(訪問介護)
ホームヘルプサービスとは、ヘルパー(介護職)が自宅に訪問し、身体介護、生活援助を提供するサービスです。
家族に代わって、介護職が専門的な知識、技術を持ってそれぞれの支援をしてくれるんですね。ですから、家族はヘルパーが来ている間、介護を休むことができます。
身体介護とは、直接高齢者の身体に触れて行う支援のことをさします。具体的な内容をまとめると、次のようになります。
いっぽう、生活援助とは家事援助とも呼ばれ、日常生活の家事を支援してくれるサービスです。こちらも具体的な内容をまとめておきます。
生活援助については、原則、支援対象である「要介護高齢者に日常的に必要な家事の支援」という縛りがあります。ですから、同居している家族がいる場合はいろいろ制限がかかってきます。
デイサービス(通所介護)
デイサービスとは、介護が必要な高齢者を日中預かり、施設で介護を提供するサービスです。家と施設間はデイサービス事業所が送迎をしてくれます。
そして、食事、入浴、排泄などの支援や、レクリエーション、機能訓練といったサービスを受けることができます。
家族は、要介護者がデイサービスに行っている間、介護から離れ自分の時間をもつことができるようになります。
ショートステイ(短期入所生活介護など)
ショートステイとは、宿泊サービスです。要介護者が短期間施設に入所している形で、必要な介護が受けられます。
ショートステイを利用している間、家族は完全に介護から離れることができ、夜間ゆっくりと休めたり、また旅行や冠婚葬祭などで家をあけることができます。
その他のレスパイトケアについて
次に、介護保険以外のレスパイトケアについて見ていきましょう。
レスパイト入院
医療の支援として、レスパイト入院があります。レスパイト入院とは、一時的に入院することによって、家族の介護負担を軽減する支援です。
「病状は安定しているものの、在宅で医療機器などを利用していたり、何らかの医療的処置を要する方や常時の介助を必要とする方」が対象となります。
医療的な処置が必要になってくると、状態によっては介護保険のショートステイでの受け入れが困難になることがあります。
介護施設では、病院ほどの医療体制が整っていないからです。そのような方の選択肢になってくるのが、レスパイト入院というわけですね。
専門職による家族へのレスパイトケア
レスパイトケアは、サービスの利用によって、家族の介護負担を軽減することだけをさすのではありません。
次のようなこともレスパイトケアに当たります。
その他のレスパイトケア
- 家族の悩みや愚痴などを聴いて、精神的な負担を軽減する
- 介護技術の指導により、家族の介護技術を高め負担を軽減する
- 要介護高齢者の介護量を軽減する
介護から離れて負担を軽減する、リフレッシュする、というものの他に、悩みや愚痴を吐き出すことによって精神的な負担が軽減されます。つまり、話しを聴いて介護者の精神的ケアをすることもレスパイトケアのひとつとなります。
また、家族の介護技術を高めることも、結果的に介護の負担を軽減することになります。適切な技術、方法を用いて介護をすることにより、負担が軽減できるからです。
さらに、レスパイトケアでサービスを利用している間に、要介護高齢者の状態改善を行い、負担を軽減するという視点もあります。
たとえば、認知症の方の徘徊の症状を改善するといったことです。徘徊は、自宅では目が離せない状態となります。自宅を出て帰ってこれなくなる可能性があるからです。
認知症の方がひとりで自宅を出てしまうと、状態によっては交通事故などのリスクも高くなります。ですから、常時見守っておく必要が発生し、介護負担が大きくなるのです。
徘徊の症状を改善することができれば、劇的に介護の負担が軽減される可能性があります。こういったこともレスパイトケアのひとつになります。
介護者の負担軽減!レスパイトケアの意味や目的を解説します:まとめ
レスパイトケアの意味や目的、利用できるサービスについて書きました。
この記事をまとめます。
レスパイトケアとは
- 介護者の負担軽減を目的とした支援
- 要介護高齢者が自宅で生活を続けるためには、家族の支援が重要
- 継続して生活を続けるためには、介護者がつぶれてしまっては不可能
- 介護保険では、訪問介護、デイサービス、ショートステイが代表的なサービス
- 医療的な対応が必要な方は、レスパイト入院がある
- 介護者の悩みや愚痴を聴くなど精神的な支えもレスパイトのひとつ
- 介護者の介護技術の向上、介護方法の習得もレスパイトにつながる
- 認知症の症状改善も介護負担の軽減になる
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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