施設を良くしたいと思う施設長「新しい提案をしてもすぐに反対意見が出る。変化することを嫌う人が多いんだよね。だから何も変わっていかないし、なにも良くなっていかない。いつも気が付いたら現状維持している状態。仕事が大変だ、と声があがるから何とかしようと思っているのに、誰も変わろうとしないんだから、良くなりようがないよね?」
こんな悩みを解決します
この記事の内容
施設長をしている方の多くが、施設をなんとかよくしたい、スタッフにとってやりがいのある職場にしたい、と思っているはずです。
施設長の役割は、人材の確保や育成、サービスの質の向上だからです。
職場が、働く人にとってやりがいのある場にできれば、役割を果たすことができます。
しかし、なかなか思うように行かないことが多いですよね。
特に、新しいことやこれまでと違ったことをしようとすると、反発するスタッフがたくさんいて、全然進まない、ということに悩んだことがあるのではないでしょうか。
今回はその解決方法を書いていきます。
結論としては、基本的に人間は変化を嫌う生き物である、ということを前提に考える必要があります。
そして良くしていきたいと思っている施設長(リーダー)、それを受け取るスタッフとの間にはずれが生じる、という事実を理解して行動しなければならないということですね。
部下が変化を嫌がる理由
ほとんどの人が変化を嫌がりますよね。
それって理由があるみたいですよ。
- 変化の必要性を理解できていないから
- 変化後の状態が理解できないから
- 変化する過程で負担がかかるから
- 今の現状からしかものを見ないから
- 人間の本能がそうさせるから
掘り下げていきます。
変化の必要性が理解できないから
変化を提案する人は、現在の状況を良いと思っていません。
もしくは変化後のほうが状況は良くなると考えています。
そうでないと変化することを提案しませんよね。
しかし、現状に対する見方は人それぞれちがいます。
なぜなら、全員が自分の価値観で判断するからです。
つまり、すべての人が「現状が良くない、変化が必要」とは思っていないということです。
表面的には賛成している人でも、本心はちがう場合があります。
ですから、現状の理解を一致させ、変化が必要であることを共通認識としなければなりません。
変化後の状態が理解できないから
提案の中身の理解が不十分な場合があります。
変化したらどのようになるのかがイメージできていない状態です。
旅行に例えると、目的地を設定する際に、その目的地に行く魅力やメリットを伝える必要がありますよね。
人はその魅力によって「じゃあそこに行こう」という気持ちになります。
素敵なところであれば、より一層強く思うでしょう。
目的地に行くと「こんなおいしい料理が食べられるよ」「こんな素晴らしい景色が見られるよ」「こんな楽しい遊びができるよ」ということを示してあげなければならないのです。
それが伝わらなければ、目的地に行く気になれません。
そうでない、ただ疲れるだけの旅行には、なんの魅力も感じないでしょう。
それと同じように、変化をすればどれほど良いことがあるのかをしっかりと説明し、理解してもらわないといけないのです。
変化する負担と変化後のメリットが見合わないから
変化が必要と感じていても、変化に必要な負担と比較して拒否する人がいます。
変化のための負担と、変化後のメリットが見合わないと感じるからです。
このメリットというのは、自分にとってメリットがあるかどうかで測られます。
だから、チームにとってメリットがあるとしても、個人にメリットがなければ人は動きません。
目標設定と同じことですが、施設目標に対してスタッフが主体的に取り組むようにするには、施設目標を達成することが自分のメリットになる、というようにしなければなりません。
解決方法の中で詳しく説明します。
人間の本能がそうさせるから
人は本能的に変化を嫌う動物です。
その理由はこれまでの歴史にあるようです。
人間の本能は生命を維持することを最優先に考えます。
原始時代、人間は常に危険と隣り合わせの生活をしてきました。
人を襲う可能性がある動物や、崖や川といった危険な場所、感染症などのリスクです。
そこから命を守るために、本能は変化を嫌うようになったのです。
たとえば、今日安全に生活をすることができたら、明日も同じことを繰り返せば命が安全である確率は高まりますよね?
しかし、新しいことをするということは、まだ見ぬリスクが発生する可能性があるのです。
命を守る物としては、リスクを避けたいと判断します。
だから新しいことをするのではなく、安全が保障されている行動をとるように導くのです。
人間にはそういう特性があるということを理解しておく必要があります。
改善を促す3つの伝え方
人は変化を嫌い、だめだと分かっていても、つい現状維持を選択してしまいます。
しかし、組織が現状維持を続けることは、後退を意味します。
なぜなら、他の組織が前進していくからです。
相対的に見ると、後ろに下がっていくことになるわけです。
リーダーはそうならないようにしなければなりません。
部下が改善に前向きに取り組んでくれるよう、伝えていかなければならないのです。
その3つの方法を書いてきます。
- 大きな変化を提案し、少しずつ縮小していく
- 相手の価値観に合わせて伝える
- 変化がスタッフ個人にもプラスになることを理解してもらう
掘り下げていきます。
大きな変化を提案し少しずつ縮小していく
人は大きなことの選択を迫られた後、その規模を縮小されると受け入れてしまいやすい傾向があります。
たとえばスーパーで、定価の値段が書いてあって、その横に値下げ後の値段が書いてあったら、安いと思って購入しますよね。
しかし、元の値段が書いておらず、値下げ後の値段が書いているだけでは、あまり安いと感じないでしょう。
人は大きなものを示されたあと、小さいものに変更されると、そのギャップに大きな印象を受けるのと、譲歩してもらったという心理が働くようにできています。
ですから、最初に提示する内容は、実際に求めたい内容よりも高めにし、それからハードルを下げていった方が、スタッフが受け入れる可能性が高まります。
相手の価値観に合わせて伝える
相手に変化する必要性を理解してもらおうと思ったら、相手の価値観に合わせて伝えなければなりません。
価値観は人によって違うため「変化した方がいい」と思う動機になることも、人によって違うからです。
たとえば次のような感じです。
- お金
- 仕事のやりがい
- 楽をしたい
- 仲良く働きたい
- プライベートを大切にしたい
それぞれの価値観に合わせて、変化することがどれだけプラスになるかを説明して行く必要があります。
変化がスタッフ個人にもプラスになることを理解してもらう
変化をする目的がスタッフの利益になることを伝える必要があります。
そうでないと変化しようと思えません。
会社のメリットをどれだけ伝えても、スタッフは頑張れないのです。
つまり、その変化を達成すれば、自分にどんなメリットがあるのか、どんなご褒美をもらえるのか、が重要なのです。
ただし、メリットをすぐにお金につなげがちですが、必ずしもお金に限りません。
お金という報酬もひとつのメリットになりますが、報酬と感じるのはそれだけではないのです。
特に効果があるのは自己成長につながることだと言われています。
自分がやりたいと思えることがらで、やることによって自分も成長することができ、そして承認欲求が満たされるようなもの、が必要なのです。
つまりやりがいですね。
まとめ
チームの中で、スタッフが変化を嫌う理由について書いてみました。
人は本能的に変化を嫌う性質を持っていますが、展開の仕方によっては変化に対してポジティブに考えられるようになります。
そのためには、変化をすることによってどれだけのメリットがスタッフにあるのかを、明確に伝えられるようにしましょう。
そうすれば、変化に対して主体的に取り組んでくれるようになります。
変化にポジティブになったチームは非常に強くなります。
この文化が根付いていけば、事業所の問題の多くは解決されるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
コメント