スタッフにチャレンジ精神がない、新しいことをやろうとしない。だから組織が活性化していかないんだよね。なぜチャレンジしないんだろう。なぜ失敗することを恐れるんだろう。このままでは成長していかないと思うし、毎日同じ繰り返しじゃ仕事も楽しくないと思うんだけど。
こんな悩みを解決します
この記事の内容
スタッフが失敗を恐れる理由
スタッフが失敗を恐れる理由をまとめてみました。
- 成功するメリットがないから
- 失敗すると減点されるから
- 上司を信頼していないから
掘り下げていきます。
失敗すると減点されるから
スタッフの評価方法としては、一般的に加点方式と減点方式の2つの方法に分かれます。
加点方式とは、0点からスタートして行動することで点数があがっていく方式です。
減点方式とは、100点からスタートして、失敗によって点数を差し引いていく方式です。
失敗すると減点されてしまうという職場では、スタッフはミスを恐れてチャレンジしないようになります。
チャレンジしなければ失敗することはなく、減点されることもないからです。
こういう組織では、なにもしないことが安全ということになり、組織の活性化が図られません。
「減点方式と言ったって、成功すれば当然加点されるんだから、別にいいんじゃないの?失敗よりも成功を増やせばいいだけじゃないか」
このような反論があるかもしれません。
しかし、成功するために絶対に必要なことは、失敗を積み重ねることです。
大きなプロジェクトであればあるほど、失敗の積み重ねは必要になります。
トライ&エラーを繰り返して、一つずつプラスを積み上げていかなければならないからです。
減点方式では失敗に目を向けるので、下手するとプロジェクト途中で外される危険があります。
ですから、安全策を取らざるを得なくなるのです。
安全策ばかりの積み重ねでは、当然優れたものはできません。
成功するメリットがないから
なにかを成し遂げるためには、必ず失敗がついて回ります。
失敗のない成功はありません。
特に求める成果が大きければ大きいほど、失敗の積み重ねによる改良が必要です。
しかし、減点方式での評価だと、成功に至るまでに評価が下がってしまいます。
こうなると、わざわざ評価を下げるリスクを負ってまで、成功するかどうかわからないチャレンジをしようとは思えなくなります。
上司を信頼していないから
上司に対して信頼がおけないと、失敗を恐れるようになります。
なぜなら、組織の中で守ってもらえると思えないからです。
人はだれしも自分の身を守りたいと思います。
そして、部下は上司に対して、守ってくれることを求めます。
それが上司の役割だからです。
しかし、そこに不信感をもってしまうと、いざという時に自分にすべての責任を押し付けられるんじゃないかと不安になります。
だから、失敗しないように安全策を取ろうとするのです。
失敗を恐れない組織にする方法
失敗を恐れない組織にする方法をまとめると、次のようになります。
- 評価を加点方式にする
- 挑戦するメリットを明確にする
- 上司と部下の間で信頼関係を構築する
掘り下げていきます。
評価を加点方式にする
減点方式ではなく加点方式の評価にすることで、チャレンジする風土ができます。
加点方式の考え方としては、失敗は起こりえるもの、というとらえ方になります。
ですから、成功のための失敗という考え方になるのです。
失敗したときに恐れるのは、今の自分の立場が危うくなるのではないか、ということです。
リーダーなら、降格になるのではないか、という不安です。
しかし、それとこれとは別であることをしっかりと伝える必要があります。
安心して失敗できる状況を作るために、失敗の先にある成功に目を向けて、部下を支援するというマネジメントが施設長などの上司に求められます。
挑戦するメリットを明確にする
挑戦することで得られるメリットを明確にすることで、人は行動できるようになります。
なぜなら、目的を持たなければ、人は具体的な行動の動機にならないからです。
挑戦するメリットを明確にすると、人はつらいことの向こうにあるメリットを目当てとして、行動に移せるようになります。
この時大切なのは、会社の目的を達成する中で、個人の目的も達成されるようにすることです。
会社の方向性と本人の方向性が乖離していると、目的を果たすモチベーションが下がります。
たとえば、会社が収益性を重視しているとします。
その方向性の中で、あなたは介護の質を高めることを重視しているとしたら、本気で収益性を高めることに取り組めるでしょうか?
方向性の違いにより、会社に対する不満につながるかもしれません。
よくあるパターンですが、実はこれはあたりまえの話しで、解決策もちゃんとあります。
会社が収益を重視するのは当然です。
なぜなら、職員に給与を支払ったり、会社の今後の成長のために資金を回さなければならないからです。
また、事業所を維持していくためには、修繕や改築などの設備投資も必要ですしね。
そして、介護職が質を高めたいと思うのも当然の話しですね。
会社が求める収益性を高めることと、介護職が求める介護の質をあげることは、突き詰めていくと同じゴールにたどり着きます。
会社は一人ひとりの能力の向上と、業務改善により、できる限り少ない人数で質の高い介護を提供することを求めています。
一方で、介護職が自分達の能力を高めることは、サービスの質と収益性の向上につながります。
ですから、ただ単に言葉だけを受け取るのではなく、どうすれば施設が求めることが成し遂げられるかを考える必要があります。
そして、過程ではなく結果に目を向けてみるのです。
そうすれば、実は自分が求めることと、施設が求めていることが一致するケースが多いということです。
上司と部下の間で信頼関係を構築する
上司との信頼関係を構築することで、スタッフは失敗を恐れないようになります。
万が一失敗しても、上司が守ってくれるという安心感を持つことができるからです。
たとえば失敗をしても、上司がそれを「成功のためには仕方がない」と理解してくれる環境であれば、失敗を恐れなくなりますよね。
さらに、もし失敗を「チャレンジした」と喜んでくれるような上司ならどうですか?
上司のためにも、絶対に成功させようと思えるはずです。
まとめ
部下が失敗を恐れる理由と、その解決方法について書きました。
会社に所属していると、評価を気にするあまり、行動できなくなってしまうことが多いです。
自分の出世に響いたり、組織での信頼を失うのでないかという恐れがあるからです。
また、わざわざ大変な思いをしても、大して得られるメリットがない、と感じるからです。
これは環境によるところが大きいと思います。
それは私自身が独立、起業して改めて感じました。
今の私はなにかにチャレンジしなければ、道は開かれていきません。
しかし、会社に所属していた時は、チャレンジしなくても毎月給料が振り込まれます。
どうしても今の立場を維持、そして上げていこうと、守りから入ってしまいます。
そして、守りを重視するあまり、責めに転じることがなかなかできないのです。
組織で解決していくためには、組織全体の風土を変える必要があります。
すぐにできることではありませんが、積み重ねにより変えていかなければ組織は活性化していかないでしょうね。
まずはスタッフの行動が良かったかどうかではなく、行動したこと自体を評価することから始めてみてはどうでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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