介護の人材マネジメント、退職者を防ぐ方法とは?【リーダー向け】

組織・チーム作り

介護施設のリーダー「退職者が多いのを何とかした。介護職が退職していく。どうしたら退職を防ぐことができるでしょうか。成り手が少ない中で、退職されていくと、施設サービスを提供するのが難しいです」

こんな悩みを解決します

この記事の内容
  • 介護職の退職を防ぐ方法がわかる

こんにちは、せいじです。

介護施設の施設長を6年していました。

現在は独立して人材マネジメントのコンサルタントをしています。

ちなみに、施設長時代は年間退職者が14名→着任後2名に減少。

その後も最大で2名、平均では1ぐらいですね。

さて、介護施設のリーダーや管理者をしていて、一番頭を悩ませるのが人材の確保ではないですか?

新しく採用することもですが、退職者を出さないこともリーダーにはとても大切な役割となります。

今回は、退職者を出さないようにする方法について書いていきます。

人の問題が解決すれば、施設の運営はそれほど難しいものではありません。

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介護の人材マネジメント、退職者を防ぐ方法とは?【リーダー向け】

介護の人材マネジメント、退職者を防ぐ方法について書いていきます。

人のは出入りが激しい職場では、人の成長も見込めません。

人が定着して初めて人が成長する風土ができていきます。

まぁ、同時並行でやっていかないと、定着する職場はできませんけど。

手順としては次のようになります。

  1. 受容力:面談
  2. 雑談力:コミュニケーション
  3. 承認:認める力
  4. 目的の共有:ビジョンを示す力

掘り下げていきます。

受容:まずは面談をしてとことん話しを聞く

退職者を出さないようにするための最初の手順は、スタッフと面談をする、です。

ただ面談をすればいいわけではありません。

スタッフの話しをまるごと受容しましょう。

これには2つの目的があります。

  • 話しを聞いてもらえた→自分を大切にしてもらえた
  • スタッフの中にある不満の整理

1つ目は、スタッフに「話しを聞いてもらえた」と感じてもらうことです。

話しを聞いてもらえた、ということは、自分を大切にしてもらえた、ということに繋がります。

人は自分の話しを真剣に聞いてくれる人を信頼したいと思います。

聞くという行為が、大切にされていると感じるからです。

逆に、自分の話しを聞いてくれない人を信用しようと思わないですし、相手の話しを聞こうとも思えません。

部下は上司の鏡ってことですね。

部下に話しを聞いてもらえないリーダーは、まず自分が聞くことから始めましょう。

もう1つは、スタッフの中にある不満を整理する効果があります。

スタッフの不満というのは、実は漠然としていることが多いです。

はっきりこれというわけではないけれど、とにかく不満、という状況ですね。

リーダーがそこに真正面から向き合うことで、スタッフは自分の不満が漠然としていることに気づくのです。

また、話しをとことん受容すると、ほとんどのスタッフが、面談の終了時点では「考えたら自分にも問題があった」と口にします。

これはクレームの際にも言えることですが、相手の話しをとことん聞き、相手の感情に寄り添うことによって、不満を訴えている人も「自分にも悪いところがあった」という結論に行きつくことが多いです。

「話しを聞くことで相手も話しを聞いてくれるようになる」のと同じで、不満をありのまま受容されると、つまり不満を理解してもらえると、相手の気持ちも理解しようとする気持ちになります。

 

