「介護はチームでするものだ」とよく言いますよね。では、チームとはいったいなんなのでしょうか?また、グループとはどうちがうのでしょう?
こんな疑問を解決します。
この記事の内容
介護の仕事は、利用者の生活を支えていく仕事になります。
ですから、ひとりだけではできません。
複数の人間が集まって、協力しあいながら支援をする必要があります。
その際に形成されるのが、チームということになります。
今回は、チームについて、書いていきます。
チームとはなにか?
チームというとなにが思い浮かびますか?
すぐに思い浮かぶのは、野球やサッカーなどのスポーツではないでしょうか?
チームとはひとつの集団をさす言葉ですよね。
同じような言葉にグループというものもあります。
では、チームとグループのちがいとはなんでしょうか?
チームとグループのちがい
グループを辞書でひくと、次のように書かれています。
ちーむを辞書でひくと、次のような意味になります。
まとめていくと、チームはグループの中のひとつで、メンバーは共通した目的をもち、それに向けて協力して行動していくグループということになります。
つまりチームには「目的」がなければならないということですね。
介護のチームに求められる目的とは
介護チームの目的は、「利用者の自立支援」です。
加齢や病気、けがなどにより、日常生活に支障のある高齢者に対して、自立していけるよう支援することが目的です。
その目的を達成するためにチームがあるということですね。
では、目的と目標のちがいはなんでしょうか?
まとめると次のようになります。
つまり、ひとつの目的を達成するために、複数の目標を目印として立てるということです。
チームワークとは?
次にチームワークについて見ていきます。
目的達成のためにメンバーで役割を分担し行動する
チームワークとは、チームとしての目標を達成するために、メンバーがそれぞれ役割を持ち、遂行していくことです。
一定以上の成果を出すためには、ひとりの力では限界があります。
しかし、複数の人間が同じ目標を共有し、その達成に向けて役割分担をすれば、より大きなものごとを達成することが可能になります。
介護職で言うと、施設で生活している利用者に対しては、24時間365日の支援が必要になります。
当然、1人の介護職でまかなえるものではありません。
複数の介護職員が交代でかかわることにより、はじめて生活全体をカバーしていくことができます。
そのために、情報を共有し、連携して役割を担っていく必要があるのです。
ミスを補い合うのがチームワークではない
チームワークを「メンバー同士の助け合い」と考えがちですが、そうではなりません。
もちろん協力体制を組んで仕事をするわけですから、時にはメンバーのミスをカバーする場面も出てきます。
しかし、それ自体がチームワークなのではなく、チームでものごとを遂行する際の、ひとつのメリットであるということです。
なぜなら、ひとりでものごとをすべて行わなければならない場合、その人の調子が悪いと、必然的に悪い結果に結びつきます。
しかし、複数のメンバーで行っていると、ひとりの調子の悪さを、他の複数のメンバーが少しずつ分担し合うことで、チームとしての成果を下げないようにすることができるからです。
たとえば、ピッチャーの調子が悪いのを、キャッチャーのリードや野手の守備でおぎない、相手に点数を取られないようにする、であったり、ピッチャーが点数を取られた分、反撃によりそれを上回る点数を取る、といったことですね。
チームワークの理想的な状態
では、チームワークが理想的に機能している状態とは、どういったものをさすのでしょうか。
それは、全メンバーがそれぞれ担っている役割を、100%果たしている状態、と言えます。
ふたたび野球チームにたとえると、ピッチャーが最高の球を投げ、キャッチャーが最高のリードをし、全野手が自分の守備位置を完璧に守れば、点は取られません。
攻撃で考えるならば、1番が出塁して2番が送り、3、4、5番で返す、ということができれば、試合に勝つ確率が高くなります。
つまり、与えられた役割を全メンバーが果たすことでチームワークが最高に発揮されている状態となり、メンバーのミスをカバーしあうことそのものをチームワークと指すわけではないということです。
まとめ
チームワークについて書いてみました。
介護職は、介護職としてのチームのほかに、看護師や相談員、ケアマネジャーやリハビリ職といった、多職種のチームの一員でもあります。
そして、それぞれの専門的な役割の中で最大限の成果をあげることにより、利用者の自立支援という目的の達成を目指していかなければなりません。
その際の注意点などは、後日別の記事で書いていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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