施設ケアマネをするメリット・デメリットとは

ケアマネジャー

未経験ケアマネジャー「ケアマネの資格を取って施設ケアマネをすることになったけれど、居宅ケアマネをする人とくらべて、どんなメリット、デメリットがあるんだろう?仕事内容がちがうところがあるので、ケアマネとしての将来にどんな差があるのかな」

こんな疑問を解決します。

私自身、特別養護老人ホームで介護職を6年経験し、それから施設ケアマネジャーを3年、居宅のケアマネジャーを3年経験しました。

その経験をもとに書いていきます。

この記事の内容

  • 施設ケアマネをするメリット
  • 施設ケアマネをするデメリット

ケアマネジャーの資格を取得すると、多くの人は居宅ケアマネになります。

なぜなら、施設ケアマネは施設の数だけしか需要がないので、そもそも必要な人数が限られているからです。

居宅ケアマネは事業所の数が多く、またひとつの事業所のケアマネの人数も複数になるので、需要が高いのです。

さて、施設ケアマネと居宅ケアマネでは仕事内容にちがいがあります。

今回の記事は、施設ケアマネをすることで得られるもの、得られないものをまとめていきます。

施設ケアマネと居宅ケアマネの仕事のちがいについては別の記事に書いていますので、そちらをご覧ください。

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施設ケアマネをするメリット

まずは施設ケアマネをするメリットを書いていきます。

比較の対象となるのは居宅ケアマネです。

  • 利用者とかかわりやすい
  • クレーム対応が身につく
  • 施設の管理者になりやすい

掘り下げていきます。

利用者とのかかわりやすい

介護職からケアマネジャーの資格を取得して転職した際、悩みになりやすいのが利用者とかかわる機会が減ってしまうことです。

居宅のケアマネジャーだと、利用者は自宅や利用しているサービス事業所にいるため、あまり関わることができません。

書類作成などに費やす時間を考えると、少なければ月に1回程度しか会えないのです。

しかし、施設ケアマネジャーであれば、自分の施設に利用者が生活しているため、直接かかわりを持つのが簡単です。

私も書類作成などに行き詰ったら、よく利用者さんとコミュニケーションをはかりにフロアに行きました。

もちろん気分転換だけが目的ではなく、話しをしながらアセスメントやモニタリングをするのですが、利用者さんと話しをするとやっぱり楽しいですからね。

結果として気分転換になり、仕事がはかどっていくようになります。

それに、利用者の生活を把握しやすくなるため、ケアマネとしてのやりがいにもつながります。

クレーム対応が身につく

施設ケアマネジャーの役割のひとつに、クレーム対応があります。

ご家族や利用者からのクレームに対応しなければなりません。

利用者やご家族は、現場の介護職に不満があっても、直接言うことに抵抗を感じます。

なぜなら「世話になっている」という意識があるからです。

そして、不満を言ったらその後の生活になにか不利益が起こるのではないか、と心配するからです。

施設ケアマネジャーは生活を直接支援しているわけではありません。

また利用者、ご家族の気持ちを代弁する役割であるため、施設や介護職に対するクレームを施設ケアマネジャーが受けることになります。

利用者、ご家族が納得できるよう、そして現場が改善できるようにかかわらなければならないということです。

そうして経験するうちに、クレーム対応のスキルをみがくことができます。

施設の管理者になりやすい

施設ケアマネジャーは管理職などに昇進しやすい職種です。

なぜなら、施設全体にかかわる仕事になるからです。

その業務の中で、スタッフの連携をはかったり、時には施設を守るためにクレーム対応をすることがあります。

管理職の仕事の一部を経験することになるため、その仕事ぶりの中で実績を作りやすくなるのです。

ですから、成果を上げることができれば昇進しやすくなります。

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施設ケアマネをするデメリット

次に、施設ケアマネをするデメリットを書いていきます。

こちらも比較の対象は居宅ケアマネとなります。

  • 居宅ケアマネとくらべて必要な知識が少ない
  • ケアマネの横のつながりを作りにくい
  • 病院や地域包括とのかかわりが持てない
  • スキルアップの機会が少ない

掘り下げていきます。

居宅ケアマネとくらべて必要な知識が少ない

施設ケアマネは居宅ケアマネとくらべて、把握しておかなければならない介護保険の知識などが少なくなります。

なぜなら、かかわるサービス事業所の数が少ないからです。

居宅ケアマネは、居宅介護支援事業所としての決まりだけではなく、利用者に提供してもらうサービス事業所の法的な決まり、加算などを把握しておかなければなりません。

インフォーマルなサービス、つまり介護保険を利用者公的なサービスではなく、近隣の方などを含む地域住民や、その他の活動によって使うことができるインフォーマルなサービスを把握しなければなりません。

つまり、居宅ケアマネは自宅生活する利用者を支援するために、膨大な情報量が必要となります。

いっぽうで、施設ケアマネジャーに必要なのは、極端に言うと自分の施設の介護保険法上の決まりや加算の算定要件の把握のみです。

居宅ケアマネとくらべて求められる知識の量が圧倒的に少なくなります。

ケアマネの横のつながりを作りにくい

施設ケアマネは、自分の施設以外のケアマネとかかわる機会がほとんどありません。

なぜなら、他のケアマネと連携する必要がないからです。

居宅のケアマネジャーであれば、地域にどんな社会的資源があるかといった情報交換をして、自分が利用者の支援をする際の引き出しを増やす必要があります。

しかし、施設ケアマネの場合、介護保険のサービスは自分の施設のスタッフから提供することになっているため、そういった情報交換をする必要性がないのです。

ですから同じ施設ケアマネとして悩みを共有したり、相談したりという機会もつくりにくくなります。

 

病院や地域包括とのかかわりが持てない

居宅ケアマネは利用者の支援をする中で、必ず病院や地域包括支援センターとかかわりを持ちます。

介護が必要になったとき、病院や地域包括支援センターが、利用者やご家族からの相談の入り口になるからです。

そこから居宅ケアマネに連絡が行き、利用者に支援することになります。

しかし、施設ケアマネの場合はその機会がほぼありません。

病院や地域包括支援センターとのかかわるのは、入居や退去の窓口となる相談員が担うことになります。

ですから、かかわりを広げていくことができないのです。

スキルアップの機会が少ない

施設ケアマネは居宅ケアマネと比べて、勉強会や研修などに参加する機会が少なくなります。

居宅ケアマネであれば、地域包括支援センターが、居宅ケアマネのスキルアップのために研修を開催します。

また、ケアマネや福祉関連の職員が、事業所の枠をこえて集まり、勉強会を開いたりしていることも多いです。

残念ながら、施設ケアマネには、こういった情報が入ってきません。

また、勉強会の内容が居宅ケアマネや在宅サービスに特化している場合が多いため、施設ケアマネが参加してもあまりメリットがないのです。

施設ケアマネとして学ぶ機会は、法定研修以外ほとんどないのが実状ですね。

ですから、自分でアンテナを立てて、自分でスキルアップをはからなければ、ケアマネとしての能力をあげる機会が持てないということになります。

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まとめ

施設ケアマネジャーをするメリット、デメリットについてまとめてみました。

個人的な結論をいうと、ケアマネジャーとしてのスキルを極めたいのであれば居宅ケアマネジャーを選択するのが良いと思います。

いっぽうで、将来的に管理職など、たくさんの部下を持って、人の育成や指導をしていきたいのであれば、施設ケアマネジャーを選択する方が良いと思います。

それぞれ求められる能力がちがうので、自分がどうなりたいか、をよく考えて選ぶのが良いでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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