バイスティックの7原則の秘密保持の原則について知りたいんだよね。秘密保持の原則はどういったことなのかを理解して、クライエントに対応したいと思う。あと秘密保持をすることによって、クライエントとの関係性でどのような影響があるのかを知りたい。
こんな疑問を解決します。
こんにちは、せいじです。
現在は介護職のみなさんが、介護の仕事にやりがいを感じられるようなコンテンツを用意し、セミナー講師の仕事をしています。
ここ10年ぐらいは、施設、居宅のケアマネジャー、施設長などの管理職として、対人援助にたずさわってきました。
詳しいセミナーの内容や経歴については、研修内容・経歴をご覧いただけると嬉しいです。
この記事の内容
さて今回は、対人援助技術の基本原則であるバイスティックの7原則から、秘密保持の原則を深堀りしていきたいと思います。
バイスティックの7原則については【対人援助技術】バイスティックの7原則をわかりやすく解説をご覧ください。
秘密保持の原則をわかりやすく解説
バイスティックの7原則のひとつ、秘密保持の原則について書いていきます。
秘密保持の原則は、介護職として働く上で守らなければならない守秘義務と同じです。
「職務上、利用者から知り得た情報を外部に漏らしてはならない」というものですね。
援助者はクライエントから聞いた情報は、外部に漏らしてはいけません。
話すには秘密を守ってくれるという安心感が必要
対人援助に当たっては、問題を赤裸々に話してもらう必要があります。
本音で話しをしてもらえないと、解決することができないからです。
しかし、人は信頼の度合いによって、話しをする深さも変わります。
信頼が深いほど本音で話しをすることができるのです。
本音で話しをするためには、秘密を守ってくれる、という信頼感が必要になります。
「話した内容が誰かに漏らされるかもしれない」と思いながら、本音で話しをすることはできないからです。
たとえば、同僚との関係に悩んでいたとします。
関係を改善したいが、相手に対して許せないところがあることを、相談したとしましょう。
その内容を、相手に漏らされてしまうかもしれない、と感じると、相手の嫌なところがどこなのか、どんな風に改善してほしいと思っているのか、本音で話しをすることができなくなってしまいます。
実際に漏らされたら、相手との関係はますます悪化してしまうかもしれないからです。
ですから、この人は必ず秘密を守ってくれる人だ、という信頼が必要になります。
相手が信頼できるような要素の提供
信頼を得るためには、クライエントが援助者に対して「秘密を守ってくれる人」という信頼感を得られるように関わらなければなりません。
たとえば、援助者の次のような項目が信頼関係の構築に関係します。
- 表情
- 仕草
- 態度
- 服装
- 身だしなみ
- 髪型
- 熱意
人は視覚情報により、大きな影響を受けます。
たとえば、真剣な相談事をするとしたら、どちらの容姿を選びますか?
- スーツを着用し、身だしなみがきちんとしている清潔感のある人
- スウェットの上下でだらしがなく、不潔に感じる人
これは極端な例ですが、ほとんどの人が1の「スーツを着用した身だしなみのきちんとしている人」を選びますよね。
スーツを着用しているのと、スウェットの上下という服装では、スーツを着用している人の方がきちんとしている、という印象を受けます。
ですから、服装や身だしなみは信頼感に影響を与える要素といえます。
また、クライエントに対して、援助者がいかに真剣に、思いを持って聞いているかを伝えることで、相手の信頼につながります。
悩みを話す相手ですから、真剣に聞こうとしてくれている人に話したいと思いますよね。
たとえば、真剣な表情であったり聞いている姿勢ですね。
あなたの悩みを聞きたい、真剣に考えている、ということが相手に伝わるような関わり方が重要なのです。
普段からの言動が影響する
クライエントが普段から関わりのある人物だと、援助者の日常的な言動が、援助の際の信頼感に大きく影響します。
普段から言行一致、一貫性を持った行動をしていると、秘密を守ってくれる人だと信頼しやすくなります。
逆に、反対の印象を与えるような行動をしていると、信頼を置いてもらうことはできません。
ですから、普段から、信頼を得られるような立ち居振る舞いをしておく必要がありますね。
そのためにも、次のような行動はタブーとなります。
上記のような行動をとると、クライエントからは信頼を得られなくなります。
なぜなら、自分の話した内容も、同じように話しのネタに使われてしまうんじゃないかという不安を感じるからです。
また、会社の悪口を言う上司というのも信頼されません。
上司が会社を悪く言っていると、部下の会社に対しての信頼が下がります。
部下は上司からの発信によって会社のことを知るしか、上層部を知る術がないからです。
そして、上司からの話しによって会社からの信頼が下がると同時に、自分より会社内で力を持つ上司が、改善を図らずに悪口ばかり言っていることに対して、上司に対しての信頼が下がります。
「うちの上司は文句ばかりで、なにも改善しようとしない」と捉えるからです。
そんな上司が職場の改善をスタッフに指導しても、部下は言うことを聞かなくなります。
そのような状態では、上司が援助者としてクライエントの部下の話しを聞くことはできません。
まとめ
バイスティックの7原則のうちの秘密保持の原則について深堀りしてみました。
秘密保持は最低限守らないといけない原則だと思います。
ここがぶれてしまったら、クライエントが心から安心して話をすることはできません。
ただでさえ人に言いにくい内容を話してもらうわけですから、大切にしたいところですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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