認知症の実行機能障害とは?原因やケア、対応について解説します

認知症

実行機能障害について知りたい人「認知症の実行機能障害について知りたい。認知症の症状で実行機能障害ってあるよね。原因ってどんなことがあるのかな?また、どのようにケア、対応をしたらいいんだろう。詳しく知りたいな」

こんな疑問を解決します

この記事の内容
認知症の実行障害の症状、原因、対応方法について書いています

こんにちは、せいじです。介護の仕事を20年以上しており、現在は介護の研修の講師やコンサルタントの仕事をしています。

さて、認知症の中核症状のひとつに、実行機能障害というものがあります。実行機能障害とは、計画立てて行動することができなくなる障害です。アルツハイマー型認知症の方に起こりやすいですね。

実行機能障害が起こると、身体的な昨日に問題がなくてもいろいろな行為ができなくなってしまいます。ですから、介護が必要になるケースも少なくありません。

ただ、能力があってもその行為自体がわからなくなる「失行」とくらべると、リハビリなどによって改善の余地があります。

というわけで、今回は認知症の実行機能障害について解説します。

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認知症の実行機能障害とは?原因やケア、対応について解説します

では、認知症の実行機能障害について見ていきましょう。

実行機能障害の症状

認知症の実行機能障害の症状では、計画立ててもしくは段取り立てて物事を行うことができなくなる症状が見られます。

計画立てて行うというと、旅行の計画や、資格を取得するための勉強の計画など、長期的な期間に物事を行う際に支障が出るの?と思うかもしれません。日常生活の中ではさほど影響がないんじゃないか、と。

しかし、そうではありません。

人間は日常生活をする中でも、無意識に頭の中で段取りを決めてから実行しています。

まとめると、次のような段取りです。

行為をする際の段取り

  • 目標の設定
  • 計画の立案
  • 計画の実行
  • 改善

これができるから、きちんと行為を実施することができるわけです。

実行機能障害の具体例

たとえば、着替えをする際には次のようになります。

  1. (目標)外行きの服に着替える
  2. (計画)タンスから上下の服などを出し、上から順番に着替える
  3. (実行)実施する
  4. (改善)下から順番の方が効率がいいかしら?次はそうしてみよう

日常生活を行なっていく上でも、このような段取りを行いながら実施しているのです。

実行機能障害が起こると、どうやって着替えたらいいのかわからなくなり、身体機能に問題がないのに行為ができないということが起こるようになります。

実行機能障害の原因

実効機能障害の原因は、脳の大脳皮質にある前頭連合野という部位が障害を受けることによって起こります。

前頭連合野が障害を受ける原因としてもっとも多いのはアルツハイマー型認知症です。

アルツハイマー型認知症では、脳全体が萎縮していくため前頭連合野も障害されてしまうからです。

その他にも、脳梗塞や脳出血、前頭側頭型認知症でも、実行機能障害が起こる場合があります。

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認知症の実行機能障害への対応

次に、実行機能障害への対応について見ていきましょう。

実行機能障害は治療できる?

実行機能障害は、認知症の中核症状のひとつになります。中核症状は脳の気質的な変化、つまり脳自体が変わってしまうことによって起こるため、治療することができません。

ただし、実行機能障害については、リハビリを継続して行うことにより症状の改善が期待できます。

また、関わり方によって、実行機能障害をおさえることも可能です。

認知症の中核症状をわかりやすく解説します

実行機能障害のリハビリ

実行機能障害は、リハビリによって症状を軽減できる可能性があるとされています。では、実行機能障害にはどのようなリハビリが効果的なのでしょうか。

リハビリの方法としては、一連の行動を複数に分けてをルーティン化し、繰り返し行っていくという方法があります。

繰り返し行っていくことで、頭の中で行動がパターン化され、できるようになる可能性があります。

とはいえ、リハビリをしたからといって、すぐに症状が改善するわけではありません。長い期間を使って、何度も繰り返し行っていかなければ効果は見込めません。

根気のいる作業となります。

実行機能障害への支援

実行機能障害は、行為をする際に優先順位をつけられない障害です。なにから手をつけていいのかわからないことで行為自体が行えなくなります。しかし、一つひとつの行為自体はすることができます。

ですから、優先順位をつけられないところをフォローすれば、自分で行うことができます。

たとえば「衣服を着替えてください」と言うと、着替えるために必要な複数の行為に優先順位をつけることができず、着替えることができません。

しかし、「まずは上の服を脱いでください」と伝え、それができたら次の行為を伝えるといったように、一つひとつ行動を伝えていけば、自分で実施することができるというわけです。

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認知症の実行機能障害とは?原因やケア、対応について解説します:まとめ

認知症の実行機能障害について書きました。この記事をまとめます。

認知症の実行機能障害について

  • 実施する際の計画や段取りを立てることができなくなる
  • 一つひとつの行為自体を実施する能力はある
  • 原因は脳の大脳皮質にある前頭連合野が障害を受けることによる
  • アルツハイマー型認知症の方に多い
  • リハビリによって改善することもある

なお、認知症の症状や、アルツハイマー型認知症の詳細については、下記のリンク記事をご覧ください。

介護をする上で、認知症の知識や認知症対応の技術については絶対に必要になります。とはいえ、介護職の職場でなかなか詳しく教えてもらえる機会もないでしょう。

どうやって接したらいいんだろう?とストレスを感じているあなた、ぜひ、下記の記事をご覧いただき、利用者はもちろん自分自身も助けてあげてください。

認知症の中核症状をわかりやすく解説します

認知症のBPSD(行動・心理症状)をわかりやすく解説します

アルツハイマー型認知症の原因や症状、治療方法とは

ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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