バイスティックの7原則における意図的な感情表出の原則を解説

バイスティックの7原則

バイスティックの7原則の意図的な感情表出の原則がよくわからないんだよね。対人援助の技術を磨いて、ケアマネやソーシャルワーカーになりたいと思っているので、わかりやすい解説があったらいいな。あと、実践するコツが知りたいな。

こんな疑問を解決します

こんにちは、せいじです。

バイスティックの7原則における意図的な感情表出の原則は、クライエントに対して援助者が「あなたの話しや、あなたの感情を大切に思っています」と伝えることができる原則です。

ぜひ実践していきたいですね。

私の簡単なプロフィールは次の通りです。

  • 主任ケアマネ:6年
  • 老人ホームの施設長:6年
  • 人材育成のセミナー講師:半年
  • 採用面接や職員育成:約1,000名

「筆者の詳しいプロフィール」

この記事の内容

  • 意図的な感情表出の原則がわかる
  • 意図的な感情表出の原則を実践するコツがわかる
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意図的な感情表出の原則とは

バイスティックの7原則における意図的な感情表出の原則とは、次のような内容です。

  • クライエントの感情を大切にする
  • クライエントが感情を出しやすいよう、援助者が配慮する

掘り下げていきます。

クライエントの感情を大切にする

意図的な感情表出の原則とは、クライエントの感情を大切にすることです。

人はネガティブな感情を表に出すことをためらいがちです。

ネガティブな感情とは、たとえば次のようなものです。

  • 人を否定する負の感情
  • 仕事の愚痴をこぼす負の感情
  • 自分が正しいと思う傲慢さ
  • ものごとがうまくいかず、他責になっている心理

このような内容の話しをする際、人はためらって、次のような表現になることが多いです。

  • こちらも悪いところがあったかもしれないけれど、相手が悪い
  • 仕事で期待されているのかもしれないけれど、とても大変。
  • 自分もまだまだ足りないけれど、こんなに頑張っている
  • 不十分かもしれないけれど、できる限りのことはしている。

言う前や言った後に、あらかじめ予防線を張るのです。

相手が自分に同調してくれるかどうか、不安だからです。

万が一、自分の考えを否定されてもいいように、準備しておくのです。

このときの援助者の反応によって、クライエントが自分の感情を自由に出せるかどうかが変わってきます。

同調してもらえない、わかってもらえないと判断すると、それ以上表出することをしなくなりませう。

しかし、わかってもらえると感じると、安心して自分の思いや感情を表に出すことができます。

人は感情を吐きださないと、視野を広く持ち、俯瞰で考えることができません。

ですから、援助者はクライエンが感情を表に出せるよう、否定せずに引き出すことが大切なのです。

愚痴を吐くことを有効活用しよう!【でもやり方注意】で負の感情である愚痴を吐くことについ手の効果を書いています。

読んでいただけると嬉しいです。

クライエントが感情を出しやすいよう、援助者が配慮する

クライエントが感情を表出しやすいようにするために、援助者は配慮する必要があります。

表に出しにくい感情を出す際には、聞いてくれている人の表情や態度、姿勢などがとても気になります。

話す方が期待していた反応じゃないと、途端に自分がなにか悪く思わているような気がして話しづらくなってしまいます。

ですから、援助者はクライエントが出したい感情に思いを寄せながら、配慮しなければならないのです。

詳しくは意図的な感情表出の原則を実践するコツのところで書きます。

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意図的な感情表出の原則を実践するコツ

意図的な感情表出の原則を実践するコツについて書いていきます。

まとめると次のようになります。

  • クライエントの感情に表情を合わせる
  • 内容と表情が一致しない場合があることを前提に考える
  • 頷きは自分の感覚よりもオーバーにする

クライエントの感情に表情を合わせる

クライエントの感情を表出させるコツとして、表情の配慮があります。

人は視覚での情報に一番影響を受けるので、クライエントが援助者に対して話をする際は、表情やしぐさの影響がもっとも大きくなります。

たとえば、次のように対応します。

  • 怒りの感情・・・・相手の怒りの感情に思いを寄せるように、少し真剣な、深刻な表情で表す
  • 悲しい感情・・・・眉毛に力を、少し目を細めるような感じで、辛い気持ちに寄り添う表情で表す
  • 嬉しい感情・・・・笑顔でクライエントが喜んでいることを、援助者も喜んでいるように表す

想像してみてください。

あなたがクライエントだったとして、援助者が上のような表情で対応してくれたら、真剣に聞いてくれている、自分の気持ちを考えてくれている、と感じませんか?

クライエントの表情に惑わされない

人は出しにくい感情を表に出す際、表情と感情が一致しない場合があります。

すべて開放して表すことをためらうからです。

たとえば、人ともめているときのことを考えてみてください。

第三者に話しをするとき、自分が正しくて相手が間違っていると一方的に非難することをためらいませんか?

話しを聞いてくれる人が、もしかしたら「あなたも悪いところがあるんじゃ?」と思うのではないか?と考えて、抑え気味に話しをします。

逆に嬉しい感情の場合も、たとえば自慢にとられるようなことについては、クライエントは満面の笑みではなく、少し遠慮気味の表情で話しをすることがあります。

「自分はそれほどすごいわけではないけれど、人からこんな風にほめてもらえたんです」

というような感じですね。

こんな時援助者に、あなたの成功を喜ぶように満面の笑顔で話しを聞いてもらえたら、安心して話すことができますよね。

頷きは自分が思っているよりもオーバーにする

援助者がクライエントの話しを聞く際は、自分が思っている以上に頷きのしぐさをオーバーにし、回数を増やすようにしてください。

人は自分の間隔よりも、実際の仕草は小さいからです。

ですから、自分が思っている感覚でリアクションをしても、クライエントには届かない場合があります。

試しに鏡の前に立って、普段の頷きがどの程度なのかを確認してみてください。

思っているよりも首が動いていないことがわかるはずです。

頷きの回数も同じくですね。

特にクライエントの話しを聞いて、頭の中で考えたりすると、動きが止まってしまうことがあります。

ですから、多く頷くことを意識するようにしましょう。

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まとめ

バイスティックの7原則における意図的な感情表出の原則について書きました。

クライエントの感情を引き出すための、大切な原則です。

なぜなら、人は感情を吐きだした後でないと、冷静に物事を見つめなおすことができないからです。

ありのままを受け取ってもらうことで、俯瞰で物事をとらえ考えることができます。

良い援助者になるために、磨いていくことが大切ですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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