会社の方針に悩むスタッフ「会社の方針が理解できないんだよね。だからストレスがたまる。自分の考えは間違っていないはずだし、こちらのやり方の方がスタッフも利用者も喜ぶと思う。それなのに会社ってどうしてこんな考え方しかできないんだろう。やめるしかないのかな」
こんな悩みを解決します
この記事の内容
会社の方針が理解できなくて悩んだり、怒りを感じたことがあります。
自分とは違う考え方に「なんでそんなことになるんだ」と思って、批判をしたり、愚痴ったりしていました。
そして、仕事へのモチベーションが下がってしまうこともありましたね。
しかし、自分の立場が上がるにつれ、そして施設長になってみて、初めてその理由と対応の方法がわかりました。
私の結論としては「会社と個人の方針が合わなくて当たり前」です。
また、会社と個人、どちらが正しいというのはありません。
そして、法を犯すなどではない限り、会社の方針に沿って仕事をすることで、自分の成長につながります。
今回の記事は、会社の方針に自分の方針をうまく沿わせることが、自分の成長につながるということを書いていきます。
ただし、思考停止して会社の言いなりになれ、という話しではありません。
これでは自己成長につながらないし、仕事へのモチベーションも上がりません。
ちなみに私は介護業界で17年間働き、3つの法人で仕事をしてきました。
職種経験の内訳としては、下記の通りとなります。
- 介護職:6年
- 施設&居宅ケアマネ:5年
- 老健や介護付有料老人ホームの施設管理者:6年
介護職時代は会社の方針に反発していました。
違うやり方をするべきだ!と異議を唱え、どちらかというと扱いにくい社員だったと思います。
一方で、施設&居宅ケアマネ時代は、会社の方針に沿って仕事をしました。
施設管理者の時代は、会社の方針を受けて、施設の方針を自分が発信する立場になったので、一般スタッフが受け取るギャップに悩みました。
その経験からのお話しです。
会社の方針と自分の方針が合わない理由
一般スタッフで働いている時、会社の方針と自分の考えている方向性が合わないことは、当たり前です。
その理由は次の通りです。
- 会社とスタッフの見えている範囲がちがう
- 会社とスタッフの考えている範囲がちがう
- 会社とスタッフの見えている未来の長さがちがう
- とらえる情報量が違う
見ている順番も、考える順番も、そしてスパンも違いますし、その材料となる情報量にも差があるので、違って当然ですね。
掘り下げていきます。
会社とスタッフの見ている順番がちがう
人は立場や価値観によって見えている範囲が変わります。
どんなときにも、自分のことを一番身近に見ています。
- 自分に責任があることかどうか
- 自分に影響があることかどうか
- 自分の好きなことかどうか
ものごとをとらえるときに、このように考えています。
自分に対して影響がないなと感じたら「他人事」になるわけです。
影響が及ぶ順番を近い方から付けると、次のような順番になるのではないでしょうか。
- 自分
- 仲の良い同僚
- 所属する部署(フロア)
- 施設の自分の職種
- 施設(事業所)全体
- 法人全体
遠くなればなるほど、自分に及ぶ影響は少なくなると感じるので、他人事になります。
会社は逆です。
- 法人全体
- 施設(事業所)全体
- 施設の管理者
- 各部署(フロア)の責任者
- 一般スタッフ
このようになります。
誤解を招くと困るので書いておきたいと思いますが、一般スタッフの順位が一番下に来ていますが、軽んじているわけではありません。
会社が直接やり取りするのは、基本施設の管理者になるので、その向こうにいる一般スタッフがもっとも遠い存在になります。
社長が管理者を飛び越えて一般スタッフに関わるようになると、組織がおかしくなりますからね。
会社とスタッフの考えている順番がちがう
会社が見ている順番と、いちスタッフが見ている順番が違うということは、考える優先順位も違うということになります。
順番については先ほどと同じになります・
たとえば、社長は会社を一番に考えます。
なぜなら、会社がなくなってしまったら、職員や利用者、その家族の生活が支えられなくなるからです。
ですから、会社が存続できるように、最優先で考えます。
逆に、一般スタッフは、まず自分の人生を考えます。
自分の人生にとってプラスになるか、マイナスになるかが最重要です。
「会社のために」と考えて仕事をしている!という人もいるかもしれませんが、それは、そうすることが一番自分にメリットがあると思うからです。
それは決して悪いことではなく、会社で働くにあたってもっとも良い考え方です。
会社とスタッフの見ている未来がちがう
3つ目は、会社とスタッフが見ている未来が違うということです。
会社は社会の動向に合わせて生き残り、繁栄してくための未来を考えます。
いちスタッフは、自分の人生の未来を考えます。
ですから、会社が打ち出す方針と、いちスタッフが考える正義の間にずれが生じることは、むしろ当然だと言えるでしょう。
なぜなら、見ている景色や考える優先順位がまったく違うからです。
その結果、スタッフからしたら、会社は何を考えているかわからない、と不満になることが多いのです。
実は最終目的は同じ
