バイスティックの7原則における統制された情緒的関与の原則を解説

バイスティックの7原則

バイスティックの7原則における統制された情緒的関与の原則について知りたいと思うけれど、言葉の意味が難しくてよくわからない。わかりやすい解説と、実践する際の注意点が知りたいな。

こんな疑問を解決します。

こんにちは、せいじです。

仕事として、介護施設のリーダーや管理者向けの研修をしています。

簡単なプロフィール

  • 高齢者福祉の業界で17年働いている
  • ケアマネや施設の管理者として対人援助の経験が10年以上
  • 現在介護のセミナー講師をしている

研修の内容はこちらをご覧ください

この記事の内容

  • 統制された情緒的関与の原則がわかる
  • 統制された情緒的関与の原則を活用する際の注意点がわかる
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統制された情緒的関与の原則とは

バイスティックの7原則のひとつである、統制された情緒的関与の原則について書いていきます。

言葉だけをとらえるととてもむずかしそうに感じますね。

しかし、言葉ほど難しいことではありません。

では、まず言葉の意味から考えていきたいと思います。

  • 「統制」:まとまりのあること
  • 「情緒的」:物事によって沸き起こる感情、しみじみと深く感じるもの

となります。

統制された情緒的関与とは、「物事によって沸き起こる自分の感情をコントロールしてクライエントに関わる」ということです。

 

  • 自分の感情をコントロールする
  • クライエントの感情に飲み込まれないようにする
  • 自分の価値観を知る

掘り下げていきます。

自分の感情をコントロールする

援助者はクライエントの話しを聞く際に、自分の感情をコントロールする必要があります。

クライエントの話しの内容や、表出するクライエントの感情に引っ張られて、援助者が同じように感情的になってしまうと、クライエントの話しをありのまま受容できなくなるからです。

たとえばクライエントが、怒りを感じた経験を話したとします。

その怒りに引っ張られて、援助者も同じように怒りを持って聞いてしまうと、クライエントの話しから問題点や課題を正しく受け取れなくなります。

問題解決に向けた主役はクライエントなので、クライエントのとらえ方や感情が重要です。

ですから、援助者は常に冷静でフラットに話しが聞ける状態でいなければなりません。

そして。クライエントが問題や課題の解決に向けて考えを深めていけるよう支援しなければならないのです。

クライエントの感情に飲み込まれないようにする

援助者はクライエントの感情に飲み込まれないようにしなければなりません。

クライエントの身に起こった出来事に対して、クライエントが感じた感情に、同情してはいけない、ということですね。

たとえば、クライエントがつらい経験をして、悲しみに暮れていたとします。

その話しを聞いて、クライエントの気持ちに共感することは重要です。

しかし、クライエントの感情に援助者も同じように悲しみに暮れてしまってはダメなのです。

あくまでも悲しみを感じているのはクライエントであって、クライエントが悲しいと思っている感情に寄り添うことが援助者のするべきことなのです。

自分の価値観を知る

バイスティックの7原則すべてにかかってくることですが、クライエントを援助するにあたっては、援助者は自分の価値観を知ることが必須となります。

そして、クライエントを援助する際には、自分の価値観を横に置いて、相手の話しを聞かなければならないのです。

問題や課題はクライエントのものであって、クライエントの価値観でとらえ、判断していくべきだからです。

この「自分を知ること」を自己覚知と言います。

詳しくはバイスティックの7原則には自己覚知が不可欠【重要です】を見ていただけると嬉しいです。

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統制された情緒的関与の原則、活用の際の注意点

統制された情緒的関与の原則を活用する際の注意点を書いていきます。

 

  • 客観的な捉え方が必要
  • 身近な人にはつい主観が出てしまう

掘り下げていきます。

客観的な捉え方が必要

統制された情緒的関与の原則の注意点として、クライエントの感情に飲み込まれず、客観的な捉え方をしなければならないことが挙げられます。

先にも書きましたが、援助者はクライエントに同情するのではなく、共感しなければならないということです。

同情は、相手の気持ちを自分の気持ちのようにとらえ、同じように落ち込んだり、落ち込む相手を哀れんだりすることです。

一方の共感は、相手の気持ちを理解することを言います。

援助者自身の感情は平静に保ちつつ、クライエントの感情の動きに心を添わせることなのです。

身近な人にはつい主観が出てしまう

統制された情緒的関与の原則は、親しい相手であればあるほど活用するのが難しくなります。

親や兄弟、親しい友達や恋人の話しは、つい自分の価値観に基づいて話しを聞いてしまいます。

そして、親しいほど相手に求めてしまう気持ちが出てしまいます。

たとえば、恋人が仕事で上司から嫌なことを言われて落ち込んでいたとします。

援助者としては、クライエントが落ち込んでいる気持ちを理解することが必要ですが、相手が身近な人だと自分の主観がつい出てしまいます。

  • 「なんでそんなことぐらいで落ち込むんだ」
  • 「落ち込むより上司に言い返せばいいのに」
  • 「そもそも嫌なことを言われないよう働けばよかったのに」
  • 「自分の大切な人を落ち込ませた上司に対して怒りを感じる」

援助者の感情が動いてしまうと、相手は話しをすることができなくなります。

とても腹が立った出来事を人に話したら、自分以上に怒ってしまって、それ以上自分の悩みを言えなくなってしまった、といった経験をしたことがある人もいるかもしれません。

相手の感情が自分以上に動いてしまうと、自分の気持ちよりも相手の気持ち添わなければならず、聞いてほしいことが言えなくなります。

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まとめ

バイスティックの7原則における、統制された情緒的関与の原則について書いてみました。

クライエントの話しを聞く際、援助者は自分の感情をコントロールしなければならない、と言うことです。

そのためには、クライエントと自分自身の感情を客観的に捉えることが必要です。

これについては、バイスティックの7原則における受容の原則をわかりやすく解説の中の、「受容の原則を実践するコツ」でも解説しています。

読んでいただけると嬉しいです。

それでは、今回はこの辺で終わりにします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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