この状況ができれば、次のステップとして建設的な話し合いができるようになります。

雑談力:とにかくコミュニケーションをとる

人間は心理的に、同じ時間を共有する頻度が高いほど、相手に好感を持つようになります。

なので、人との関係を深めていこうと思えば、相手と接触する頻度を増やすのが効果的です。

なにも特別な話しをする必要はありません。雑談で十分です。

関係性が浅いうちは、どうしても接触するのに及び腰になりやすいですが、勇気を出して一歩を踏み出しましょう。

相手も同じように思っている可能性が高いので。

リーダーが扉をたたいてあげれば、相手も扉を開いてくれるようになります。

また、人は会話をすることで元気になります。

アウトプットすることによってテンションが上がっていくのです。

雑談力を持つことによって、その状況を作ることができますね。

承認:仕事を認めていく

次に承認の関係を作っていく段階に入ります。

ひらたくいうと信頼関係校の構築です。

この承認の土台を作ることで、スタッフにリーダーの声が響くようになります。

「仕事を認めていく」と書くと、多くの人が「スタッフを褒めればいいんでしょう?」という結論になりがちですが、そうではありません。

スタッフを褒めることと、承認することは別ものです。

たとえば、会ったばかりの時に、「あなたはよく頑張っている。仕事が良くできる人だね」と褒めたところで、受け取れませんよね。

なぜなら、相手が自分のことを知らないからです。

そして、自分も相手のことを良く知りません。

関係性が薄い中でいくら褒められても、素直に受け取れませんし、それどころか「自分に媚びを打って利用しようと思っているのでは?」と不信感にさえつながってしまいます。

相手を認める、承認する、というのは、相手を知ることです。

自分を知ってくれている人から褒められて、初めて人は受け取ることができるからです。

逆に叱られる場合もそうです。

自分を認めてくれている、自分を知ってくれていると思える人から叱られると、相手は素直に受け止めることができます。

しかし、そうでない人から叱られると、不満や反発にしかなりません。

承認とはそういうものです。

なので、普段からスタッフに興味を持ち、スタッフを知り、スタッフの行動を把握しましょう。

そして、褒めるときも、叱るときも、具体的な言葉を添えて伝えましょう。

そうすることで、スタッフはリーダーの褒め、叱りをありのまま受け取ることができるようになります。

目的の共有:チームの目標と個人の目標を合わせる

手順の最後は、チームの目標とスタッフ一人ひとりの個人の目標を合わせることです。

人は自分が一番大切です。

自分の利益を最優先で考えるのです。

なので、いくら施設のために頑張ろうと言っても、スタッフに100%響きません。

しかし、そうすることが自分にとってメリットがある、と感じると、主体的な行動になって現れるようになります。

その形を作る方法が、チームの目標と個人の目標を合わせる方法です。

チームの目標を達成する過程が、スタッフの目標達成に向けていかに役立つかを実感してもらうのです。

個人の目標は人それぞれ違います。

なので、リーダーはそれを把握して、チームの目標につなげてあげなければならないのです。

たとえば、人から良く思われたい、人に愛されたい、と望んでいるスタッフであれば、目標達成の過程の中で自分の役割を果たすこと、そしてチームの仲間を手助けすることでそれが達成できます。

将来的に違う仕事に就きたいと考えている人であれば、チームの目標を達成することで、自分の経歴にプラスになることや、達成という成功体験を味わうことで次の目標達成につながることを伝えます。

「楽してお金をもうけたいだけ」の人であっても、今、目標達成のために努力し、スキルを身に着けることで、将来的に自分の価値が上がり、人生において楽ができるようになることを説いてあげればよいのです。

自分のメリットにつながることが実感できれば、おのずと人は動くようになります。

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介護職が退職する理由を考える

人材マネジメントをして解決するべき、介護職の退職理由を掘り下げていきます。

まとめると次のようになります。

  • 介護職の退職理由トップ3
  • 給料を上げても退職は防げない

掘り下げていきます。

介護職の退職理由トップ3

介護職の退職理由のトップ3は次の通りです。

  1. 人間関係の問題
  2. 結婚、妊娠、出産、育児のため
  3. 法人、施設に対する不信感

2番目の結婚、妊娠、出産、育児のため以外は、人間関係が影響していますね。

1番目はずばりそのままですが、3番目についても、法人のトップや施設長の方針を理解できない、つまり人間関係の中での信頼の不足、理解の不足ですからね。

この辺りを改善していくのは、法人と現場の橋渡し役を担う中間管理職の施設長、リーダーの役割です。

法人や施設の方針をしっかりと自分の言葉でリーダーがスタッフに伝えられているかどうかが重要ですね。

たとえば、「理事長が○○と言ってるから、やってください」というような伝え方をすると、スタッフの理解や納得は得られません。

なぜなら、リーダーがただの伝書鳩にしか見えなくなるからです。

また、理事長がリーダーに伝えるのと、リーダーがスタッフに伝えるのとでは、同じ内容でも伝え方が異なります。

だって、リーダーとスタッフの能力や立場はちがいますよね?

理解力やや立場が違うので、リーダーが理事長から聞いたそのまま伝えても、スタッフが理解できるはずがないのです。

なので、リーダーは自分で咀嚼し、自分の言葉にしてスタッフにわかるように伝えなければなりません。

給料を上げても退職は防げない

退職を防ぐための方法としてよくある失敗例は、給料を上げることですね。

スタッフの不満を給料だけで解消しようとしたらドツボにはまります。

給料を上げたら、一時的に不満は下がりますが、その後さらに給料アップの要求をしてくる、というのが結果として出ています。

そして、それを拒否すると、スタッフの不満になります。

つまり、給料をあげることでスタッフの不満を長期的に解消することはできない、ということです。

財布には限界がありますからね。スタッフに対して迎合的になり、金をばらまけば施設自体がなくなります。

ただ、給料を上げるのが無駄とか、ダメだと言っているわけではありません。

仕事をする上でお金はモチベーションのひとつです。

しかし、給料を上げるならば、きちんとした評価を実施し、正当な理由と共に上げなければなりません。

目先の不満解消にだけ焦点を当てて昇給すると、不満を下げるどころか、その給料が当たり前となり、さらなる不満につながるということです。

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まとめ

人材マネジメントによって介護職の退職を防ぐ方法について書きました。

人を増やしていくためには、採用するよりもまず人が減らない仕組み、職場環境を作ることが先決ですね。

底の抜けたバケツでは、いくら水を入れても溜まりませんから。

なので、リーダーは人が辞めないこと職場づくりをしなければなりません。

ただ、スタッフに迎合的にかかわれば辞めなくなるか、というと残念ながらそうではありません。

これだとほとんどの場合、良いスタッフからやめていくことになります。

本記事の手順を見ていただいて、実践していただけると嬉しいです。

確実に退職者は減るので。

というわけで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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