会社とスタッフの間にあるギャップについて書いてきました。
かなり多くのギャップがあり、普通にしていたら方針が合致することはない、ということを理解していただけたのではないでしょうか。
ところが、実はそうではないのです。
会社とスタッフが求めている目的は、実は同じなのです。
スタッフが自分の生活の繁栄を実現するためには、その前提として会社が繁栄していなければなりません。
ですから、スタッフが自分の人生を考える延長線上には、会社が目指す目的地があるのです。
なぜなら、繰り返しになりますが、会社が繁栄することが、スタッフの生活が繁栄することになるからです。
会社の方針に自分の方針を沿わせる方法
前章の最後に書いたように、会社といちスタッフの最終目的は同じである場合が多いです。
しかし、そこに至るまでのプロセスが違うため、いちスタッフにとっては不満になりやすいのです。
不満はモチベーションの低下につながり、会社の方針から外れた行動につながってしまいます。
ここでは、どうすれば会社の方針と自分の方針を合致した考え方を持てるか、について書いていきます。
まとめると次のようになります。
- 会社の方針の先にある「目的」にフォーカスする
- 会社の方針が自分のメリットになるように考える
- 自己成長になると考えて取り組む
掘り下げていきます。
会社の方針の先にある「目的」にフォーカスする
まず、スタッフが「会社の方針が自分の考え方とは合わない」と感じているとしましょう。
では、合わないところはどこでしょうか。
会社とスタッフは、どちらも繁栄を望んでいます。
つまり、会社の目的地である会社の繁栄と、個人の繁栄は合致するのです。
会社が繁栄すれば、スタッフの待遇は良くなり、個人の繁栄も達成されます。
ただ、目的地に着くまでのルートにはずれが生じます。
会社は会社が繁栄するであろうルートを考えますし、個人は自分たちの生活が豊かになるルートを考えます。
このずれが、スタッフの理解できないところになります。
たとえば、次のような考えになってしまうかもしれません。
たしかに、会社の利益しか考えていないもあるかもしれません。
しかし、本来は、その方針で進めると、会社の利益にはつながりません。
なぜなら、お客様を大切にしない会社、スタッフを大切にしない会社は繁栄できないからです。
ですから、一見そのように感じる方針も、その目的に注目して見てほしいのです。
ルートの先にある目的地ですね。
その目的地が会社の繁栄、お客様のメリット、そして自分たちのメリットにつながっていることが理解できれば、ルートは違っても問題ないはずです。
会社の方針が自分のメリットになるように考える
会社の目的地が自分の求める目的地につながっていることがわかれば、今度はその目的地につくまでのルートについて、考えて行く必要があります。
会社が示すルートに対して、その枠の中で自分の考えを最大限反映させていくのです。
自分のやりたいことが完全にできるわけではなりませんが、やりがいを見出すことはできるはずです。
また、その中で、今までの自分では培えなかった能力も求められるかもしれません。
そうであれば、それは成長するチャンスです。
会社の示す方針の中で、自分の今まで培ってきた能力を用い、さらに必要な能力を手に入れていくことができます。
自己成長につながると考えて取り組む
自分の枠組みだけで考えていると「自分の出来ること」の範囲でしか考えられません。
そうなると、いつまで経っても「今の自分」から成長できなくなります。
最初のほうにも書いた通り、人は変化を好まない、つまり現状維持したい生き物です。
自分のお尻を自らたたいて、新しいことをしていくのは難しいのです。
ですから、会社の方針の中で求められる能力を身につけていくことは、今までよりもさらに成長した自分を手に入れるために、必要なことなのです。
そうやって身につけた能力は、将来の自分に必ず生かされる時が来ます。
スタッフとしてのあなたの強みになっていくからです。
他の人が持っていない能力を身につけていくことで、あなたの価値が上がります。
それは、あなたの選択肢が増えるということです。
そうやってとらえると、仕事に対してのモチベーションが上がるはずです。
まとめ
会社の方針が合わない理由と解決方法について書きました。
まず、前提として、自分の考えが会社の方針と合わないのは当たり前ということですね。
見ている世界、考えている世界、優先順位が違うので、ぴったり合うことはありません。
そのずれが会社に対しての不満や、モチベーションの低下につながるということです。
しかし、目的だけにフォーカスしてみれば、自分が求めているものと合致する場合がほとんどです。
だから、ルートに対するこだわりは捨てて、会社の求める道筋に沿って考えていきましょう。
その中で自分の考えを最大限発揮すればよいです。
そうすることによって、自分が今まで持てていなかった能力を得ることもできます。
もちろん出世の近道にもなるので、ぜひこの考え方を活用していただけたらと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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