バイスティックの7原則の非審判的態度が良くわからない。非審判的態度の原則について理解して、さらに実践していくためのコツを知りたいなぁ。
こんな疑問を解決します。
こんにちは、せいじです。
今回はバイスティックの7原則における、非審判的態度の原則について解説していきます。
この記事の内容
非審判的態度の原則を解説
まず、非審判的という言葉の意味を見ていきます。
- 審判・・・第三者的な立場から調べ裁決すること
審判に非がついて否定になるので、第三者的な立場から調べ裁決しないこと、となります。
そのような態度をとる原則ということになります。
まとめると次のようになります。
- クライエントの話しを評価しない
- 評価しないことが受容につながる
- 裁かれる恐れがあると話しができない
掘り下げていきます。
クライエントの話しを裁かない
非審判的態度とは、クライエントの話しを裁かない態度、という意味です。
なぜなら、問題や課題はクライエントの価値観で考え、解決するものだからです。
たとえば、クライエントが不満に思っていることに対して、援助者が「不満に思うことが間違っているんじゃないか?」と言ったとします。
クライエントにしたら、自分の考えを否定されたと感じ、「援助者に自分の考えがわかってもらえない」と思って、それ以上話しができなくなります。
クライエントが援助者に、自分の考えが正しいことを証明しようとして、口論になる可能性も考えられます。
いずれにせよ、援助者の立場としては、クライエントに対する支援が適切に行えない状況になるということです。
裁かないことが受容につながる
クライエントの話しを、援助者の価値観で裁かないことで、ありのまま話しを聞くことができます。
バイスティックの7原則における、受容の原則を実践することになります。
援助者のスタンスとしては、クライエントの話しを聞き、クライエント自身が話しの結論を導き出せるようにすることを大切にしなければなりません。
ですから、良いか悪いかの視点で話しを聞いてはいけないということです。
それいよって受容の原則の実践ができるのです。
裁かれる恐れがあると話しができない
クライエントからすると、人に自分の話しを聞いてもらいたい、という前提で援助者に話しをします。
うんうん、と自分の思いを受け取ってもらいたいのです。
逆に、自分の考えや行動を否定されるかもしれないと思うと、安心して自分の思いをありのままに援助者に話すことができません。
たとえば、クライエントが一緒に働く同僚に不満を持ったとします。
援助者になりえるリーダーに相談したいと思いますが、同僚とリーダーが仲が良かったとしたらどうでしょう。
リーダーはもしかしたら同僚の肩を持ち、自分の話しを理解してくれないかもしれない、との心配が頭によぎります。
そうなると、クライエントはリーダーに悩みを相談しない恐れがあります。
これは一つの例ですが、実際に組織では起こりえることです。
普段からクライエントになりえる人と接する場合は、援助者はクライエントに「裁かれる恐れがある」感じさせないようにする必要があるということですね。
非審判的態度の原則を実践するコツ
非審判的態度の原則を実践するためのコツを書いていきます。
話しを聞く際に、まずは準備が必要ですね。
相手の話しを聞く、ということをしっかりと意識して臨むようにしましょう。
「なぜ」を積み重ねていく
クライエントと同じような経験を援助者がしていると、自分の経験、体験と照らし合わせてクライエントの話しを聞いてしまいます。
そして、その時点でクライエントを裁いてしまっている傾向にあります。
なぜなら、自分の経験、体験した時に、どのような行動が良くて、どのようなことが悪かったのかを認識しているため、クライエントの行動を自分に重ねて裁いてしまうのです。
こうなると、クライエントが話しを十分にできないままとなります。
援助者は、クライエントの話しに「なぜ」を使って掘り下げることで、裁かないで済むようになります。
「自分はこうだった」と考えずに、クライエントがなぜそのように感じたか、行動したか、など話しを広げたり、掘り下げたりしていくのです。
そうすることによってクライエントは自分の考えを整理することができ、解決に向けて進んでいける可能性があります。
この時、クライエントが詰問されていると感じないよう配慮が必要です。
クライエントの判断にフォーカスする
対人援助をするにあたって、物事の良し悪しを判断するのはクライエントであり、援助者ではないことを肝に銘じておかなければなりません。
そうするためには、クライエントがどう考えているかにフォーカスすることがポイントです。
自分の価値観や一般論を排除し、クライエントの判断を大切にしましょう。
まとめ
バイスティックの7原則における非審判的態度の原則について書きました。
非審判的態度の原則は、受容の原則にもつながるものです。
クライエントの話しを裁かないで、ありのまま受け入れることが求められるからです。
人は精神的に余裕がなかったり、自分に自信がないと、つい人を責めようとする「責め心」が起こってしまいます。
ですから、クライエントの話しを聞くためには、まず自分の精神状態が良好であることが大切ですね。
というわけで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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